Duoのバッテリー製作について

 MAC LIFE誌2000年3月号のDuoのバッテリー製作については、以前に少し述べた。その後、あの記事を読み返し、僕のDuo2300cを一台パーにしたときの状況を思い出しながら、ホンマに大丈夫かいな、と思う点がいくつか出てきた。
 eMate300のバッテリー製作と同じでいい、と考えられるが、実は違う。Duoのバッテリーは完全にROMの支配があって、特にType IIIのバッテリーは失敗するとロジックボードを完全に破壊するように思う。
 記事の中に、バッテリーセルの違いが少し書かれていたが、eMate300の単純置き換えのバッテリーとは確実に違うから、容量関係を含めて、ROMの状況を自作バッテリーにフィットさせられるかどうか、はなはだ疑問なのである。当然、センサーも温度管理だけだろうけど、その温度管理を純正のバッテリーの温度としてROMが受け持っているのではないか、と判断するからだ。
 流れとしては、オリジナルのバッテリーセルはNi-MHで容量が1200mAhのものであろう。これは当時の最大容量、かつ一番安定したNi-MHバッテリーだろう、と想像するからだ。それを奇数本、偶数本両方でまかなっているところに一つの逃げ道、つまり、偶数本にしても奇数本にしても、合計電圧が小数点以下一桁が偶数というところで落ちつかせている、ところにあるように思うのである。計算すれば分かるが、5本で6V、6本で7.2Vになる。センサーが温度管理だけなら、eMate300のようになっているはずだが、DuoのTipe IIIではなっていない。おかしいところにセンサーが設置してある。
 これはソフトウエアのバッテリー調整が使えず、メモリー効果によるバッテリーの充電不良に対して、Tipe IIのバッテリーユーザーも、Duo2300cに使えること、合わせて新しいOSのソフトウエアにもOKですよ、ということをROMに記憶させているのではないか、と想像するのである。
 こういった高度に管理されたバッテリーは満足に自作することはできない。失敗すると、おそらくDuoのマザーボードを壊すおそれが大きいように感じる次第だ。特にType IIIをDuo2300cに装着している状態で、自作のバッテリーに置き換えたときは少しばかりリスクが大きいように思う。現実として、サードパーティーの古いミニドックをDuo2300cに装着すると、OSのバージョンにもよるが、一部機能しないものも出ている。
 僕は電気的知識を十分に持っていないが、経験上こういったことで代替バッテリーの製作は断念した。もし記事どおりに製作されて装着する際には注意を要するのではないか、と感じている。特にDuo2300cには。

[もどる]

inserted by FC2 system