使い始め
実の所、PowerBook400を使用した後で100を使うと隔世の感があります。ところが、決して嫌にならないの
です。自分自身でも不思議に思うのですが事実です。一度起動してやると、完全に作動するものなら、これはこれで1時間程度動かしてやる必要はあります。で
ないと、ハードディスクそのものが動かなくなる可能性が強いからです。今でこそわかり始めましたが100、そう、100シリーズの下二桁に数字の付かない
オンリー100はとんでもない代物なんです。
発売された当時に全く関知していなかったことが今になって出てきて、最初っから分かっていれば、僕も最初に入手した
100を「こういったことで....」と半分動かなくしてしまったことが残念に思われてなりません。しかも最近になって一般にどうすればい
いか、マニュアルにさえ書かれていないことが報告されはじめました。ところが、それをやろうとしても今度は100が巷に豊富にあるわけではなく、結局時代
が要求しない、とされたものになってしまうのか、と考えると、一層残念でならないのです。僕自身も今後動体保存ということが主となるかもしれませんが、何
とか生きながらえさせることを考えたいと思い、久々に入手した100を例にして綴っていくことにします。
とりあえず、完調なPowerBook100があ
ることとして話を進めましょう。
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完調なというのはハードディスクがなくてもいいんです。ロジックボード上のメモリーだけでも漢字トーク
6.0.7は動きます。
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バッテリーは死んでいれば、はずされるようお勧めします。
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バックアップ電池も要領抜けなら取っ払ってください。フューズの関係で、本体を分解するときは必ず抜き取ること
とあります。
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HD20のフロッピードライブは必須項目です。PB2400にフロッピードライブがないのと訳が違います。漢字
トーク6.0.7だと1枚の1.44MBのシステムディスクから起動可能なのですから。
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電源アダプターも注意を要します。特に電磁波、磁束などの関係で、できればPB150に使用されているものを
持っておかれることをお勧めします。万一純正のアダプターでモデルが分からない場合は、使用可能機種の番号確認以上に、アウトプットの電流値が必ず
2.0A以下のものを使わねばなりません。全く形も同じで電圧も7.5Vなのに電流値が3.0AというPowerBook160c、180c用のものがあ
るからです。某ショップに送ったとき、変えられて返送されたときは頭にきたのを今でも覚えています。モノクロのモデルでは出力の大きいのを使用しても一般
には大丈夫といわれてますが、僕は1Aの電流値が生む電力量に安心できませんので、使わないことにしています。
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純正のコネクター部分にフェライトコアが装備されていないものは、パソコンショップでフェライトコアを購入され
て装着されることをお勧めします。装着されると、ディスプレーの乱れがなくなるなど、PB100への影響が若干緩和されます。
こういった状態がひとまず「動く」ことへの前提となります。
次のセクションは本当に動くかどうかです。いくら美品のPowerBook100であっても、次のテストで動か
なければ、一発でダメの決断を下す必要があります。
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バッテリー接続スイッチを(バッテリーを装着して無くても)入れます。
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規定のアダプターをACコンセントに接続してから、コネクターを100に接続します。この逆は極力さけてくださ
い。30秒ほどして、キーボード上のcapslockキー以外のキーを押して起動します。
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チャーンという独特の起動音がして、画面がシマウマ状態になったあと、いつもの画面になるはずです。ハードディ
スクが生きていれば、左のパームレストからヒューン、という音とともに、コロコロコロ、と動き始めます。ドライブ関係が死んでいれば、クエスチョンマーク
のフロッピーディスクマークが出てきます。
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ここまで動けば完全です。何やらおかしい、という音とか臭いがあって、不安な気分に陥るようなら、本当にダメで
しょう。そういったものがなく、起動音はするが画面にクエスチョンマークのフロッピーディスクが出るものは、ハードディスクが死んでいるか、装着されてい
ないわけですので、この場合はフロッピーから起動できる可能性もありますから、諦めないでください。
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また、SCSIの外付けメディアにシステムがインストールされていれば、こちらからでも起動できるので安心で
す。
動くことが確認できれば、次はどうするか、一般の人ですと、バッテリーを交換されるでしょうね。ところが、唯一の欠点
というか、いい点というか、この100には鉛の蓄電池が使用されているのです。そう、自動車のバッテリーと同じタイプ。最近になって、原付自転車にこのタ
イプのものが使われだして、性能がアップしましたが、100の純正バッテリーはほとんど存在しません。
代わりに100用でコネクター付きのニッカドバッテリーが存在しますが、購入されておくと便利ではないでしょうか。
バックアップのバッテリーも同様に一般には入手が簡単とは言い切れないのです。幸いにも、漢字トーク7ではメニュー
バーに時刻表示がまだ存在しないからいいのですが、メインバッテリーはアップルメニューのバッテリー表示も満充電となりますから、見た目には「充電」でも
充電できていない。本当にPB100のバッテリー関係はお手上ではないでしょうか。
この時点では、鉛バッテリーそのものは諦めることにしたい、と思います。
これが8MBのRAM、ほしいでしょう。
OSはどういたしましょうか。はっきり申し上げまして、内蔵のRAMだけだと、最終は漢字トーク6.0.7でしょう。
しかし、特殊なアップデートディスクの配布が行われましたので、漢字トーク6.0.7.1をインストールした後に、Apple
HD SC Setup 7.0.1(バージョンJ2-7.0.1)でハードディスクの更新を行ってください。
メモリーが4MBなら漢字トーク7が動きます。ただし、6.0.7も7.1もハードディスクが動かなければなりませ
ん。ハードディスクが40MBあれば大丈夫ですが、それ以下の20MBだと7.1は断念せざるを得ません。確認はしていないのですが、フロッピーディスク
の抜き差し、でうまく行きそうなのは漢字トーク2.0でしょうか。しかし、この機械としてはもったいないですね。メモリー、ハードディスクともにがんばっ
て探しましょう。これも楽しみの一つです。なぜかというと、PB100そのものが巷に溢れていないし、当時も売れていなかったからです。そのため、逆の可
能性で見つかることが多いのではないか、と考えるのですが、アマちゃんでしょうか。
先に記したとおり、外付けのSCSIハードディスクを持ってくれば容量的には大丈夫ですし、バックアップバッテリーも
きちんとしたものを装備していれば、RAM
Diskも作れますし、この電池が無くならない限り保存ができます。ただし、メインバッテリーが無い状態では、このバックアップバッテリーも食いつぶしま
すから、お勧めはいたしませんけれど。
このようにMC68000のCPUでありながら、PowerBook100は随所に様々な工夫がこらされたマシンとい
うことになりますし、バッテリーに泣かされるマシンでもあります。
今後、機会あるごとに改造は極力慎む方向で、何とかこの愛すべきPowerBook100を現在に生かす方法のうち、
僕が行った考え方や方法、実験結果などを申し述べてみたいと思います。
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