ようやく見つけた彗星(1)

本 格的な次世代Macが始まる前のこと
 2012年10月、知らないうちに硬直化していた身体状況がホンの少しのことで開放されようとしているとき、前述のようにヤフオクでVisorプリズム の綺麗な完全ものを見つけました。もう一つ手持ちのプラチナは酷使されている状況でしたが、今回のプリズムは本当に使い込みの後がある綺麗さです。一気に 昔のPDAが復活したかのような感覚を覚えました。残念なのはPalm OSが現行マシンでは動きません。PismoのOS 9.2でやるも、少々難があります。その他、私の持っている旧機種は、大半が使いもんにならない、ときていますし、今更修理して個のために主に使うのはい かが、かと思ったところで、母艦のPCとの連携は諦めていたのです。
 一方、使用を中断しているiPadはこの時期にminiの発表がありましたが、気乗りしません。携帯電話がdocomoですから、メモとスケジュールな らiPodタッチぐらいでよろしいのでしょうけど、今度は画面上のキーボードに不満があります。およそ、私の場合は電話機能など必要ないし、度々の充電も したくはない、という不精者ですからマジ、今更購入するか、には二の足を踏むのです。
 また、ニュートンが動くのに、これまたそのままにしておくのはもったいない、として、何とかコンパクトな旧マシンを探していました。なお、このニュート ンも曲者でして、OS 2.1のeMateと2.0のMP130の互換性がないのです。ま、主に使うのはMP130であり、eMateは現在のMac OSでも動かせそうですから、気長に旧マシンで意にかなったものを探しておりました。



 こういうこともあって、とりあえずは周辺パーツを用意すべく、いつもながらヴィンテージコンピューター社でADBとUSBの変換、シリアルとUSBの変 換の



両コネクターを発注しました。関係はないでしょうが、かつてのADBキーボードがOS Xで使用できるようになるのは、うれしい限りです。

突如眼前に出現
 ヤフオクで旧Power Bookを見てみますと、流石に少ないですね。旧PBも一つだけ欠点めいたものがあります。それは、筐体の樹脂です。特にグレー系はABSと思われます が、これがもろくなっているようなのですね。私が持っている150など、数台は劣化が多く見受けられます。Duoは大丈夫のようですが。ブラック系はひび 割れなどが頻繁に起こりました。5300など冴えたるもので、これは1400になって修正されたようです。5300と同様の3400の筐体の故障はあまり 聞きません。iBookにしてもポリカーボネートの問題は多く出ましたしね。
 損なことを思いながら、何か忘れかけていたものをタイプしてみました。その文字は「2400」です。が、どうせ180MHzのクロックだろう、とタカく くっていたのですよ。そして日本語キーボード仕様。
 ところが、いきなり来たのです。最初が240MHzのモノクロモデルでG3カードです。モノクロじゃ、Visorプリズムの機能がイマイチになる。それ に日本語キーボードだし... 、と思いつつ次を見ますと、キー配列が違う。そして240MHz。お決まりのG3カード。そしてIDEのSSD装備。フロッピードライブも完全です。私は 完全に参りましたね。少々お高くってもこれはゲットしておく必要があります。
 と一気に色めき立ったわけです。エッ、上手くいくとSCSI関係がスロットによって動くかもしれない。これなら今でも少しばかり上手く行くのではない か、と考えました。

あの頃は、ハッ!
 そう、和田アキ子さんの「古い日記」の歌詞の冒頭ですが、PB2400が発売された頃はAppleにとっても大変なときであったように今更ながら感じま す。1997年5月末に最初の180MHzが発売されました。私の状況は、Power QuadraをメインにDuo 2300cの改造品、PB540cをいじくりはじめ、の時代でした。PB 2400が出たときの衝撃は全くありませんでした。それ以上にキーボードの配列も何か無理があるようで、JIS配列を恨みましたし、開発依頼先のIBMの Think Padと異母兄弟の違和感は消し去ることができなかったのです。
 イジクリ屋の私には、分解しづらいことにも閉口しました。そのため、どうも新品を導入などは全く考えていませんでした。
 ところが、アップグレードカードがPB1400のように2400用にも出現したのです。これを持っていても良いかな〜?、と思っていた矢先に 240MHzがリリースされたのですね。もしも、そう、もしも狙うのだったら、この240MHzの方だ、と思っていました。が、全体としては、どうも好き になれない。こういったポータブルとドック関係でデスクトップ仕様としても、私が使うとなるとDuo 2300の方が使いよい、としていました。
 しかし、古い日記の通りのことが実際に起きてしまったのです。本当にいきなりでした。まずはスティーブ・ジョブズ氏がCEOになったこと、iMacが発 売されたこと、そしてiBookが発売されたこと。これらのことが一気にやってきたのです。特にAppleのポータブル関連は過去のマシンは大半が切り捨 てられてしまいました。コードネームのKANGAこと、3400の筐体がG3になったモデルは散々な目に遭ってしまったのではないでしょうか。
 当然、2400もアクセラレータカード会社がダメになったし、これらカードが搭載できる1400、2400、3400は姿を消したわけです。わずか 1〜2年間のことだったのですね。その後、私はPismoを導入。このマシンが10年の長きにわたって活躍したのはいうまでもありません。
 2012年の今はスティーブ・ジョブズ氏も他界しましたし、私のMac環境も大きく変わりました。退職した私を直撃したのは、iCloudとiPadで した。再び、「あの頃は、ハッ!」になってきたのです。

今の私には
 MacBook Mid 2009の現用マシンにはホトホト手を焼きました。Mac OS 10.6までは影響はなかったのですが、10.7にアップした2011年から1年間、Airを購入、再びMacBook Mid 2009を購入してようやく、マシンがおかしかったことに気付いたところ、iPadの大きさに我慢がならず、iPhonはdocomoの携帯電話から導入 する気にならず、結局のところ毎日、携帯電話のように云々するにはならないモバイル環境は止めて、会議などにはAirを持てばいいし、純然たるスケジュー ル管理、メモ、住所録に特化するだけのマシンが必要だな、と考えたのですね。
 もう一つは、PismoにはG4 550MHzのカードが装着されています。PB G4 12はOS 10.5で使用しています。どちらかというとスタンドアローンで使用しています。いずれも、やや古ソフトの駆動用です。
 旧OSで動かすには、どうしても無理があり、OS Xの環境から切り返してどうのこうのは面倒くさいし上手くいきません。そして、PDAの類いはおもしろさもあって、Visorが2台、Newtonが1 台、eMateが1台あります。1度職場へeMateを持参したのですが、(ローマ字のみの記載で)結構使えることを確認亜していますから、PDAを持ち 運んだ方が上手く行くのではないか、と考えたのですね。
 言い訳がましいのですが、これを現在の私の最も簡単なPDAとするなら、Newtonでしょうか。が、知らない人がそれをどうのこうのするには、動作が あまりに遅く、それ自体が重いのです。前後しますが、この遅さと入力が単文節という理由から、すでにPDAの速度域をはるかに超えるPCの小さいのが出て きたわけですから、気にもとめなくなった、というのが本当のところでしょう。

本当にそうなる前に
 としたとき、突然この彗星が現れたのです。一瞬見過ごしました。その時です。ちょうど宝くじの組が1番違い、末尾の番号が1番違いに遭遇した、あの時の ような物が出てきたのです。宝くじのときは膝がガクガクっときて、「当選したらこうなるのだろうな」という気分になったのを想い出したのです。
 あの時と同じく、オークションページを最初見過ごして、240MHzとG3カードの2つのことはクリアだったけど、妙にキーボードが... 。再び元に戻ってASCII配列のキーボードを確認。そこから始まったのです。もう、これはゲットしておく必要がある、と決めたのですね。わずか2日間で すが、異例に競争相手が少ない不思議な状況でした。
 PowerBook 2400c 240MHz、英語キーボード、インターウェアのG3アクセラレータ、そしてIDE仕様の60GB SSD。はっきり言って現用のMacBook以上に最高のPB2400に感じたのです。








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