絶対に見えないものへの対処(1)

 オイル交換を終え、点火プラグを追い込んでいって上手く行っていたので す。キャブレターのインマニ加工なども終わって、夏も乗り切った後、2006年の英車の集いは花園村だ、と思いながら... 。
 2006年の11月の時点で、点火プラグのことを先に纏めていたことが大いに役立ったものの、5月の下旬からは大変なこ とが待ち受けていました。
 何がどうなっているか、全く理解できない状態になっていたのです。

電気の流れ(状況と対処)
 事の起こりはシールバッテリーがダメになった頃からでした。数号前の記事を読んでいらっしゃる方はお解かりのことと思いますが、まじめなところ、その頃 はキャブレター関係に集中していて、その後の点火系はプラグのことで終わりかな、と思いつつ、その前の電気のことなど考えの範疇にはなかったところです。
 ところが、2006年5月20日(土)、エンジンをかけようとして、キーをONにしてセオリーどおりの始動を行ったのですが、ブリッ、といったところで 終了しました。その前にやっておいた点火プラグの清掃が影響しているのか?。それともパイロットジェットを再び変更したためか?。何とも解らないままキッ クを繰り返していたのです。
 私のT-140Vはアメリカ仕様ですから、購入当時、村山モータース独自の判断で国内仕様にフィットさせるため、ヘッドランプ他数本のラインがバッテ リーに直結さ れていま す。
 このときホーンは鳴りました。が、ウインカーが点滅しません。ヘッドランプは?。見事に点灯しません(笑)。

 T140Vの不調対策は点火プラグの件から始まって結構時間がかかりました。その上にバッテリー上がりです。この原因究明に四苦八苦するハメになるので す。それに加えてPowerBookの不調が重なり、その修整に躍 起になっていました。
 とすると、今度はSR500の車検のため、リアタイヤの交換を余儀なくされますし、いざ、これらをやろうとすると、休日は梅雨の雨が作業を阻みます。
 そ ん な状況から、最初に収まったのはPowerBookです。これで文章もタイプできるようになって来ました。SR500のタイヤ交換と車検はT140Vの時 と 同じく期間の切れる1週間前に完了という有様でした。
 このように、ある程度の落ち着きは見せたものの、T140Vのみコトがうまく運びませんでした。点火プラグの件は一応の線は出せて、次のテストをやる、 としたときの思わぬバッテリー上がりなのですから... 。

 ツェナーダイオードは(この時は)大丈夫ですし、レクチファイアもブリッジ整流のダイオード特性は確保できていました。ツェナーダイオードは清掃、レク チファイアは再 塗装してOKと していました。もっとも、スタティックな状況でしたから良好の判断は出来ましたが、低い確率ながら、作動させたままでは不具合が出る可能性は無きにしも非 ず、 という次第です。
 当初は、電源のON・OFFスイッチを別仕立てとする案も考えていたのも事実です。



 こういったところが、6月全てと7月の中旬までの状況でした。天候が回復するといよいよ夏のシーズン。オイルクーラーを持っていますが、いまだに装備し ていないT140Vでは、少しばかり苦しいところです。
 そんな2006年7月の中旬から、これら対策にかかりました。

 まず対処したのはキーです。T140Vではメインキーとステアリングロックキーとの二本立てです。今では珍しいのですが、(旧西ドイツ)UNION社製 で、乗用車のベン ツと同じく鉄のキーなんです。錠側のシリンダーの減りに対して減らない鉄のキーという組み合わせですから、私自身は上手くいってるのじゃないか、と考え ていました。
 フト気づいたのは、上記の説が正しいかどうか、ということになります。当然、オートバイは雨天走行もあるわけですから、一般の乗用車のようにキー部分が 「濡れな い」ことは無いのです。この点、どういったことになるのか… 。

 数年前のことですが、このような経験をしました。現在は市議会議員の職分を果たしていらっしゃる岩城議員のボートに装備されていた船外機がマーキュ リー、そのキーが鉄にニッケルメッキのものでした。
 このキーを海上に置いたままの船外機のスターター(錠)へ差し込んだままにされていたのです。チョークをひくの忘れてて、数回のキーONのとき、根元か らポキ リになってしまったわけです。これを抜くのに一苦労でした。こういったことは、シンチュウ製のキーにもわずかに見受けられるものの、最近の両面シンメト リーキーでは あまり起らないことだろうと思います。
 このことから、鉄製キーであるがゆえのサビが錠のシリンダーに及ぼす影響があるのではないか、とも考えました。そして、鉄のほうが錠のシリンダーの頭、 シリ ンダーの受けなどに及ぼす影響がシンチュウに比べて大きいのではないか、と感じたところです。

 以上の理由で、新たにシンチュウでキーをコピーしてもらうことにしました。これによって、オン・オフの動作が確実になってくれれば儲けものです。
 作業をやっていただけるところは市内にも結構あるのですが、鍵の紛失による錠からキーを作る、出張手助けもやる、というショップということから「宇和島 ロックサービス」、この専門店で作ってもらうことにしました。
 早速出向いて相談したのですが、T-140Vのステアリングロックキーは、こちらのスペアキーベースに存在しないキーとして作成は断念せざるを得ません でした。また メインキーは現行のものではないため、若干お値段が張るとのことでしたが、ステアリングロックは使用頻度が少ないため、メインキーのみでOK、ということ から製作してもらいました。わずか10分で出来上がりました。(写真下側 が元の鉄製のUNIONブランドのキーです。)
 早速、新調のキーを入れて回してみますと、若干ですがカチッとしたものが戻ってきたように感じました。これは、実際にエンジン始動などのテストをしてみ ないとわかりませんが、同時 に 作成してもらったSR500のキーでも、スペアの純正きーよりも操作性にガタが出なくなったように感じたので、予備キーとは違うキー作成は一定良策と確信 しました。



 もう一方、T140Vの電装関係も少しばかりチェックしてみることにしました。いわゆる電気が漏れる要因として、実際は発電量不足、あるいは清流不良か もしれない、と思い、サイドバルブさんへ、ボイヤーのMK-IIIとダイナコイルの組み合わせは、消費電力はどんなものでしょうか?を聞いてみました。
 回答としては「アンメーターを通してみなければ内容は不明」というものでした。そして、「ジェネレーターのローターを交換したほうがいいかもしれない」 とのこと。
 一応(レクチファイアは再塗装、ツェナーダイオードは清掃をしておきましたが)、ツェナーダイオードのヒートシンクを何とかしたい、と言いますと、「も う、ここまでになると、レギュレーター(ツェナーダイオード)とレクチファイア(ブリッジ接続のダイオード)を一体化したものに交換したほうが得策で す」、と仰るんですね。
 ずっと前に、別のショップで問い合わせをしていたんですが、少しばかりお高いため、導入をあきらめていました。しかし、サイドバルブでは、そんなに高価 で は ないですよ、とのことでした。

 この時点で、キーと整流関係の二本立てでのテストは、次のとおり計画していました。
  1. ダイナコイルのままとして、上記のパーツで電気の流れを全て近代的なものに変更する。
  2. この状態でバッテリーのチェックをかける。ダメな場合は電源スイッチの追加。
  3. レスポンスなど問題がなければ、このままで様子見。
  4. ノーマルコイルに交換してみる。
  5. ダイナコイルと比較して、この方が良ければ、オリジナルコイルにチェンジして様子を見る。
といったものでしたが、残念なるかな、このユニットの取り付けをどうするか、の問題が立ち上がったわけです。おまけに、このところの天候不順が再び続いた ため、T-140Vの作業を継続して行うことが出来ない状況になってきました。(このテスト計画を忘れてしまうほどの結果が待っていようとは... 。)

 と、これがプロローグです。マジ、バッテリーの容量が無くなるなどの現象はGX-750以来のことです。GXの時はACGのコイル巻き線のどこかがレア ショー トということで解決しましたが、T-140Vでは、簡素な整流方式のため、まさか、ここが... 、というものがダメになっていたとは、この時全く分からなかったのです。



 

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