Mac OS X その後

 ずいぶんとOS Xにも慣れてきた。インプットメソッドの「ことえり」も自分で作った辞書を利用してまぁまぁの快適さでタイピングしている。特にテキスト入力の場合でおかしいところがあると、クラシック環境にして9.1でやればいいから、誕生直後のOSを使う側としてはそんなに苦労はしていなかった。
 パブリックベータ版のときは何となく使いづらかったものだが、今では早くX対応のアプリケーションが出現してほしいものだ、と感じている。現状でいうと、そう、最初のMac128kが出た時のような、日本語がダメだったが、何とか活かしたい、としていたあの頃のように感じている。幸いなことに、当時とは比べ物にならないような状態だから、強いてこじつける必要もないが、少なくとも漢字トーク7.1が出た当時よりは早く対応アプリケーションのリリースを期待したい。
 つい最近、ATOK 14のMac OS X版がリリースされて、こいつをインストールして使っているが、その快調さといったらない。まるで、いつもの環境と変わりなくタイプしている。今のところ文句のつけようがない。冒頭のことえりは失礼ながら使う気にならなくなっている。
 そのATOKにしても旧Mac OSの時ATOK 12であれだけ日本語/英語の変換が遅いとイライラしたのは、つい最近のことだ。もちろん対応するハードウェア、OSの絡みもあるだろうけど、Mac OS 9でもXでも14のすばらしさを知ると手放せなくなる。他のアプリケーションがなかなかOS Xに対応しないところを見ると、本当のところ、企業の努力かもしれない。もちろん、ATOK 14そのもののすばらしさとは逆に、対応するOSは8.6と9のみ、そしてPPCにだけ対応という割り切り方も凄まじいものがあるが。
 それにしても、OS Xを取り巻く周囲は何となくゆっくりしているのだよな。何度も言うがアプリケーションなどは一向に出現しない。OS Xの完全マニュアル本は僕が知っているのは掌田さんの1種類しか知らない。こういった新しい時代のOSが今動き出したという胎動期を経験し(てい)ないから、いずれX用に出てくるアプリケーションなどに対しての評価が極端に変わってしまう、という結果をよく知っている。対応させようとすればするほどうまくいかない、という場合だってある。特に今回のOS XはUNIXなんだから、その辺りの絡みも当然あるのかもしれない。
 Norton Utilitiesにしても(当然といえば当然だが)ピーター・ノートンの手を離れてしまっているのだろう。僕の場合だけかもしれないが、これほどシステムをソフトウェアの方で操作されるとひじょうに困る。
 そういった中、クラシック環境だが、クラリスワークスの対応がいい。パブリックベータ版でテストした時、最初に動いたのがクラリスワークスだった。アップルワークスに取って替わられようとしているが、まだまだ捨てたものではない。相当古いフラッシュライターも、最初と最後に実際はエラーしていないエラーダイアログは出るが立派に使える。
 EXCEL5.0は使えないが、マリナーJはさくさくと動く。妙な感覚になってしまうのである。もっとも、この文章はJeditのX版でATOK 14を使用してタイプしているが、違和感がない。残念ながらHP作成はネットスケープなので、9.1に戻してアップロードなどを行っているが、それでも数分で事足りる。PowerBook '00モデルのG3のCPUでも使い方次第で、それ相応の動きはするものなのである。
 どこがどういったソフトウェアをリリースするかは知らないが、どうか、これまでと違和感なく、動作が確実なものを出していただきたいことを念じるばかりである。が、このことがOS Xの使用条件を後退させてはならない。
 Macユーザーも結局、できれば、JeditとATOK14で文章を作ったり、クラシック環境でOS9をOS Xの中で動かせてほしいのである。そうしなければいつまで経っても従来のものを引きずって行くだけになってしまう。そうではなく、全く新しいOSでありながら、今までのMac OSの良さも十分受け継いでいるということに、もっと積極的にアプローチしていただきたい。OS Xそのものは飲み屋に2回行くのを我慢すればいいのだから。

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