ポリカーボネートの落とし穴
MacBookを使用し始めて1年と4か月目になりました。すでに、所
有のマシンはキーボードのトラックパッド(タッチパネル)側のディスプレーオープ
ンフック部分に亀裂が入り、保証期間内でありApple careで無償交換していただきました。
その時に、私は友人のT君へポリカーボネートとABS樹脂とでは化学変化が起きるのか?と聞きましたが、それはないようだ、との返答でした。加えて、今
回ABS樹脂にヒビが入るのは歪み率の違いではないだろうか、とのことでした。
以前に、ポリカーボネート(以下ポリカ)のクラムシェル型のタンジェリン、このディスプレー下のリンゴマークの周辺にヒビが入る、と申し上げました。こ
の理由がしばらく分からなかったのですが、どうやら、クリアのポリカは耐候性のようなものが良くないのではないか、と考えました。
でも、それはおかしい。というのは、RCカーなどのボディーはクリアのポリカ製で裏から塗装をするようになっています。したがって...
、となるのですが。
ということは、クラムシェルの例のマークは下側から埋め込むタイプの象眼です。となると、カラーのマークとクリアのベースだと、歪み率が異なるのではな
いか。そのために囓ったところのエッジ部分やリンゴの尻の部分のように曲がりが急な部分はピッとヒビが入るとかなりの速度でヒビが入ることになるのではな
いか、と考えました。
これらの考えは、あくまで推論ですけどね。
もう一点は、強いポリカと強い金属が一体化して荷を受ける部分などはヒビが入るようなことになる、と想像も出来ます。
その最初はMac
G4のグレーとクリアのコンビネーションのマシンで起きました。台座部分の足と上に取り付けられたハンドルのトルクスビスで止められた部分によく起きまし
た。
次いでは、クリアポリカのスクエアiBookでした。今のMacBookの前身です。このマシンは、すぐさまホワイトの筐体になったのはご承知のとおり
です。
えらく回りくどい説明をいたしました。次の写真をご覧ください。
これ、懐かしいeMacです。初期タイプのG4 700MHz搭載のマシンです。もう少し後ならOS X
10.5にアップできるのですが... 。2002年の購入以来少しばかりメモリー不足ですが、OS 10.4で快調です。
キーボードとも多少なりとも汚れと黄ばみはありますが、外観はヒビも入っておりません。信じられないかもしれませんが、事務所の連休は夏場では37℃ぐ
らいになりますが、このとおり無傷です。
そこで、ポリカの欠点を調べてみました。
ウィキペディアでは次のように記載されていました。
- 薬品耐久性はあまりよいとは言えない。特にアルカリ剤、溶剤では劣化する。接着剤などの使用ができない。
- エステル結合を持つため、高温高湿度の環境課では加水分解する。
- 引張強度を超える力をかけると、白化して透明度が著しく低下する。
◆ 一瞬我が目を疑ったのは「アルカリ剤に弱い」という点でした。ということは、石鹸でもダメか?、ということにもなります。
◆ もう一点は「溶剤で劣化する」でした。ということは、合成洗剤は使えない、ということになります。
タミヤ模型のサイトにもこのことは記載されていて、X-20Aというポリカ塗料専用のシン
ナーがありますが、それ以外は水を使用すべきであろうか、と以前より考えて筆を洗うなどは実際に水で行っていました。
当にそのとおりでした。つまり、タミヤのポリカ用の塗料は水溶性なんですね。
こういったことを念頭に置いてeMacのことを見てみると、クリーナー類は一切使用していなかったこと。絞った布巾で拭う程度としていました。
高温多湿ではダメでしたが、eMacが置いてある部屋は高温のみ。湿気は少ないので冬など紙で手を切ることもあるぐらいの乾燥ですので、これは高温下で
はポリカの対高温限界には達
していない(当たり前)ということでしょう。
これで、ひび割れの問題はどうやら解決したようです。したがって、私のMacBookに当てはめますと、少しばかりのキズはあるものの、eMacのおか
れた環境よりはラクチンですし、こういったことを知らないまま、いつもながら布巾に水で清掃していました。強度の汚れは台所用の中性洗剤を弱く水で溶いて
同じように布巾に浸して固く絞ったもので清掃していたところです。
ふと、以前のキーボード交換のときApple Careからの修理状況と保守関連のノートに次のことが記載されていました。
- ... 柔らかい毛羽立たない布を使い、極少量の水を含ませて清掃して下さい。
- スプレー式液体クリーナー、溶剤、研磨剤などは使用しないで下さい。
とありました。
なるほど、それじゃ、金属ビスとの合わせ目などはどうすればいいか。私の考えですが、取付穴、大半はサラビスが入るようになっていますが、相手と接する
部分の穴の周囲の面取りをしてやれば、少しはヒビの入らないものになるのではないか、と考えたところです。
いずれにしても、ポリカ筐体のマシンのクリーニングは「水」で硬く絞ったおしぼりを使用することかな、と考えました。