SUDCO MIKUNI 見かけの30mmφ(Vol. 1)

 ようやく調子が出てきたとたんに、今度は周辺がおかしくなってきた。キャブレター自体は前回の報告のとおりで、パフォーマンスは向上して来始めた。ここから、今回は二つに分かれての報告となる。大変申し訳ないのだが写真としていいものが少ないために、この辺のところはご容赦願いたい。

 とりあえず、最初に訪れた転機は、プラグからである。何しろ、ノーマル電極で低い熱価のプラグが現在は入手難である。そのため、突出型を使用するのだが、あまり調子がよくない。さんざん探した末、スプリットファイアーのSF-405Fに落ちついた。これで調子を見ていたのだが、快調なときと、そうでないときの差が激しい。動作上プラグの変化は少ない。レスポンスもなかなかいいのだ。したがって、スプリットファイアー社の報告どおり、NGKならノーマルの6番、抵抗入りの7番に相当することとして受け取って差し支えない。
 今まで装着していたSF-405Dはノーマルの7番相当、として間違いない。オリジナルのAMALならこのプラグの方が結果がいいのは、取り付けていた本人が経験しているので間違いない。

 さて、すべからくここまではフィット確認がとれた。では、次なる問題、イマイチの原因は何か、を探ることにした。アイドリングも確実にマフラー、エアフィルターの関係から若干高めの1100〜1200rpmにセットしている。プラグがかぶるようなこともないので申し分ない。
 ところが、依然として発進時のストールが治らない。何気なく写真を見ていて気が付いたことがあった。浅川トライアンフ他、様々なトライアンフの写真を見て、いずれもが、プラグキャップを交換しているではないか。意外なことかもしれないが、プラグキャップがない時代はプラグヘッドにハイテンションコードをナット止めしていたではないか。現在のチャンピオンのは単なるカバーだけに過ぎない。そこで、手持ちのNGKの抵抗入りプラグキャップに変更する。ついでに、コイルの接点磨きを完璧に行う。

 この結果には少々まいった。ストールはなくなったとは言えないが、発進などエンジンが温もれば、キャブのフロート内にたまっていたガスがなくなる(500mほど走行)と跡形もなく消える。そのときだけスロットルワークを急激に行わないようにすればいい。
 ようやく、ここまでこぎ着けた。数回のプラグ交換、エアフィルターの交換、各ジェット類の交換、我ながらよくやったものだ。そして、最終チェックのため、大洲まで走る。なかなかいい。がどうしても燃料の関係からかもしれないが、電極周りにカーボンが付着する。これを一掃するにはどうしても高回転である程度回してやる必要が出てくる。そういったことを考えながら、内田自転車のISさんと相談して、メインジェットを#210から#200に落とす。パイロットは季節とか使用状況によってキャパシティーを考えて#30そのままにしてある。
 ここで、キャブレターの再調整を行って、Sicken SRで述べたとおり、徳島までの往復に使用して、好結果を得た。先に述べた高回転で云々は石鎚山パーキング以降、快調さがまるで変わったような回り方をしたことで、間違いはない。
 以上の点をまとめると、次のようなことになる。

1.インマニを二段カットして、オリジナルのAMALのときと同じ長さに整える。
2.エアフィルターを決定する。
3.点火系を再点検する。
4.ジェット類はそのままにして、プラグで調子を見る。
5.使用状況に応じてジェット類を換える。
6.再びプラグを変更してみる。

 なーんだ、と感じるかもしれない。しかし、たかがエアフィルター一つにしても変化するのだ。その証拠に、付属のフィルターにK&Nのフィルターオイルを塗布したところ、見違えるような高性能フィルターに変身してしまった。そして、クリーナーがしばらく日本では劇薬として販売できなかったことも分かった。その理由として水洗い後、ゴキブリがしばらく寄りつかなかった、蚊が発生しなくなった、などのことも経験した。
 
 

[次へ]

 
  inserted by FC2 system