Triumph冬への微調整(疑問点も出る)

 2001年11月の終盤はようやく冬めいて来始めたが、夜が早く訪れるに比べて気温の変化が緩やかに感じてならなかった。しかし、冬めいて来だしたのは事実だ。
 大洲での一件ですっかり意気消沈してしまって、おまけにSR500の調整に手間取ってトライアンフはインジケーターランプを発光LEDにチャージランプのみ交換... 、で、グリーンのランプまではよかったが、ウインカーのランプ用にLEDを各々半分にして二個一(ニコイチ)にするまでに至っていない。チャージインジケーターのなまめかしい赤色の印象がすごくよくって、これはランプ(バルブ)の比ではない、と感じている。
 そういった気分で久々にバッテリーを充電する。11月23日から25日の連休にしっかり乗りたかったからだ。僕の充電器は古いミトヨの製品で、6V・12V兼用の2Aものだ。かなり小さいし、簡単な機構のものである。これで10時間程度充電するわけ。結構使いやすくって、今のシールバッテリーにも何とか行ける。午後9時に充電開始して、翌朝の7時にはOKになっている寸法だ。もちろんメンテナンスもしっかりした(半年に1度の充電ぐらいをする)バッテリーなら充電完了時には泡がボコボコ出る。不良バッテリーなら、細かい泡が出るだけで、あ〜、これは寿命だな、と感じ取ることが出来る。ちょいとバッテリーのスタンプ(黒の電解液注入部分なら白でスタンプ)を見ると、倉庫へ搬入した時が分かる仕組みになっている。ま、貴方のも見てほしい。
 折しもバッテリー充電を22日にやって、23日に取り付けたはいいが、家庭内のこと、お墓の掃除、仕事の片付けなどで、この日はぶっ飛んでしまった。

 24日、もうこの日しかない。翌日は天候が悪化する... 、といっているし... 。
 ところが、走らせたはいいが、日記にも記載していたとおりプラグの異変が出てきたのである。始動時から何とも言いようのないものが支配し始める。ミッドウェーの小説とか特攻の話ではないが、エンジントラブルで帰還して助かった、といったパイロットの話もあながちウソではない。ただし、当時はそういったことすら隠さないとならなかったのだろう。
 とにかく午後になって出発。最初は吉田町でストップ。プラグを見ると取り付けナットの金属部分のユニクロメッキが少し赤みを帯びている。おかしいな、SRの時と同じだ... 。しばらくしてエンジンを回すとこともなく回っている。一度、高光まで引き返し再び宇和へ。今度は法華津トンネルを抜けてエンジンがストール。先ほどより症状は重い。数分の後、どうにかエンジンを回復させた。
 そう、燃料が来ない感じがするのだ。しかし、キャブレーションそのものが悪いとは思わない。エンジンが回っているときはいつもの使い方が出来るのだから。
 次は、彼の家の近くの橋を曲がったときにストップ。あわてて再始動。最後は、おもしろくも恥ずかしいぐらいのタイミングで彼の奥様の軽四とすれ違った後でストップ。這々の体で到着。以後このプラグでエンジンは息を吹き返すことはなかった。
 T君に手伝ってもらっての確認では、クランクケース部分で火花が飛ぶ。シリンダーヘッドでは飛ばない。これって、プラグそのものがリークしているのではないか?、と感じられた。くすぶりの関係から、決して熱価が高い、低いのものではないようだ。ここはとりあえずBR8ESを量販店の2個組みのつり下げものを購入して装着した。B8ESにしても良かったが、少しでもR(抵抗入り)のプラグで見かけの熱価を下げたかったためだ。
 数時間後に帰宅の途に就いたのだが、しばらく走るとまたしてもプラグの金属部分が赤みを帯びてくる。全く不思議な現象だ。
 途中、どうも尻下がりになるし、空気圧も正常なのに、リアがグニャットするときがある。もしかして、僕の体重からすればリアショックを1段上げて使ってやる方がトライアンフ本来の行き方で、純正のガーリングに近いものが得られるように思ったし、フロントとの関連もマッチするのではないか、と感じたからだ。
 この点は見事に良くなった。今までのトライアンフとはひと味違ったものになった。が、こんなことはプラグの件で全然気にもならなかった、というのがその時の思いだった。人間というのは、ちょっとしたことでガクッと来るものらしい。とにかく、この日はこれまでだ。一つだけ良かったのはリアショックがうまくフィットしたことであった。

 11月25日 日曜日。ところが、蓋を開けると、気温がまま高いし、空は少し心配だが、雨が落ちる様子がない。ここしかないな。昨日のことを思い出しながら早朝から考えを巡らせる。

1.冬場はガスを濃くしなければならない。
2.パイロットはこれ以上下げると低回転域でもたつくし、オールシーズンならこれでいいはず。
3.ニードルポジションはこのままでOK。
4.プラグの熱価はこのままでいい。

出した結果は次のとおりだ。

1’#220のメインジェットを#230に上げる。

 「な〜んだ?これだけか」と、そう思われて当然。しかし、その「な〜んだ?」に、いつも迷わされる。インマニのラバーホースにしても、コイルとハイテンションコードを変更したにも関わらず、プラグの熱価を変更しなかったことにしても同じだ。本来の出来上がったものを壊して自分流にするのだから、たかがメインジェットの番手をどのようにチョイスするか、それだけにでも細心の注意を払って行う。この作業はSUDCO MIKUNIだから簡単だ。しかし、そこに至るまでには、僕の脳ミソの中にあるノウハウとMacの中のデータ。手書きのメモの中身を総合して出した「メインジェットの番手」が結論だ。
 両方のキャブレターのジェット交換は20分とかからなくなった。
 いよいよ走ってみる... 、としたところで、プラグをすっかり忘れてしまっている。番手はOKだから、再びおかしくなったB8ESの前に取り付けていた古いB8ESを取り付けることとする。実は数十キロしか走っていないものの内、調子のいいものをストックして置いたもので、単なる使い古しではない。もちろん、数十キロだけ走った昨日取り付けた新品のBR8ESはくすぶりが大きいから、もう使わない。
 始動直後に変化は体感できた。なかなかいいのである。この、どことなくってところが、表現しづらい。結局、いつもの三間から広見のコースを3周して、セッティングなどの確認を取る。プラグは狸色だ。少々濃い状況ではあろうけど、この辺のラフさがかえっていいように思う。最近のフラットからやや盛り上がったピストンヘッドの形状と違って、それこそ「じゃんけん」のグーの形のピストンだから、セットしづらいわけだ。メインジェット取り替えからわずか4時間程度であったが、結局下りたくない気分が支配し始めて、すっかり夜のとばりにいなって帰宅した次第。またしても、たかがメインジェットの10番違いだが、結果がもたらすものは大きい。それよりも疑問なのは同じNGKなのにプラグ自体に違いがあるのかどうか、こちらの疑問は未解決のままだ。そういえば、現在取り付けている中古のB8ESは箱入り単品で購入したものであった。

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