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シュロッドチューブとシールの関連について 現在装着してあるのは、T-140Vリリース当時からのレプリカで、千葉のストーリーさんから購入したものでした。この時のOリングは上と内部が黒のO リン グ、下側は白いフニャフニャの角断面シールの順で装着しておりました。 それより少し前にイギリスのローバックモーターサイクルズより、プッシュロッドチューブ、ガスケット、エキパイなどを取り寄せていたところでした。当 然、その頃から、私のT-140Vに装着されていたタイプは製造されていなくって、新しいタイプのものが送られてきて、少々面食らったところでした。一番 下に装着される角断面のシールはシリコンタイプで、白いゴム状のものに比べて堅く、スタッドボルトのトルク如何ではどうなることか解らず、使用をためらっ ていたところでもあります。 散々考えた末、ストーリーさんから送られたプッシュロッドチューブとOリングを使用して組み付けたのですが、先にも申しましたとおり、ローバックからの Oリングは、この時より少し前に組み付けたときに、上側のOリングを破損して、オイルダラダラの状態でしたので、もう一度はずして、ストーリーからのシー ルセットで組み立てた、というわけなので、実際 にはローバックから送られてきたOリングそのものを装着してテストをしていなかったところです。 このことが再び今回の組み立てに際して、一体どういったOリングを使って組み付ければ今の時点でベストなのか?を探し出すのを本日の課題にし、執拗に現 物を比べてみました。 シール剤の確認とプッシュロッドチューブ まずは、白いゴム状の角断面のシールについてです。これは材質上、非常に熱には強いものに感じています。10年間もの間、劣化することなく使用できたの ですから。その代わり、上下に細かい幅、つまり、エッジなどがそれに覆い被さるような場合は裂けるようになってしまいます。後で申し上げるプッシュロッド チューブの一件がえらく影響しているのかもしれない、と感じられるところです。 したがって、この白いものを上側に用いるとシリンダーヘッドのアルミの切削部分がシールを傷める可能性がありますし、厚みのある方を下側へ持ってくると プッシュロッドチューブの底の状態が影響するのではないか、ということが、うすうす理解できるようになりました。 私のプッシュロッドチューブには下側の内部にミゾが切ってありますから、セオリーどおり内部へOリングを装着することとします。 最大の難関は一番下、シリンダーのベース部分のタペットブロックを包み込む部分のシール剤です。この部分は角断面のシールが使われています。 1976年当時はこのシールが完全につぶれて、しっかりオイルを食い止める方法になっていました。そのため、この部分は再使用できないまでにつぶれてい たことを最初のシリンダーヘッド分解時に確認しています。重複しますが、この部分に現在の半透明のシール材を用いるべきかどうか、を悩むわけです。 一方、プッシュロッドチューブの状態はどうなっているのでしょうか?。タイプの違いを比べてみますと、ローバックから送られてきたものは無骨ですが、角 を生かした面取りがなされていて、内部構造もパイプのつなぎ方に若干の配慮が見受けられます。 ところが、これまで付けていたストーリーから入手したものは、シール材に当たる部分が少しラフで、面修正をする必要がありました。新しいタイプに比べ て、長さも若干長いように感じました。 上部のオイル通過穴の個数は無視できるもの、と判断します。 問題は意外なところに存在しました。それは、「プッシュロッドチューブは垂直に装 着されるものではない」ということです。 また、最終のシール材がつぶれてオイルを止める。そのツブレ具合を側面で食い止める「タガ」のリングがあります。 このことから、タガの内径とプッシュロッドチューブ下面の外径は若干の隙間がないと、「いい塩梅で完全にシールできない」ということになるのではないで しょうか。 もう一つは、古いタイプのプッシュロッドチューブでは、シールを完全に破壊する直前までつぶすことによりオイルを食い止めていた... 。と、考えてみました。 したがって、新しいタイプのプッシュロッドチューブはそのことを加味し、簡単に整備できるよう、高さ(長さ)の再検討を行い、シール材の材質も変更した のではないか、と感じたところです。 写真の左が新しいタイプ、右がこれまで取り付けていたものです。
組付けを前提として プッシュロッドチューブの最下面とシール材とのギャップは、ヘッドガスケットを装着して、およそ1mmということが、トリニティースクールの富成校長が おっしゃってます。この確認方法は非常にマチマチであって、本当に1mmなのかどうか今もって不安です。清水さんは2mm程度とおっしゃってますが、それ には黒い角断面のシールを用いた場合、ということでしょう。 私はパッキン材と金属板を用いたコンポジットタイプのヘッドガスケットも持っていますが、再利用できる銅板のガスケットを愛用しています。 コンポジット タイプを使うと、1mmのギャップは正解かな、とも感じます。銅板なら、もう少し間が狭くなるのではないでしょうか。ただし、トップにはOリングが入って の状態でですが。 現在の状況を考えると、デボン・トラがリリースされていた当時、すでにローバックから送られてきた新しいタイプのパーツが標準装備だったのではない か?、と考えが及びました。 この頃は全てのT-140系のエンジンは熟成が進んで、ルーカスリタの点火システム、新しいシリンダーヘッド、ブリー ザーの装着されたロッカーボックスなど、近代的なエンジンになっているわけです。当然、プッシュロッドチューブとシール材もそれなりに簡単に装着できなけ ればならない、となっているのではないでしょうか。 私としては、そのためのシールセットではなかったのか、と解釈し、今回はローバックから送られてきた新しいタイプのプッシュロッドチューブにサイドバル ブへ発注したシールセットを使って組み付けることにしました。 |