66と80の最大の違いは外観からは分からない。内部にアクセスして最終段階で分かってくる。トップカバーをはずした状態で、サブフレームの横、CPUの放熱板に風が当たるように小さめのファンが装備されている。これが最大の違いだ。電源は内蔵ハードディスクの電源ラインから取られている。
したがって、外観では分かりづらいが、作動音が80MHzの方が大きいから、この時点で分かるかもしれない。
■ 下の写真は左が80MHz、右が66MHzの同じ部分を写したものだ。少し位置が異なるのはピントの関係、とご理解願いたい。
●CPU冷却ファンについて
WorkgroupServer 9150ではPPC601/120MHzで強力な電源と筐体がQuadra
900、950とほぼ共通なものであっても、CPUの熱暴走はくい止められず、PowerMac
7100/80と同様にCPU冷却ファンが装備してあった。特に発熱量の多いPPC601では100MHzに近づくと、冷却ファンは必須なのであろう。フロッピードライブの挿入口から入る空気が電源部のファンから流れる方式で、比較的風の流れのいいQuadra
700の筐体への移植では問題がないかもしれないが、7100の筐体に80MHzのクロックだとCPU冷却ファンは絶対必要なものなんだろう、と想像する。
こういったところを理解して、PowerMac 7100をアップグレードしてみよう。
まず必要なのは、セカンドキャッシュである。80MHzではどうも標準装備のようだが、66MHzでは装備されていないようだ。66、80MHzに関係なく装備されていなければ、ぜひ装着していただきたい。
SIMMは72ピン。最近では大容量が少なくなったが、4個のスロットに装着すればいい。ただし、トップカバーをはずした上にサブフレームをはずす必要があるが、もう、アバタモエクボ、手間は考えずに行おう。
しかし、昨今難しくなったのはハードディスクである。このSCSIハードディスクはピンの数から、おいそれと製品をチョイスできない。ピンの変換器を使用する必要も出てくる。フォーマッターを別として、非常に有効なのはセンチュリーがリリースしているハードディスクに背負わせるタイプで、IDE-SCSI変換カードがあるので、これを使用するのも一案だ。また、少なくとも1Gは欲しい。
今の時代だったら、CD-ROMドライブももう少し速いのに交換しておく。
これだけのものが用意できたら、いよいよ整備に取りかかることとする。
分解方法はクラシックボックスさん、みつよしさんのページで紹介されているので、これをまずダウンロードする。
◆ いつものとおり、ここからは改造の範囲になる。そのため、何があろうとも、手を下した方ご自身で責任を取られるようお願いしたい。
■注意点は次のとおり
1.最初の注意は、サブフレームのエッジで指などを切らないようにすることだ。どうしても手袋をする場合は写真材料点などで売られている布製の手袋を使用すること。
2.発売されて5年以上経過しているので、トップカバーにあるプラスチック(ABS)部分の溶着ダボのうち、はずれているものは、ホットメルトなどで取り付けを確実にしておく。
3.CD-ROM部分の取り付けシールドの細い足を折らないようにすること。
4.ロジックボードはアルミホイルなどで包んでおくこと。
◎全てが分解できれば、エアーで埃を吹き飛ばす。特にトップカバーのフロントベゼルの内側は相当な埃が入っているはずだ。その後で、濡れティッシュなどで拭った後、乾いた布で拭き取って、しばらく乾燥させる。
これで組み付けてもいいが、このままでは掃除の範疇であって、本来の整備にはならない。整備をやるのはPPC601と放熱板の間である。
放熱板は単純にCPUに直接被さっているわけではない。CPUの表面に雲母を乗せ、その上にシリコンを介して放熱板が取り付けられているのだ。シリコンが劣化してくると、接触が完全ではなくなるから放熱作用が劣ってくる、というわけだ。
弱電エンジニアなら、トランジスタを放熱板に取り付けるときを考えていただければお分かりになるだろう。
ロジックボードの修正
1.CPU放熱板はマザーボードの裏に出ている「X型」の取り付けクリップを基盤から、外側へ押し出すようにしてはずす。
2.放熱板、CPUに付着しているシリコンを剥がす。この時マイナスドライバーなどの金属を使用してはならない。割り箸を削ったものなどで、ていねいに取り除く。雲母版を無くさないこと。取り付け順序を確認しておくこと。
3.エアスプレーなどで、シリコンのカスを吹き飛ばす。
4.CPU-雲母-シリコン-放熱板の順で取り付け、クリップで固定する。
5.クリップは正確に穴の上に置き、クリップの足を上から押さえればいい。
これで、当分の間は快調に使用できるはずだ。この上を行くとなれば、G3、G4のNUBUSカードを取り付けることになる。この時はマザーボードに取り付けたセカンドキャッシュをはずさなければならない。
、最適なOSは、といえば、僕は動作が少し遅いと感じるかもしれないが8.1を使いたい。一つ下がって7.6もいい。各々で確認をしていただきたい。PowerQuadra 700では8.6で使用しているが、きびきびとは動かないから、やはり8.1ぐらいがいいのかもしれない。
こうやって古いマシンを使っているのだが、スペースファクティブなどの関係で、今(2001年8月時点で)のMacは大きすぎる。できれば、iMacのような一体型ではなく、キューブのようなものでもなく、コンシューマー向けのコンパクトなモジュラータイプのMacをそろそろ希望する時期なんだが...
。
冒頭言ったように、そこそこの大きさで、過不足ないコンシューマー向けのコンパクトなモジュラータイプを出せば、Macの人気も一団と上がるのではないだろうか。現在のG4Macを初心者がいきなり家庭に持ち込んだところで、その大きさと十分すぎるスペックに、僕は何とも言えないものを感じるのではないだろうか、と思う。たとえコストパフォーマンスに優れていても。
そういった意味からかもしれないが、最近の中古市場で、この7100/80
AVっていうのをあまり見かけなくなった。
[もどる]