タンジェリン計画

こ れまで
 iMacが発売されたとき、これはかつてのコンパクトマックの再来か、と感じたものです。しばらくして、クラムシェルのiBookが発売になったのです が、その大きさから購入を断念していました。
 当時のスペックはCPUがG3 300MHzでメモリーがオンボード上で32MB、ハードディスクが3GBといった構成で、15万円ぐらいではなかったか、と思います。カラーはタンジェ リンと何とかブルーというもので、想像以上の大きさと重量から、期待していたNewtonのeMateと同じようにはならなかったところでした。



 直接iBookを見たのは、今はなくなったのですが中古レコードショップ ミリアムのマスターが使っているところでした。非常に安定感があって、むしろPismoより丈夫なのではないか、と思ったほどです。このときはイイけど な〜で、職場などでは使えないカラーだし、重さと大きさに少々難ありとして、購入は考えていなかったわけです。

 その後、私はパワーラボのBTOでPismoの400MHzを購入するのですが、次にこのiBookとかかわりを持つきっかけは、東京出張のとき、同店 でサンワサプライのテンキーを数百円で購入。その時のカラーがタンジェリンだったのです。このテンキー、安物のクセに結構性能がいいんです。私のHPで宇 和島港の干満を出していた頃はPismoでよく使っていました。



 タンジェリンでなくてはならない、と決めたのは2006年頃からではなかったか、と思います。すでにアルミのPowerBook G4がトップにありましたし、あれだけ人気のあったPismoなんて過去のマシン、新生iBookにしてもG4のチップを搭載するに至っていたのですか ら、クラムシェルのiBookなんてお飾り程度にしか考えていない状況ではなかったか、と今になって思い出します。
 幸いにもPismoにはファーストマック社のG4 550MHzのカードを搭載し、今もって活躍しています。
 ほんのお遊び程度でiBookを購入するか、と思い始めたのはちょうどその頃です。すでにヒビが筐体の樹脂に入る、というのは分ってましたので、それの なるべく少ないものと、箱入りのものを選ぶこととして、購入したのが先に報告したモデルです。
 ディスプレー下部のアップルマークのヒビは相当に大きいため、テプラテープでお化粧を試み、まぁまぁのところまではOKになりました。

今回の始まり
 で、今回は本当に何気なくヤフオクのiBookのところを見つつ、非常に簡単な記載があって、箱など一式揃っている国内仕様のものが目に付きました。ほ ぼ同程度の金額で後期のインディゴがありましたが、白と紺のコントラストが強く、万一の場合にということでチェックを入れておきます。もう一点あるのはあ るのですが、業者さんで単体のみであったので、きれいなんですが、一応これは除外しました。タンジェリンは2日あるしインディゴは4日だ。上がるかもしれ ないが、そのときはあきらめるとして、ともかくこの2台をウォッチリストに上げておきました。
 実はそのときから、入札に関して大きなミスを犯していたんです。

 落札当日、何気ないことから朝にPismoを立ち上げて確認をしたのです。そこで見たのは本日「午前10時」が終了時間になっているではないですか。そ うなんです。その時まではてっきり夜の10時と思い込んでいましたから焦りました。おまけに8時までに家を出ないと遅刻するわけですので、腹をくくってこ の程度という金額を入れて職場へ。
 この日は夜の会議も入っていますから、落札確認が大変。昼休みに確認すると「Get」できていました。金額もそこそこでしたし、少しばかりニヤリとしま した。出品者の時間配分が私たちとは少々違うお仕事のようで、連絡メールでも時間を食いましたが、8月24日の夕刻無事に届きました。

 外の包み紙をはがして箱の確認。見事なまでにきれいです。内包のビニル袋に入れられたiBookタンジェリンが見えます。
 並びはバラバラでしたが、取り説なども完備です。ナナ、何とACアダプターの包み袋、タグつきの纏めワイヤーまで入っていました。これでディスプレーの 保護シートも揃っていれば完璧ですが、それは望めません。(もちろん、当方のPismoのそれは保管してありますが。)
 そうか、私と同じように元の付属品を保管していらっしゃるオーナーも居るんだな、と何かしらいい気分を味わいました。

確認作業
 まずは取り出して、PismoのACアダプター(各モデル共通)を挿します。起動しますと、いつもの起動音。立ち上がると嫌らしいほどのオレンジ色で、 タンジェリン専用のデスクトップが出てきます。
 インストールOSは同封の8.6。まずは手持ちの9.2のバックアップCD-Rからいくつかを移植します。これがOS 9までの便利な点かと思います。シェアウェアのパスワードなどを入力し、すべからく動くのを確認。
 案の定、バッテリーはダメになっていました。やはり、コンピューターとして、ある程度の大きさを有する物にはバックアップ電源は搭載しておくべきであ る、と再び言いたくなってきます。しかし、作業する上でのディスプレーと本体とのバランス上、クラムシェルもでるではバッテリーを外せません。この手の iBookの最大の欠点はバックアップ用のバッテリーもメインバッテリーで共用していることではないか、と常に思っているところです。
 光通信をテストするとして、ネットスケープもエクスプローラーも動くのですが、検索の書き込みなどが文字化けします。ネットスケープを6にアップしたの ですがダメ。
 どうしたものか、と考えた末に、全体を9.2へアップすることを決断しました。オリジナルのCDから9.2にアップデートしました。わずか25分。妙に 新鮮なものを感じます。これまで使ってきたある程度豊富なソフトウェアが再び蘇る瞬間でもありました。ネットスケープもエクスプローラーも今度は上手くい きました。G3CPUにはバックキャッシュがあるものでクロック数が低いものなら9.2で作動させるのは驚くほど軽快であることを改めて知った次第です。

思わぬ違いが...
 さ、ここで少しばかり疑問が生じてきました。通常ディスプレーのフタ部分のゴム質部分と樹脂部分の合わせ目のノッチが濃く見えるのはご存知のとおりで す。この点はグラファイトモデルが一番はっきり分ると思います。
 ところが、私の思い込みかもしれませんが、これまでタンジェリンは、この境目のノッチ部分は比較的気にならないものである、と思っていたのですが、今回 入手したモデルは妙にこの部分が強く目に映るんです。
 仮にですが、後期の白い樹脂に変更になったクラムシェル筐体に、初期のタンジェリンとブルーベリーのゴム質部分を移植するとステキなモデルになるのでは ないか、と感じるほど、いずれにしても、ゴム質部分の色合いは以前から所有しているモデルにしても、最近流行のブラッドオレンジに近い色合いではなく、い わゆるオレンジの少し赤みがかかったタンジェリンのカラーであるように感じました。



 もしかして...、はそのとき感じたのです。本当の初期モデルでは筐体のヒビは日当りとか温度上昇が大きい部屋に置かなければ入らないのではないか、と いうことです。
 では、途中で筐体の樹脂部分の配合比が変わった?。これは十分に考えられます。そこで、今回のタンジェリンを掃除してみます。使用するのはティッシュ ペーパーと水です。アルコールも考えましたが、可塑剤が飛んで、ヒビが入る要因になりかねないから使用は控えました。
 拭いてみると灰色の垢と埃がティッシュにまとわり付いてきます。その次には茶色っぽい汚れ。これはキーボード表面が強いようです。結構ティッシュの枚数 を費やしてきれいになりました。この時点で手持ちのタンジェリンと比較してみました。
 いかがですか?。手持ちのものに比べて、樹脂とゴム質部分のノッチ部分の濃さが明確に感じられるのではないか、と思うのですが、どうでしょう。

 

 左が今回入手したものです。ゴム質部分が半透明樹脂の下側になってますよね。それに比べて、以前入手した右側の写真をご覧ください。写真では出していま せんが、何とゴム質部分の 方が半透明の樹脂部分より上にあるんです。
 私は、この部分はデザイン上も使用感も平滑さが求められると思うのです。となると、半透明の樹脂部分とゴム質部分がノッチで結ばれて平滑にするのなら、 今回入手したモデルの状態でなければならないはずです。
 どうしてこうなったのか。私の考えでは、ハードディスクが3GBから6GBにアップした製品から筐体の一部が変更になった、それにともなってトルクスビ スの取り付け部分、あるいは材質が異なる樹脂がきっちり合わさる部分などにグラックが入るようになったのではないか、と考えたわけです。
 あるいは、金型が損耗などで本来の形成状態が保たれなくなったのか、あるいは、全ての金型が変更になったのかもしれません。CD-ROMのリッドは別付 けです。若干ですが本体へのフィット感は初期モデルの方が好ましいようにも感じるところです。
 もちろん、これらのことは私の憶測でしかありませんが... 。

 ようやく、国内仕様のモノホンが完全な形で入手できました。これはこのままの形で置いておくこととし、手持ちのタンジェリンのお化粧から何から、見た目 にも使える状態にしようと考えたところです。
 この続きはいずれ。

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