PowerMacのタワー型で感じたこと

 職場のT君のPowerMac8600の調子がイマイチだったのは以前に少し申し述べた。実のところ、僕にもどういった原因がそこにあるのか定かでなかったのだ。筐体の考え方は、Quadra800からの内部アクセスが難しいものではなく、PowerMac7500からの筐体をそのままタワー型にした、というものである。
 症状は起動はするが画面真っ暗、というものであった。筐体の内部アクセスの簡単さから、彼が蓋を開けて目視点検しても原因がどこにあるのかさっぱり分からなかかった。僕が実験的にやったところでは、職場の純正モニターなら一発でいける。彼の自家用のモニターで行けるところまでになったが、その後はまたダメ、という始末。
 僕も悶絶状態だ。そのためあらゆる状況をシミュレートして、文章にまとめていた。その結果、バックアップのリチウム電池がホルダーから外しておくと空気中である程度回復する、という事実である。特に残量が少なくなるとその兆候が多い、ということを知り、これではないか、と結論付けかけていた。
 数日後、T君より「VRAMに電源部のワイヤーハーネスが干渉していたために、当たっている部分に隙間を作ったら治った」という知らせがあった。なーんだ、これだけのことか、と安堵した。みなさんには「なーんだ、これだけのことか」と単純に感じられるかもしれない。
 しかし、DIMMになってからソケットの形式が変更になり、簡単になったのはいいが、取り付けた後は指で押しても動く、櫛形のソケットの噛み合い部分が多ければ(長ければ)いいが、少ない(短い)ものは少しばかり接触不良が出てもおかしくない。それに、メモリーチップが乗っている基板の厚さが薄いものは一層このことは顕著になってくるのはいうまでもない。最低でも1mmはほしい。0.8mmでは心もとないのである。
 いうまでもなく、T君の場合は後者に原因があったようだ。その上に、DIMMもVRAMもバンクの設定上、取り付けレイアウトが飛び飛びにしなければならないため、ワイヤーハーネスとの干渉が起きる場合が多いってことだ。
 僕の狙いははずれたが、今回のことで、2回内部にアクセスを試みた。2回目はDIMMも正しい取り付け位置に戻した。結果は168MBになった。どうも少ないメモリー数表示は取り付けバンクが間違っていたためのようで、これが治った。
 こういったやり方を実際に見せたことは、内部に一度もアクセスしていなかったT君に「簡単にアクセスできるんですよ」ということを教えることができ、そのために彼も彼のマシンの不調原因を突き止めることが出来たわけだ。当然添付のマニュアルにもこのことは記載してある。が、「ヒンジを起こして、こうやって取り付けるんです」という細かな方法は述べられていなかった。
 現行の機種ではないために、このことは参考にならないかもしれない。しかし、この手の筐体はG3直前のPowerMac9600まで続く。もし、今回のようなことが起こるようなら、ぜひ、電源部からのワイヤーハーネスが何らかのパーツに干渉していないかどうかを確認していただきたい、と思う次第だ。当然、同様の内部アクセス方法を採る現行のG4マシンも同様なので、この面では参考になるかもしれない。
 そして、SIMM、DIMM、VRAMなどの櫛形接点をもつメモリー関係は、どうかベースの厚いものと噛み合わせ接点の長いもの(多いもの)を選ばれるようお願いしたい。そういえば、Quadraに装着してあったVRAMはペラペラのベースだったんで、すぐさま交換したのを思い出した。
 こういった点では、地方のユーザーが通信販売などで購入するときに少しばかり気を付けなければならないことかもしれない。
 どうか、みなさん方でコンピューターをお持ちの方はぜひ一度内部を見てほしい。埃のたまり具合とかが一目瞭然である。ときにはゴキブリが巣づくっていた、なんてことも現実に起こっているし、そいつらが電源部部をショートさせる場合だって考えられるんだから。

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