PowerQuadra700づくりのコツ

 最初に
●本作業はAppleコンピュータ、及び関連のリペアショップの保証はなくなります。つまり、修理などは受け付けてもらえなくなることを承知しておいてください。
●改造は改造であり、改良ばかりでなく一部改悪になりうる可能性があります。あくまで自己の責任で行ってください。
 以上のことを守って本改造を行ってください。
■初心者にはお勧めいたしません。あくまでQuadra700(IIcx、IIci)の筐体が好きでこのまま使い続ける意志が強い方に限ります。
◆本編ではPowerMac7100と共通性が多いQuadra700を作例といたします。IIcx、IIciも同様の方法で行えますが、ロジックボード、電源ユニットなどで金額が張ることがあります。
 IIciは特に開発者のサインのレリーフなどがあり、改造をしない方が存在価値があります。アクセラレータ如何ではオリジナルのQuadra700をいとも簡単に上回る性能を発揮しますし、NuBusのビデオカードを装備し、メモリーを32MBにすれば、漢字トーク7.5.1〜7.5.3のシステムですばらしいマシンになります。IIciにはこの方法をお勧めします。

必要な機種
 Quadra700 1台
 PowerMac 7100 1台

工具
 ●金切り鋸の刃
 ●ハンド(電動)ドリル
 ●3mmドリルの刃
 ●組ヤスリ、耐水ペーパー
 ●金切りはさみ
 ●ニッパー
 ●大きいカッターナイフ
 ●はんだごて(40Wハ以上)
 ●ハンダ
 ●ものさし
 ●鉛筆
                                            

 まず、インターネットに接続し、http://www.co.jp.com/quadra/q700kai/index.htmlから改造行程と写真をプリントアウトします。この参考書をもとに補足を加えることで作業を行いますのでご了承ください。
 また、"クラシックボックス"さんのホームページも合わせてご覧になることをお勧めします。(ttp://biwa.co.jp/~w-kagu/cbox/index.html)
 

セクション15の写真は縦置きで分かりづらいと思いますが、Quadra700の筐体を横位置に置いたときにI/Oポート部分は裏側から見ると上の部分にリブが入っていて段になっているのがお分かりになるはずです。表から見ればその位置はシリアルポートなどの円形部分から下になります。その部分を結んだ延長線を鉛筆で引きます。
 下側部分はリアカバーグリルの下の線と合わせるのではなく、シリアルポートなどの円形部分の下側を結んだ延長線を鉛筆で引きます。おそらくグリル下の線より2mm程度上を残すことになるはずです。
 左右の横の部分は内部の補強リブの1mm程度内側に線を引きます。
 この囲んだ部分を金切り鋸刃で慎重に切り取り、ヤスリで仕上げます。"慌てず、美しく"を目標に時間をかけて行ってください。
加工済みのQuadra700の筐体
(純正AVカード取り付け用)
 
 

 セクション16の写真のうち、シールド板の写真は本来セクション15の前になるはずです。というのはQuadra700のシールドも加工して使用するからです。筐体後部に穴を開ける前にシールド板をはずしておくべきです。できればシリアルステッカーもはずしておきます。後で両面テープで張り付けます。あくまで本体はQuadra700であることをお忘れなく。
 Quadra700のシールドは取り付けダボを熱で広げてありますが、広がった部分だけをカッターナイフなどで切り取って注意して取り外してください。残ったダボは加工するシールド板の再組立に必要です。
 PowerMac7100(以下PM7100)の方も同じように取り外してください。この時点でPM7100は再使用できなくなりますので、できればボトムケースだけ購入しておくのもいいか、と思います。

 セクション20(16)の純正AVカードを取り付ける時の穴開けですが、一カ所はセキュリティーロックの電源サポート側の位置でもう片方はスペック表示の電源ユニットから15行目の下の位置でカットするといいようです。"スペック表示の電源ユニットから15行目"は、ちょうど裏側のリブの位置になるはずです。セクション25の写真とは開ける穴の位置が異なります。ご注意ください。(いずれもQuadra700の筐体を横置きにしての場合)
 ここで、再組立用のシールド板を作成します。Quadra700とPM7100のシールド加工は下の写真のように行ってください。ケースへの仮取り付けは必ずQuadra700のシールド板を先に取り付けた後にPM7100のを取り付けします。 
 Quadra700とPM7100の加工したもの、合体させたものを写真で示します。
 うまく装着できることを確認できたら、径の細いダボ穴に3mmビスを軽くねじ込んで位置合わせをして数カ所ハンダで固定をしておきます。素早くハンダを流すためにもW数の高いハンダごてが必要であり、ペーストを使用しないので良質のハンダが必要です。

 (Quadra700の加工済みシールド)  

   

 (PM7100加工済みシールド) 
                   
 (合体完成品)

 
 
 
 
 
 

 セクション24の写真でスピーカーのラインを付けるようになっていますが、位置は同じでもQuadra700のコネクタはPM7100とでは端子の位置が違います。
 スピーカーラインはよじってありロジックボードへ差し込む位置は決められています。そこで、インタラプトスイッチに遠い方のラインが取り付けてあるロックを小さいマイナスドライバーの先などで押さえて端子を抜き取り、中央の位置へ端子を滑り込ませます。+−関係なく音は出ます。
 

◆PowerMac7100のリアカバーI/Oポートの切り取りについて

 Quadra700本体の改造には含まれていないのですが、PowerMac7100(以下PM7100)のリアカバーのうち、I/Oポート部分だけ切り離してQuadra700に装着しなければなりません。参考書ではその加工方法が詳しく述べられていないので、以下に記します。

 まず、セクション26のようにPM7100のリアカバーは落ち込みが10mmほどあります。この点を利用して数回にわたって切り離しを行います。したがって、セクション26写真のようにスパッとI/Oポート部分のみを切り取ることには工具の関係からアマチュアの日曜大工作業では無理です。このため一番確実に元に戻せるようPM7100のボトムケースを一つ予備で持っておきなさい、とお勧めしたわけです。切り取り範囲はすでにQuadra700のI/Oポート部分は改造が終わっていますから、一定現物合わせの手法が採れます。

 それでは、PM7100のリアカバーの落ち込み部分を残して外枠部分を切り離します。次に2mm程度落ち込み部分を残して切り取ります。次に切り離したPM7100のリアカバーを加工したQuadra700のリアカバーに乗せてみれば、電源コンセント、電動ファンのダクト部分、それにNuBusスロット部分はQuadra700と見事に一致しているのがお分かりになると思います。また、そのときに改造したシールド板を合わせると、PM7100のリアカバーの裏面から2カ所出ているフィッティングプレートが入る位置が確認できますので、この部分を切り取らないようにしてください。
 言い忘れましたが、PM7100のリアカバーはQuadra700と材質が異なります。切り離し作業で金切り鋸を使用するときに発する臭いの違いでお分かりになると思います。PM7100の材質の方が硬いけれどもモロイことも頭に入れておく必要があると思います。

 いよいよ、PM7100のI/Oポート部分の切り離しになるのですが、ここでもマージンをとって切り離します。
 ここでフィッティングプレートがシールド板の入る位置で合わせると、各ポートのコネクタのセンターが切り取ったPM7100 のカバーの中央に来ないはずです。おそらくはモニタのコネクタ部分とイーサーネットのコネクタ部分は下側を切り離す必要になるはずです。先に行ったQuadra700のI/Oポート部分の加工で下側を2mm程度残した意味がご理解いただけると思います。なお、SCSIのポート部分は下側を切り離さないようにしてください。1.5mm程度でつながるはずです。
 残念ながら横幅は一致しません。できる限りギリギリの位置で切り取りしますが、左右のバランスを考えてQuadra700に装着した場合に左右の隙間が同じになるように切り取りします。
 アマチュアが行うのですから、各ポートのセンターが出ない場合はあるはずです。その場合は加工した7100のシリアル、ADB、オーディオのおむすび型のホールは円の部分をヤスリで削りとってしまう方がいいかもしれません。ここは状況に合わせますが、加工したカバーを乗せて 各コネクタを差し込んで見られて確認してください。OKならペーパーで面取りをしておきます。

 この確認が終了すると加工したリアカバーを装着することになりますが、必ずロジックボードをはじめ、全てのパーツを装着して位置あわせをします。接着するか両面テープにするかは各人の判断におまかせしますが、クラシックボックスさんの方でこのI/Oポート部分の発売予定があるらしいので、両面テープで止められておくのがいいかもしれません。
 両面テープは自動車用の強力なものがお勧めです。接着剤は溶剤を主とするならアクリル用、柔軟性なら合成ゴム系のクリアタイプを使用してください。

 
◆補足はこのくらいにして次に本改造を行った場合、私なりのチップスを紹介します。


Power Quadra700にした場合の注意点

●全体として強度の関係からIIcx、IIciのようにデスクトップ機として横置きにしてモニタを筐体の上に乗せることは好ましくありません。特に純正のAVカードを使用する場合はなおさらです。

●電源はPowerMac7100のものを装着してください。PowerPC601の面において変更をしていただきたいのです。

●フラットケーブルはQuadra700のものでかまいませんが、プログラマースイッチはPM7100のものを使用してください。ホンの少しPM7100のロジックボードと異なりますので、作動が確実になります。

●純正AVカードを使用する場合、できるだけリッド(上蓋)の内側にNuBusカードのサポートと同じようにプラスチック板でフィンを作って装着された方が好ましいと思います。接着はアクリル板用の接着剤でできます。導通の真空蒸着メッキは削り取って接着を確実にします。

●必ずリッドを取り付けた後に7100から取り外した電源サポートビスを取り付けてください。横置き、縦置き、いずれの場合でも筐体の後部に補強がなくなるわけですから、電源ユニットを補強材の一部ににすることが理解できると思います。

●シールド取り付けの際、大きいダボはホットメルトで接着してやるといいようです。

◆当方の作業時間は約11時間かかりましたので、メモリーを取り付けできる方なら熱意と根気があれば確実に改造できると思います。

◆はずしたロジックボードはアルミホイルに底の部分を乗せて軽く包むようにして一時保管します。純正AVカードは注意をしてください。
 また、PowerMac7100はQuadra700に比べて抵抗などが底の部分に多く取り付けられているので注意を要するわけです。Quadra700のロジックボードはルミホイルに底の部分を乗せて軽く包むようにしたものをプチプチクッション材などで包んで保管します。内蔵バッテリーは取り外します。SIMMなどはアルミホイルで包んで保管します。

◆改造したPowerQuadra700は純正のキャディー方式CD-ROMプレーヤー、CD300が好適です。キャディー方式なので縦置きでも使用できます。起動ディスクとしても使えます。

◆メモリーアップしてOS8.5.1で使ってみてください。起動に少し時間はかかりますが、さくさく動く作業速度は申し分ないと思います。できれば512Kのキャッシュを搭載してやるといいと思います。(G3カードとは相性が悪い報告がありますが)


      
 
 

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