T-140Vのリアショック交換
 長年使用してきたガーリングのリアショックのオイルが抜け始めた。最近になっておかしい表現だがまっすぐに曲がる、つまりコーナーで曲がって起こそうとするも、そのままの状態で進んでしまうようになってきた。右のカーブが特に怖い。いくら19インチのフロントホイールであっても、タチが強すぎる、ということではなく、ペタリッ、と寝たままになってしまうのである。スイングアームピボットは正常に作動しているのだから、もはや原因はリアショックだ。体重移動、ハンドリングでも修正できない。

 で、交換するのはいいが、帯に長し襷に短しで、いいものがない。ヘイゴンなどもいいが、どうもピンとこない。コニーもどうやらT-140用は生産をしていない。ずいぶんと考えたが、ガーリング自体が非常に硬いフィーリングで、タイヤのダンピングでクッション性能を加算するようになっている。おまけにフロントホイールも踏ん張りとか、そういったものがほとんどないので、とにかく今流の行き方をフィットさせると、とんでもないほどの金額がリアショック2本に消えてしまう。何とか数種類を導き出したが、最終はフレームへの取り付け部分のブッシュの問題がひっかかって、とうとう抜けたままで走っていた次第だ。

 ようやくのことで、何気なくSRのショックの古いタイプ(シリンダーが黒の)を見つけて調べると、何とか装着可能ということが分かった。早速発注!。でも現在は今のモデルのものしかない。ウム〜、今のモデルのはピボット部分がちょっと違うのではないか、ということで、以前から気にはしていたが断念していたのだ。

 この間のコイルの関係もあって、ブリティッシュビートへ電話。SRのショックはどうだ、というので、長さはジャストフィットだし、ノートンにはそのまま装着している、という。やはりT-140Vへは取り付けブッシュの点で加工が必要だとのこと。(古いタイプは上手くいく)

 手持ちのSRのものをあてがうと、取り付け部分に外径15mm内径10mmのカラーが入手できれば、ほぼ完璧に装着可能ということが分かった。とにかくSRのリアショックを発注した。どういった理由か分からないが、何とかなるであろう、という閃きがあってのことだ。さすがによく売れているバイクだけのことはある。2日で入荷した。早速ガーリングのショックからカラー付きのブッシュをはずす。知恵の輪みたいだけど簡単だよ。

 ここは二人いてくれた方が作業がはかどる。ホルダー部分の外径にフィットするソケットレンチをあてがう。ブッシュの外径とホルダーの内径にフィットするソケットレンチを片方にあてがってバイスで締め上げればあっという間にはずれる。はずしたブッシュを見ながら、思わぬことに気が付いた。ブッシュの外径がSRのそれとほぼ同じなんだ。ここがミソだったんだな。

 唯一の違いはSRのブッシュは外側からブッシュの中心に向かって谷のテーパーになっている。先ほどの外径15mm内径10mmのカラーを介して装着すると、ワッシャーで調整しないとならない。これはワッシャーの厚さなどからかなり調整に手間取る。SRの厚いワッシャーがそのままフィットするとは限らない。ワッシャーを自作するのもあほくさい。以前ここはタッチバイク誌で、コベントリーの清水氏がトライトン(ボマーをボンバーというのと同じで、トリトンではないと思うが)のリアショックを装着するとき、ブッシュの製作で報告があったように思うが、そこまでするのも考えものだ。

 そこで最初に申し上げたブッシュの外径がほとんどSRの外径と同じことを思い出した。要は元のガーリングのものが上下のホルダーにジャストフィットの外径だが、SRのホルダーはセンター部分が谷になった形をしているわけだ。ここに何とかスムースに入るようにして位置決めとすればいい。そのようにすればラバーブッシュ自体に負担がかからず劣化の心配もなくなるわけである。でも、どうやって....?!。

 取り外した2種類のブッシュを前にどうしたものか悩んだ末、谷になった部分がそんなに深いものではないことに気づく。電動のハンドグラインダーでガーリングに装着してあったブッシュのセンター部分を谷にしてやれば実に簡単に装着可能ではないだろうか、ということに閃き早速実行したわけなのである。ガーリングのブッシュは写真のように加工してやればいい。はずしたSRのブッシュと比べながら、目検討で「谷の深さはこのぐらい」、と削ればいい。要は削りすぎないことだ。ノギスで計らなくても、このくらい、という谷でジャストフィットだ。1個あたり2分程度の作業である。

 加工したショックを装着した写真が次のとおりだ。ここで左側のチェーンケースの取り付けステーの前に穴が10mmの少し厚いワッシャーを1枚はさんでやる必要がある。本当にこれだけでOKだ。慣れた人なら1時間でOKだろう。およそ1cm程度ショックの実寸法が長いが実ストロークも多いから相殺される事柄だ。

 走行してみると実にいい。ただしSRと同様に少々硬い。特に体重の少ない人は硬く感じるだろう。ここへ何を持ってくるか。そうです、ハイパープロのスプリングを入れればいい。現在のところ、残念ながら僕には予算がないのでノーマルのスプリングだが。冬のボーナスででも、と考えている。

 いずれにしても、今回のSRのスプリングはなかなかいいフィーリングを与えてくれた。かかった費用は\.23,000.-であった。ただし、労力はいつものとおり別です。

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