電極突出型点火プラグについて(その1)

 2006年11月、ようやくSUDCO MIKUNI 32mm VMキャブのパフォーマンスが発揮し始めたところです。前回も、このキャブレター導入から7年間、一体何をしていたのだろう?、と自責の念のようなものを 記載しています。
 点火系の近代化と合わさって、迷路からの脱出に際して、実は少しずつ実験はしていたのです。まず始まったのは点火系からでした。 

ことの起こり
 2006年5月6日(日)午後から気分の良い晴天。そう、薫風香る季節そのものの中、T-140Vを動かすこととします。ところが、2週間程度乗ってい なかったのですが、始動後の発進が再び困難になってきたのです。
 そんなことで、これまでのようにウォーミングアップ走行をやって、裏道から国道へ入った途端にエンジンストールになってしまいました。この前のように燃 料コックはオフにしていません(冷汗)ので、明らかに点火プラグだな、と直感したのですが、始動後からの異常はなかったため、歩道へ乗り上げて、再始動と してキック一発で目覚めます。が、スタートできない。この状態を2回ほどやった後、ウンともスンとも言わなくなってしまいました。
 そこから200mばかり押して帰り、点火プラグを見ると、やや煤けている程度で、何ら異常ありません。

 ここでご注意!。「やや煤けてい る」表現ですが、後ほど写真も掲載しますけど、あくまで、これまでのT-140Vでの点火プラグの状況のことであり、現在の希薄燃焼型の点火プラグのちょ うど良い焼け具合は当てはまらない面が多いことを覚えておいてください。

 これまではBR6ESを装着していました。そこで、先般購入したBP6ESをポケットに忍ばせておいて、使い古しのB6ESを装着しました。
 エンジン始動すると、いつもどおりです。なかなかイイじゃないか。BR6ESの時とはまるで違います。じゃ、少し前の状況は何だったんだ?、という気分 が支配し始めました。
 メーカーでは抵抗入りとノーマルとでの違いはない、としていますが、どうも違うようです。この件は後ほど。

 いつものテストコースへ入れようとしたのですが、どうも、火がとぎれる時が出てきました。JOMOで燃料補給して、エンジンを始動。ブリッといったとこ ろで、プラグが死にました。
 こればかりは、おかしいとは思いません。何しろ使い古しのプラグですから、あわよくば使い続けるとしただけのことです。その場でBP6ESに交換しまし た。
 先に申しましたとおり、突出型(NGKのPタイプ)点火プラグでも、T-140Vではピストンヘッドともバルブとも干渉しません。
 話を少し戻して、突出型点火プラグについて、オールドタイマー誌発行の「ケルン石塚氏の世界」を再び読み返したところ、ピストンヘッドへの影響の無い点 火プラグの突き出しは5mmがリミット、とありました。ところがT-140Vでは、ここまで長いと点火とその状況に少しばかり影響が出る可能性がある。
 もう一点はトランジスタ点火になった私のT-140Vは同時点火に変更になっています。通常ですと、点火プラグの自己洗浄も十分であるはずです。
 そのため、コンタクトポイント方式のようにバッと一瞬火が飛んで着火していたものが、太い火の塊がボワッと着火するように変わっているわけです。(と、 この時は信じていたのです。)
 ところが、これまで死んだプラグを見ると次のようになっています。
  1. プラグの燻りはまぁまぁ
  2. 電極部分から碍子が黒い
  3. 中心電極部分のみタン塩色
 いかがでしょうか、これらのことから、点火プラグの死ぬ理由が私には解らなかったんです。
 次は突出型のプラグの取り扱いをどうすべきか?、という課題に対処する必要があります。これは後ほど申し上げますが、まずは、話をもどしましょう。

 JOMOでBP6ESに交換して、キック一発。妙な感覚を覚えました。何というか、マニュアルミッションの自動車がオートマチックに乗り換えしたような フィーリングになってきたのです。四輪免許が無いくせに何を言うか、とおっしゃるのはごもっともですが、パッセンジャーシートに座っている私としては、運 転することに集中しているドライバーより、自動車のフィーリングはよく解るものです。一度試されると「この人の運転は怖い」、「ヘタだな」などが思い浮か べられるはずです。

 さて、それでは、これまで申し上げた「火」のことは、ということになりますが、加速に谷があることを除いて、非常に快調にテストコースを走ることが出来 ました。
 テストコースの終わりにさしかかったとき、エンジンのゴツゴツ感というか、力が出てきたような感じになってきました。爆発の状況が一定したかな、と思っ たところです。
 一度戻って、アイドリングの調整を行い、今度はテストコースを逆走します。通り慣れている道とはいえ、坂とコーナーが逆になるわけですから、フロント 19インチのT-140Vではエイッ、ヤッとコーナーをパスしなければならず、そのポイントを掴むまでは少々とまどいます。
 快調な内にテスト走行を終えました。

 調子は出てきましたが、何か割り切れないものがあるのも事実です。単に点火プラグだけを取り上げるだけで良いのか、キャブレターの関係を含めなければな らないのではないか、などなど、どのようになればいいのかをフィーリングに頼るのではなく、何かの形で出さなければならない、と感じ始めたのです。






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