Duo三昧

 Power Book 540cの不調の一件が解消し、再びPPC Duo 280cをイジル。
 その前にいくつか確認しておかなければならない。まず、今回購入したものは本当にPPC603eを搭載したものなのかどうか、ということにある。僕はそんなに焦ることというか、キカイのことに云々することはないのだが、これだけは確認しておかなければならない、ということがある。それは生産国だ。特にシンガポール工場で生産されるモデルのうち5300csで相当に不信感を抱いたからに他ならない。
 確認するとUSAであった。ほう、珍しくアメリカメイドだ、と感じていたのだが、中身を覗いてびっくり。1996年3月25日となっている。手持ちの2300cよりも生産が新しいのだ。つまり、ボトムケースからすべからくAppleの純正アップグレードモデルは間違いない。トップは280cのまま、インレタもわずかに黄味がかかっている。それに、手持ちの二台目中古2300cそのものが純正ではなく、内部のシールド板などは280cのものを使用して様々なモノを合体しているのかもしれない。売却した5300csのように。
 SCSIのハードディスクが大きい音をたてて回転を始める。キーボードは少しばかりカチャカチャする。シナリがなければ、僕としては最終のType Fよりタッチがいいように感じる。なかなかいい。
 トラックボールもパーツで出されているモノよりも重さがあって、表面処理が艶やかなためだろうか、回転がスムースだ。
 使用感覚を覚えておいて、早速バラしにとりかかる。
 まずは、不足部分を2300cのパーツに交換。メモリーを手持ちの48MBにして、最大搭載量とした。ハードディスクも純正のSCSI 320MBから純正の1GBのIDEに交換した。
 一応キーボードは280cに装着されていたEタイプだ。シナリの点で少し疑問だったが、2300cのタイプFに交換してみた。使い勝手はタイプEと同じなんだが、カチャカチャいうところが好ましいものの、どこかガタが多いように感じるしシナリが大きい。逆にタイプFはキーの状態が何というかラバーマウント然としているところが気にくわないのも事実だ。決定はいずれ。
 トラックボールは補修用のものより艶やかで重い。ホルダートップもノッチがないタイプ。清掃は若干不便になる。その意味合いから手持ちの水晶球に交換した。
 当然のようにバッテリーは手持ちの生きているType3に交換。これで全ては手持ちの2300cを移植したことになる。
 が、どうも違和感がある。特に540cからこのDuoに移るとディスプレーがあまりに青みがかかってクリアーすぎることが原因であろう、と感じる。おまけに表面が今のモデルに比べて相当にハードであるし、自分の顔がうっすら写ることなどから、いっそう違和感が増すのではないだろうか。
 どことなく不安気味に使用開始するのだが、どうも安心感が乏しい。そんなことはないはずなのだが、何かがおかしい。勿論シャープ製の280cの液晶は2300cのとメーカーは異なる。2300cと540cでは、そんなに違和感がないのは東芝製だからか?。そんなところの違和感ではない。不安というか、どうもいつものDuoってところが感じられないのだ。少しずつアプリケーションを試してみたのだが、どうも... 、その「どうも」の感覚が全くつかめない。ハードディスクの中身は先日お蔵入りさせた2300cの環境のままだから問題はないはずななのだ。
 ATOKの操作が少しおかしいということは知っていた。つまり、Duoは最後までASCII配列のキーボードだから、ATOKでは僕の場合カタカナ・ひらがな変換がoption+Iのキーの設定にしているのだが、ATOKが指定しているcontrol+IというJIS配列キーボードの設定になってしまうのである。
 デスクトップの再構築、P-RAMのクリアなど、何をどうしてもダメである。キーが違うだけなので気にしなければ気にならないのだが、僕にはどうしても気になる、というか使いづらいのだ。特に筐体のエンド一杯までキーがあるDuo、おまけにASCII配列ではなおさら一つ手前のoptionキーを押すクセがあるもので、致し方ないとはできないのだ。
 数日悩んだ末、OSそのものが持っているものに左右されているのではないかと考え、思い切ってMac OS 8を新規インストールすることにした。インストール途中でハードディスクの更新を要求してきた。思った通りだ。その後8.1のインストールで、かれこれ2時間程度を費やしたが、なかなかいい状態になった。心なしか、ディスプレーも色合いも自然になってきた。ATOKもキーの組み合わせもノーマルになった。
 再びワープロからドローなどのアプリケーションを使ってみる。多くの面で快調だが、キータイプを多用するワープロなどで少しばかり問題点が出てきた。勿論メモリー割り当てなどは行っているのだが、returnキーを押すと必要もないのに改行してしまうのである。おまけに、Type Fのキーボード特有のグニュっとした感覚も手伝ってキーを叩くようにタイプせざるを得なくなってくるのだ。
 この表現はなかなか理解していただけないだろう。詳しくは540cのキー修正の項を一読していただければお解りになると思うが、Duoのキーボードはそれよりもラバーリターナーの強さと底板の丈夫さで意外に効果が出ないのだ。
 というところで、再びType Eに戻してみた。若干のシナリはあるが、キータイプのフィーリングは好ましい。このまま使用してみることにした。
 それ以外はいつも通り、僕の使い慣れていたDu02300cそのままである。


 もちろん、この文章もPPC Duo 280cでタイプしている。ところが、思わぬ気分が僕の中に生まれてきた。おかしいことだが、このことがG4 Power Book 12インチモデルにつながるのである。一応は一つの歯止めがかかっているので購入は控えているが... 。
 いずれにしろ、ケミカルコンデンサー類の活性化が進めばこのPPC Duo 280cの調子も上向きになるのではないか、と感じている。

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