PowerBook 100に思う

 2001年7月5日、発注していたPowerBook100がやってきた。想像以上に華奢だ。しばらく ぶりに対面するその姿から、思いを数年前に遡らせることになる。
 当時の僕の現用機主はSE/30、こいつの欠点はいずれ出すことにするけど、ラスター・オプスのビデオ カードを入れて15インチのカラーモニターに1670万色のフルカラーで使っていた。そこへ、MacFan誌の第2号ぐらいだったかに歴代製品一覧が出て いて、PB100を見つけたら即ゲット、とあった。当時から探せどそんなのありゃしない、の状態。これまた俳優の石坂浩二さんが、このPB100を持って のMacFan誌の表紙など見せつけられると、欲しいの何のって....。作家の山根一馬氏もお持ちだったし....。その後、僕もこの山根氏と同じよう に、このPB100に多くの出費をする目になるのだけど。
 たまたま、この辺のユーザーグループの集まりがあったとき、PB100をお仲間が譲ってもいい、しかも元箱もシステム ディスクもフロッピードライブも全部、ってんで、勢い余ってモノを見ずに購入。が、使いものになりゃしない。バッテリーもハードディスクも次々にぶっ飛ぶ 始末。とうとうマザーボードにAppleで改造を加えるまでになったが、結局バッテリーそのものが今の(Ni-MH)バッテリーを使用しないと作動しない 改造(と思う)になっていて使用を断念、お蔵入りとなった。が、救いは、こいつには8MBのメモリーカードが装着されていたことだ。

 次は2年前の1999年、松山の現ダイナマイトに中古が出ていた。これは正真正銘、中古だ。おそらく2〜3台を ひとまとめにして1台に仕上げた様子が分かる。と同時に、僕の頭に浮かんだのは、久しぶりに出してきたのはいいが、OSが7の終わりになっているときに使 えたものではない、とオーナーが感じて売却になったのだろう、いう内容が分かった。したがって、付属品無し。何もない状態だから非常に安く入手した。すぐ さま動かすと、動くには動くが、ハードディスクがしばらくしてウンともスンともいわなくなった。この薄手の2.5インチでSCSIのハードディスクは探し ようにも探すのが困難だ。ともかく、ハードディスクをはずし、動く状態を確認して保管しておいた。

 遍歴を申してもいたしかたない。とにかく、(いやな言い方だが)ノートパソコンとして随所にAppleらしさが 出ているのは、このPB100とDuoシリーズ、と今までのPowerBookに対して、僕の偽らざる気持ちは揺るぎようがなかった。姿こそ後の140〜 180までの筐体だが、息子にプレゼントしたPB150もどことなくそういった雰囲気を残している。それに僕の気分が乗ったために、こういった結果になっ たのかもしれない。
 2台目を購入して数年、2001年7月2日の夜半に始まる一連のPowerBook購入劇になる。とにかく、札幌の Doー夢のホームページでこのPB100を見つけた。目が釘付けになってしまって、閉店後だったので「見境なく熱望する、明日一番で電話を入れる」という メールを入れる。
 翌日のやりとりの何ともどかしかったこと、午前5時にはぱっちり目覚め、10時30分の開店時間にいきなり電話を入れ る... 。

 今回も寸でのところでGetできた。今の、そして今からの初心者に、この何も付かないPowerbook100 はいかがかな、と思う。裸で購入すると、漢字トーク6.0.7.1の最終バージョンOSが添付されるが、すぐ後で、一部専用品があり、それを探すだけで困 難が伴う。過去の実験で7.5.1までは何とか動いたが、緩慢な動作はこのマシンの性能をスポイルしてしまう。今はどうしても使用感覚からすると7.1で ないとならない。バッテリーの管理からはじまるハードのメンテナンスにも気を配る、といったものだから、である。
 ところが、どうしてもこの100を持っていないと、趣味人としては納得いかない、とさせるものがある実に不思議なマシ ンなんだ。
 Duoのところでも、ついつい2台も購入する始末になったことを記載したが、そういった不思議な気分にさせてしまう事 実は敢然として存在しているように今回も感じた。
 と同時に、当時、蜜月関係にあったソニーが現在のVAIOを作ったことと、このPowerBook100を製作担当し ていた関係から、ソニーはずいぶんとAppleに助けられたな、とも感じた。トリニトロン管も同様だろう。
 
 それでは、あまり記載がないPB100の留意する点などを記入する。詳しくは100を熱愛していらっしゃる方々の webで見ていただくことにして、一般的なことを申し上げたい。
 
 購入して、そう、中古で購入して最初に何をするか、背面のスイッチを入れるなんてことは分かり切ったこと、そういった 諸々の動作はこなしておくことだ。それらを終えると、アダプタをコンセントに入れるだろうが、ちょいと待ちなさい。
 本体に接続する部分の確認をしてほしい。このコネクターがAppleの現在のCEOジョブスをして大失敗作と称したと ころだからだ。この部分が確実になるのはDuoを除いて、1400まで待たないとならない。
 この部分が確実ならアダプターと接続をする。リッドを開けてキーボードのCapslookキー以外を押せば起動するは ずだ。このサウンドが独特のものを持っているので、この点も憎めない。ハードディスクに何が入っているか確認をお願いしたい。もし漢字トーク 6.0.7.1のシステムがインストールされていれば、ハードディスクセットアップがJ2で行われているかどうか、を確認する。
 次にメモリーの状態を確認する。2MBだと次の「ことえり」OS7.1はあきらめた方がいい。4MBだと、ま、いける ところだ。8MBだと儲けものと考えた方がいい。
 あとは一連の作業を行ってもらうが、終了時でも、アダプターは抜かないように。少なくとも一晩そのままにしておく。
 翌日、アダプターをとって、起動してみる。何もいわなければバッテリーがダメになっている証拠だ。このバッテリーを探 すのも一苦労。その場合100ではもう一つ確認作業がある。それは画面上で初期設定部分が狂っていると、バックアップの電池がダメになっている証拠だ。こ のボタン電池も探すのに苦労する。信じられないほど消耗が激しいのは、メインバッテリーがなくなると、このバッテリーがメインバッテリーの役目を果たすか らだ。
 これらのことが確認できれば、ACアダプターを使って気にせずに使って欲しい。古いOSなら時計が狂っているとか、そ ういったダイアログなりアラートは出ないから、大丈夫だ。
 漢字トーク7(実際は7.1)からだと慣れたインプットメソッドが使用できるが、それ以前ではこれが使えない。ただ し、内蔵の2.1変換ではイライラしてしまうので、FEPというものを使って欲しい。僕はMac VJEを使用していた。
 これで、テキストでもタイピングしてみていただければ、PlusとかSEとかとは違ったマシンなんだ、というのがお分 かりのことと思う。こういったところが僕の心をくすぐるわけだ。
 今回のPowerBook100はバッテリーは全てダメ。したがって、ハードディスクが生きていたのでちょこちょこ 使ってやることとしたい。改造も考えているが、筐体一つを壊す必要があり、残念ながら、今の所は動体保存である。

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