トライアンフT-140Vの燃料タンクのサビ取り

長 い長い整備の始まり
 世の中には慎重に事を進めることも大事、ということがあって、私はトライアンフの燃料タンクの錆について、色んなことが頭を巡り、何をどうしていいか判 らなくなりました。これが2014年の春のこと。この時点で3年ほど放置していました。
 サビ取り剤は、サンポールに代表される強酸を使用して、家庭用洗剤のマジックリンで中和する方法をかなり進めるのをよく見かけます。もう一方は中性のケ ミカル剤。これらの中でホントカイナ?、と思うのもありますが、実績と信頼性から「花 咲G」がいいかな?、など考えていました。
 ネット上では簡単に「こうすればいいんだよ」的に、いとも簡単にサビ取り方法が記載してあります。花咲Gでこの程度ですから、妙に眉唾物だ、と思わざる を得ません。その上、1Lが5,000円ほどしますから、⒉本購入すると少々イタイのです。またしても悩みます。しかし、事を進めなくてはなりません。栄 技研さんのページにCB750のタンク掃除の紹介があります。簡単に記載がしてあります。信じるものこそ救われる!!、でT-140VのUSタンク容量が ほぼ12Lですから20倍希釈で後のリンス文を含めて1缶購入してやればいい、とフンでやることにしました。



番外のこととして
 まずは、私の思い違いとして、「タンク内のガソリンは蒸発しているはずだ」がありました。ところが、シートをかぶせていた手前、蒸発をしていません。タ ンクキャップもさび付いています。まさか?!、案の定、素晴らしい香りが... (爆)
 とりあえず、500cc程度でしたので、ガソリンスタンドで引き取ってもらいました。このとき、またもや忘れ物がありました。トルマリン、麦飯石などの 各石の詰め合わせ「つちのこ」をタンク内に入れていましたが、この外皮の銅の網線が溶けてしまい、丸い石がポロポロ出てきました。かなりヤバイ状態かもし れません。再びやる気をなくならせてしまう一件でもありましたが...  

最初の実験として
 製品が到着して、まずは実験をしてみます。2014年10月18日、タンクキャップを原液にドボーン。案の定、簡単には行きません。23日に摂りだして 水洗いをしましたが、かなり良い結果です。これでタンクのクリーニングに自信が持てました。




燃料タンク内洗浄 (その1)
 さーて、いよいよ、燃料タンクのクリーニングをやるのですけど、11月1日 遅れに遅れたタンククリーニングを行います。中性洗剤のジョイで3回洗浄。 最初の廃液が茶色で泡立ちがないので1回でよかったかもしれません。



 すすぎは5回やりました。ニオイはまだ残っていますが、ツチノコはバラバラになってしまっていて、そのまま外へ出たので、捨てました。
 20倍希釈で使用してみることとします。原液は600ccです。11月8日 確認のために洗浄液を出します。瘡蓋状のサビが取れていません。とりあえず 水洗いして再び液を戻すことにして、様子を見ます。



 ところが、一向に錆は落ちないのです。私のやり方がマズイのでしょうか。イーヤ、そんなことはありません。11月〜12月にかけて、あらゆるところへ電 話をしました。そこでわかったのは、夏でもお湯を使うことでした。内部のこととして、化学変化が起きにくい、そのためにはお湯、ということになります。そ れと、現在入れている溶液を沸かしても再利用出来る、といいます。そこで纏めたのは、ま、しばらくそのままにしておけ、でした。
 これが、8か月の長期にわたるとは夢にも思いませんでしたが、その後の結果が好ましいものに終わったので、これはこれで良しとしましょう。いい経験でし た。

燃料タンク内洗浄(その2)
 年が明けた2015年1月までにやったこととして、まずは、燃料タンクには満タン花咲Gの20倍希釈のクリーナーが満タンであること。ほんの少しずつ錆 を溶かして いる。リンス用の水溶液は作成済み、とこうなっています。
 バカやってるようですが、タンクキャップに錆は来ず、リンス効果は発揮しているようです。このことは、同じく花咲Gのラストリムーバーで磨いたフロント ホイール(鉄リム)の状況からでも確認出来ます。錆の進行は食い止められています。
 しかし、反応が遅い冬場では、タンククリーナーの効果は出るのでしょうか。再び間違ったことをしてるのかな〜、でした。
 でも、効果は出ているのですから、やはり、問題は反応の温度差でしょう。この時点でもう⒉本花咲Gを⒉本購入しておくこととします。



 そうこうしているうちに、モートテールさんのブログにズバリが出ていました。(http: //moattailmc.blog118.fc2.com/category1-6.html)私は、この昔方式のタンクのサビ取りをやっていなかった ことを発見。濡れてはいますが、まずはこれを試みることとしました。
 12月〜1月は本当に天候不順で頂けません。そのために、やったのが1月の最終土日になってしまいました。わずかなことなのに年を越そうとは、何をやっ てるのでしょうかね。T-140Vをあまりに外車としての重要な位置付け、と考え過ぎているのでしょうか。人様から見るとバッカみたい、であります。

 1月24日いよいよ実行すべく、天気を見計らって、いつにするかを決めかねていましたが、ようやく天候が晴れました。土曜日晴れても日曜日が問題です。 上手く行くと、残りは部屋の中でやることとしますから、この晴天は大いに助かるのです。(このときの写真がなくてゴメン)
 本当は違反ですが、選仏寺境内のジャリを一握り借用して、燃料タンクに入れて、根気よくシェイクします。こんなのでバーテンダーにはなりたくない(爆)
 瘡蓋状のサビが取れます。同時に粉のサビが随分と残っているのが判ります。何とも表現のしようがありません。どうしてもタンクの上側(背中部分)のサビ が取れにくいので、ここを何度もやります。外でシェイクですから、人様が見るとバカやってるように思われます。ま、仕方がないことですけどね。
 もういいでしょう、とジャリ石でのクリーニングを終えます。ここで、もう一度、洗剤で洗浄をします。出るは出るは、最初は黒い錆色のものが出てきます。
 イヤというほど、粉状のサビがが最初の花咲Gの水溶液に混じってヘドロ状に出てきます。これを数回やるウチに、それが白濁したものから、灰色、そして透 明に代 わった時点で、まだイケルかも知れない、と再び、元の水溶液を投入しておきます。



何か間違ったことをしているのか?
 前回のタンク掃除から半年間、洗浄液を入れたままにしておきました。寒い中、お湯を使うのはいいのですが、その後毛布でくるんだりするのは考えもので す。もし、これをやってもダメなら元の木阿弥ですから、放置しておいた、という次第です。
 7月11日、助さん、格さん、もういいでしょう、ってなわけで、久々に燃料タンク内の水溶液を廃棄します。これ以上は能力的に難しいように案じましたの で、もったいないより、よく頑張ってくれました。捨てた液は、本当に真っ黒でした。錆の種類が違うのではないか。まるで黒さび(酸化第一鉄)です。年度も 若干残っていましたし。
 衣装ケースに漏れた液が付着しています。どうやら、液が膨張した模様です。ここ数日間、気温が30℃を超える日が続いていますし、どうやら3日間ほどは 雨の心配も無さそう。そのため、多少慌て気味で処理を継続します。
 以前の洗浄液を抜いてみると、写真にあるように、大半のサビは取れているのです。が、この黒い厚めのサビが取れないのです。特にキャップの後ろ側(タン クの背の部分)などが ヒドイのです。そのため、現液を注入してタンクを逆さまにしておくことにしました。夏場ですから、冬に考えていたモロモロの保温対策は考えなくていいわけ なのです。



 一晩放置したタンクに本格的なサビ取りの処置を施すことにしました。逆さまにしていたタンクを元に戻すとき、真っ黒くなった漏れた原液が飛び散りまし た。もしかして?、と確認すると、見事にざらつきがなくなっています。つまり、サビが取れた、ということでしょう。
 10倍希釈でやるために、クリーナーを200cc加えて、USタンクのほぼ満タン量の12Lとしてやってみるわけです。このタンクを⒉階の風呂場(ユ ニットバス) へ持って上がり、ソーラーの給湯器から70℃前後のお湯を注ぎます。ギョエー、タンクキャップ回りも綺麗になってる。



 大量の泡が出てきて、給油口ギリギリまでお湯を注ぎます。その後、ガムテープとポリ袋で蓋をして、それを階下まで持って下りて、移送ケースに収めまし た。天候の関係と前回の経験から2日間放置することとしました。



 48時間後の7月14日、おかしいことではないのですが、最初に入れた20倍希釈で長期放置しておいた効果と、今回の背面の原液処理ががかなり効果を発 揮していたようで、オカシイほど内部 が綺麗です。しかし、タンクレールの通る部分は、一部が落ちていません。何か強固なものが付着しているようで、次のサビ取りまで、もう無視することとしま した。




 かなりの回数水洗いをして、ペトタップをはずして、リンスを回します。その分も保存液に入れて、自然乾燥させます。この時期は、当地方ではドライヤーな ど必要なくそのまま、放置すれば1日で換装してしまいます。
 これでOKです。いつでも装着して使用できる状態になりました。燃料タップとタンクキャップは交換してやった方が良いようですがもう少し様子見です。そ の後、写真のように給油口の塗料など綺麗になっているのは言うまでもありません、あしからず。



さび取りの結果から
 というところで纏めです。実際にやったのは、タンク内のサビと溶剤の濃度、それに水溶液の温度です。この3つが好条件下では、花咲Gのやり方そのもので サビの大半は取れます。これらのことから、私流に判断すると次のようになります。
  1. 作業をやる季節は夏が最高です。
  2. 事前作業として燃料タンク内にビス・ナット、チェーン、小石などを入れてよくシェイクする。
  3. 最初に油分除去する洗剤はマジックリンが最高。
  4. 通常の汚れでも10倍を基準にすること。
  5. 溶液を作る場合はお湯でやること。これは夏でもお湯です。
  6. タンクを置く時間は48股間以内にとどめること。
 私の場合は冬から作業を始めたので、こんな結果になりました。しかし、冬場、20倍でもマジに効果が出るのです。これには驚きました。しかし、気温が低 かったため反応が促進されなかったのが1つ、そして、タンク内が極度に汚れていたこと、この2点がなければ、2015年夏にやったようなことができていた かもしれません。
 が、いかなる場合も、汚れを説明書どおりに落とそう、とすると希釈は10倍が好ましい、と思います。
 大変長く苦しい期間でしたけど、花咲Gの性能とその確認、実施にたいしてのいくつかを申し上げて、この項を閉じます。




inserted by FC2 system