Mac OS-Xを使用してみる(1)

 手持ちのPowerBook 400にどうしてもMac OS-X Public Beta版を使用したくて、それこそ大変な思いをして入手した。しかしながら、これだけで済まずに実際はCD-R/Wまで購入してしまった。
 最初はインストールに難儀をしたが、ようやく慣れてきて、PowerBook 400のハードディスクもパーティションを切って現在使用している。ま、システムそのものが全く今までのMacユーザーにとっては新しいものだから操作にとまどうのはもちろんのことだ。けれども、しばらく使用していると何かと便利である。というか、使用勝手がこっち(X)の方が都合のいい場合があるわけだ。
 さてと、困ったことも数々ある。そのうちの最大の要因はまだ、アプリケーションなどが揃っていない点である。これには少しばかり閉口する。けれども、Classic環境でOS 9.0.4はそのまま使えるし、多くのアプリケーションも作動させることができる。これが一番いいところではないだろうか。
 しかし、一つだけまずっているところがある。それはXはUNIXを使用しているために、ユーザーが十分にその機能を最初から使えるかどうか?。ここんとこが気になっている。
 事実、僕もコンピューターを導入するとき、この最初のコマンドを打つことから解放されたいためにMS-DOSを使用しなかった。誰が考えても電源を入れれば使える状態であってほしい。当時それができたのはMacだけだった。今なら気にすることなくWindowsを使っているが、当時のMacは今のWindowsよりすさまじい代物だったのである。
 車の世界なら今はオートマチックが多くなったが、マニュアルクラッチ全盛の中での高性能オートマチックエンジンの自動車だったんだ。(シャパラルを思い出す―古い!)今でも古いPlusを使って4MBのメモリーで外付け80MBのハードディスクでもって、GomTalk7(System7に漢字トーク6.0.7が使えるパッチ)を動かしている。一部メニューバーなどに違いがあるが、現在のMac OS 9.0.4とほとんど同じ感覚で使用できることを知ってもらえればいい。実に15年も歳月が経過しているのだが、そういったことを感じさせない。こういったように漢字トークから今までのMac OSは優れたMacのOSだったんだ。ところが、今度の「X」はまるで変わっている。
 僕がくだらん予想をするとなると、9.0.4から発展しそうなコンシューマー向けのOSもやはり必要に感じるのである。当初、こういった考え方で進むはずだったんだろうが、どうやらあまりにXのパブリックベータ版がいいので、ついつい「次世代」のOSとしてみられている。でも、僕でもやはり9.0.4の方が使いやすいのである。これが現時点での僕の感じ方である。
 穿った見方をすると、今までが簡単すぎた、ともいえるかもしれない。HyperCardが流行らなくなったのもその一つであろうか。このHyperCardこそがMacにバンドルされていたんで、Macで絵が描けたりアニメーションが動いたり、データベースで自動書き込みができたりする仕組みが分かっていたのだが、あまりにコンピューター(Mac)の操作が簡単すぎて、クリエイトすることはもちろん、コンピューターで仕事がはかどることの確認がとれない、つまり、コンピューターを使うだけで、コンピューターに仕事をさせていない状況ではないだろうか。それならコンピューターを使わなくてもいいことになる。こういったことが現実に起こっていること自体がダメにした一因かもしれない。
 そういったことを含めて、Mac OS-X(マック・オーエス・テン)の正式版が出るのを待ちたい。今はどうもシステム7がリリースされる前夜に似てきだした。

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