Mac OS X Pantherに変更して

 2003年10月27日(月)「オ〜イ、松山は何時行くんぞ?」と同僚 のM君に問いかける。「あ、あれ宇和島で購入できたから... 」と言われる。「そう、で、使い心地は?」に対して「そこそこ」と。他愛のない会話だった。数日後、ご当地の秋祭り一宮様の日、OAシステムプラザへ出向 くと、ファミリーパックはあったが、パーソナルユーザー向けは既に売り切れ。入荷の予定が立たない、ということであった。宇和島にもそれほどユーザーが居 るのかな、と思ったが後の祭り。どうすることも出来ない。明後日の31日に松山へ出かけるので、その時に購入をしよう、と計画を立てていた。
 すでに、ソフトウエアアップデートでは、旧iPod用のアップデート、セキュリティーアップデートも出ていたので、あらかじめの対策を盛り込んだものが セカンドリリースされるのであろう。

 明けて10月31日(金)早めにJRで宇和島を離れる。松山到着後、まずはセラミックウールを購入するために南海部品へ出かけるが、厚さが不足気味のた めに断念。その足でOAシステムプラザへ行こうとして、電話をかけるも「売り切れで、入荷の見込みが不明です」と宇和島と同様の状況。
 もしかしてヤバイかもしれない、という気分が支配し始める。勤労会館が会議の場所だから、朝美の南海部品から宮田町へ引き返す手前のDeoDeoへ立ち 寄る。密かな期待は裏切られる。ここはAppleブースがハードとソフト一体にしてあるのだが、黒地にシルバーのXの空箱ばかり、その中心には堂々と「現 在入荷待ちです。しばらくご迷惑をかけます」の記載が堂々と掲示してある。不安は募るばかり。

 実は列車の中で同行させていたiPod (5GBモデル)のバックライトが点きっぱなしになってしまい、松山到着まで20分ほど悪戦苦闘をしていたのであった。このようにiPodまで狂わせる状 況だから、Pantherが店頭から消えて、松山でも入手不能かもしれない。そんなことが頭の中をぐるぐる駆けめぐっていたのも事実だ。当然、iPodを 作動中バックライトは点きっぱなしが続いていた。

 ハードオフでも出物は少なく、城北周りの路面電車で大街道まで乗ってそこから市駅までアーケードを歩く。最後の望みはベスト電器だ。ここで入手できなけ ればアウト。アップルストアで購入しなければならない。
 ベスト電器もAppleブースは独立している。ソフトの棚を見て「あっ」と小声で一瞬叫んだ。最後の一箱を抱え込んでレジへ向かった。助かった、と感じ た。

 用務を終了して帰路列車を待つ間、iPod の悶絶状態から開放する努力は怠っていなかった。すさまじいリセットを繰り返し、とにかくディスプレーにリンゴマークを出すこと。この一念だけで作業をお こなっていたところだ。列車が2番ホームということまで忘れながらの作業、そろそろ反応が来てもいいかな、という状況が感じられたとき元に戻って、あわて て列車に駆け込んだ。
 電池残量の目盛りが一コマ減った。作動時間は2時間程度だが、バックライトの点灯は結構バッテリーを食らうものだ。
 深夜にご帰還だからPantherの開封は明日回し、ということで苦労した入手の一件のため、バタンキューであった。酒宴が続くから風呂へ3日ほど入っ ていない。何たることだ。

 明けて11月1日(土)早朝からPismoへのインストールの作業に取りかかる。午前7時45分、想像も出来ない世界に向けてのインストールが始まる。
 相変わらずの簡単マニュアル。(あえて日本語で)ウインドウズの盛りだくさんさとは違って、簡単明瞭。支持はディスプレー上の言い分に沿って行いなさ い、というApple特有のものだ。が、Jaguarの時とは少々異なっている。何しろ起動させて以降、マシン側で勝手にリスタートさせるし、ディスク No.2を用意しておいてくれ、とまで表示する。なかなか進歩しているように感じた。それに、初心者はおそらくマニュアルの記載など見るわけがない。それ よりも、ディスクが出すディスプレー上の指示に任せておいた方が簡単確実である。
 それに沿ってインストールを開始する。いずれにしても簡易インストールに頼ることが肝心だろう。パブリックベータ版からのMac OS Xとのつきあいのが思い起こされる。何やかや言ったところで、僕は9.2の世界へリターンすることはないように感じる。
 インストールは30分もあれば大丈夫と踏んでいたが、延々2時間を要した。これがG3マシンの宿命かもしれない。その間、何をするまでもなく画面を前に 進行具合を見続けていたところだ。結構飽きが来ない。
 一体どうなるんだろう、途中で転けるんではないだろうなとか、これほど時間がかかるんだから重いものかもしれない。NewerのG4/500MHzの アップグレードも安くなったし、G4の17インチも想像よりは小さいし、など余計なことばかりが浮かんでは消える。特にNewerの件は狙い目でもある し、触手を動かさないではないものである。
 インストール終了でリスタートも勝手にディスクが行う。Jaguarの時とは違ってディスクを排出する。これはなかなかいいことだ。
 ゥオ〜、何か変わったな、という印象は起動時の設定から始まる。デスクトップのアイコンがバラバラ。グリッド間隔もJaguarの時とは違っている。ア クアの画面は若干暗く、Mac OS X の深みへはまった印象を強くする。
 新しいファインダーなどの機能を少しばかり味わって、Netscapeを立ち上げてインターネット検索を開始。フ〜ン、変化無いジャン、と思ったのもつ かの間、検索欄へ文字を入力した頃から、その変化に気付き始めて来だした。検索開始、画面の切り替え、ありゃ〜、何だこれは!?。
 まるで、横走りのシャッター幕が縦走りのシャッター幕のように動き始める。決してバカ言ってんじゃない。サクサクを通り越して何かのアシストを得たよう な動きをする、そういった一連の画面転回が続くし、J-Editでタイピングをやっても、文字の入力も変換もキーボードの下に何か隠れているチップが突如 動き始めたかのような大変化を僕に与えるのである。まさかP.T.Kだからというわけでもないだろう、と考えて、ASCII配列の純正キーボードに変更し ても同じであった。
 決してだまされたままでの逆ギレの逆ギレみたいに「何だ、何だ、これは?!」。感動とも何とも言いようのない変化であった。そう、決してだまされている のでもなく、夢が続いているのでもない。現実に僕が感じるままを僕自身がタイピングをしてのことなのである。
 インストールの時に感じた新規マシンの購入、Newerのアップグレードのことなど、彼方へ飛んでしまっている。すでにiPod への楽曲のインポートもスムースに行ってしまった。まじめに夢が続いているのかもしれない。G3マシンでこれだ。G4マシンでは相当にフィットしているの ではないだろうか。

 あ、M君が言わなかったことはこれなんだな、と思った。サードパーティーのビデオカードがフィットしていない彼のことだから、Pantherの性能の全 てを経験したわけではないから、曖昧な答えを出したのかもしれない。僕にしても動画は入れていないが、iTunesも速くなっているし、全体の底上げが凄 まじいものになっている。このことが僕のPantherにして良かったことかもしれない。
 Pantherをしばらく使いながら、ハハーン、ボスのJobsが意図したものはこれなんじゃないか、と感じた。つまり、あの時、Macをリリースさせ るのではなく、Apple IIにMacの機能を追加するような方向性を打ち出そうとしていたのではないか、とふと考えてしまった。G3マシン以上の機械に消費税込みの15,000 円ほどを投資することは必要ではないか、と感じるのだがいかがだろう。
 最後に、ユーザーのマシンで僕のような結果が得られたために数日で最初の入荷分が売り切れた、というのが事実であることをもうし上げて終わりとしたい。

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