PB150のこと

 もうすぐこのPowerBook150も息子に返さないとならないかな、と考えると惜しい気分になってくる。毎朝、始業前にワープロ代わりにこのマシンを使用しているのだが、時にスプレッドシートなどを使うことが出たりすると、最近になって結構いい仕事ぶりをするヤツだ、と感じるようになってきた。
 Quadra並のグゥワーンという起動音は僕を鼓舞してくれる。画面もApple指定のデスクトップモニターサイズのように感じるし、キーボードもアスキー配列、トラックボールに至ってはルビーの支持球である。
 ここまではいいが、後ろはSCSIとシリアルポートだけ、というシンプルさ。最初の1台として、この機種だけで一定のことを成す、と発売されたように思う。
 が、現在では、これはこれでいのではないだろうか、と感じてしまう。とにかく、本当にこの1台でおおよそのことは出来るのだ。スタイルも今となっては旧態依然としているかもしれない。拡張機能も不満足だらけだ。しかし、妙に愛着を感じるのである。
 専門雑誌などではPB150は人気のないPowerBookのトップ候補に常に出される。本当にそうであろうか。しかも、ある本などでは多分に実験的なもの、とも記されている。僕はそうは思わない。苺丸同好会にも紹介があるように、現在のPB150ユーザーはもっと多くの場面でこの機種を活用しているのではないか、と感じてしまうのである。その証拠に巷にはあまり出てこない。今持っているマシンにしても中古ショップに数台入荷したとき(どうもその頃予約があったようだ)の一台であった。最初に購入したモデルは以前に紹介したとおり、リワークされていたが、つまらない故障で、結局修理代金がバカ高く、適度に分解して部品取りに残してある。
 さて、こういった機種をことさら麗賛するものではないが、仮に最初の一台、純然たるコンピューターを使用する時の最初の一台として考えるといかがだろう。実際、こういった廉価な機種が今Appleは持っていないのだ。Apple IIの時代より学校教育の場でAppleの貢献は顕著であった。
 特に小学校の学校教育などで使用する場合などは、このPB150辺りが最適な一台ではないだろうか。アメリカのことばかりをいうのではない。ここ日本の国で使用するときのことを考えての話だ。親がiBookを購入できるだろうか。金額もさることながら、機能が抱負故この時点でコンピューターって難しい、になってしまう。ワープロ専用機にしても同じように機能が充実したものばかりで、筐体の大きさ以上に金額の大きさから敬遠する向きが多くなってきて、シンプルなキカイはほとんどなくなっているのが事実だ。
 仮にこのPB150を購入したとしよう。(もし市場に中古があれば)30,000円も出せば購入できるものだ。購入してすぐメモリーは増設したい。ハードディスクはもっとも簡単に増設できる。しかもこいつはIDEである。あとシステムディスクはどうするか。幸いなことにAppleのサイトに7.5.3があるから大きいけどダウンロードすればいい。
 これで当分の間は使用できる。僕は7.5.5に上げているが、たとえは悪いが他の30マシンよりは快調である、と同時に30マシンで7.5.5が使える機種も少ない。人気のSE/30にしてもはなはだ重いしメモリー増設しても、実質32MBまでで30PのSIMMが8枚もいる。
 が、ここでいつもこけるのはバッテリーである。先日もMAC LIFE誌にDuoのバッテリーの製作記事が出ていたが、おそらく、このPB100(100を除く)シリーズのものは今なら何とか入手できるので努力をしていただきたいと思う。
 最終で問題になるのは、コストパフォーマンスの問題である。結局10万円の仕事になってしまうから、ダメなのかもしれないな、と感じてしまうのである。
 しかし、やはり、捨てがたいものをこのPB150は持っている、と感じている。信じられないかもしれないが、こういった簡単な機構で現在でも通用すること。言いようがないが、ある程度機能を絞ったモデルっていうのはなかなか出てこない。もう一つの愛用機種Duoのようなマシンはおそらく出てこないだろう。そして、ある程度コンパクトなモデルも。その証拠にPB2400のような機種は出ないことが分かって俄然人気になり始めたし、Duoも値が下がらない。ディザインは秀逸だが、今のPowerBookの大きさからは職場へ持参してビジネスには使えない大きさだし、iBookなどは会議でプレゼンするとき、する側も、見る側も妙な感覚になってしまうものなのだ。
 本当にPowerBook150っておもしろい。巷で見つけたら即Getであります。

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