Pismo本体をアップグレードする(1)

 Pismoを購入して以来の疑問、それはBlackbirdの PC5XXシリーズのように、CPUカードをG4にしてアップグレード出来ないのだろうか、ということでした。CPU以外は次にリリースされたチタンの G4Power Bookと何ら遜色ないものに感じたからです。それほどの期待を持ちつつ、現在もなお私のメインマシンとして愛用し続けています。
 2002年ぐらいでしたでしょうか、Newerテクノロジー社が遂にPismo用のG4 CPUカードをリリースしました。当時のMAC POWER誌のロードテストでも紹介されていましたが、私の心をくすぐるものを確かに確認していたところです。その後、パワーロジックス社も同様の製品を リリースしていたところです。
 ところが、困ったことに、これらの製品はPismo本体をアメリカまで輸送しなければならなかったことです。文章では2週間前後の期間が必要とありまし たが、私の場合はどうしてもPismoを一時期使用できないものにしてしまうのは、当時として大変難しいものがあったところです。
 それに加えて、Newerでは本体のシリアル番号が必要とされていたため、剥がれ去った私のマシンでは、CPUボードとのシリアルが一致しないことか ら、少しばかり難しい面が生じるのではないか、と考えていたところです。
 同時に、今は無きPower LabでのBTOをやった最初のPismoが壊れ、次に求めたオーストラリア向けのPismoのCPUカードが壊れたので、それを入れ替えしたものですか ら、現実には同種のハイブリッドマシンになってしまっていました。何とかG4のCPUカードだけの購入が出来ないものか、と心の片隅にこのことをしまい込 んでいたところです。

 そういったときに出てきたのが、ヴィンテージコンピュータ社が取り扱っているPismo用のG4カードでした。これが二つの方法があって、カード先送り と、カード交換という方法でした。後者は少しだけ安価でしたが、どうしても5万円程度が必要になることは間違いが無く、少し踏み切ることが出来なかったと ころです。Mac OSも10.4になって、結構使い勝手もいい状況になってきましたから、時とともに心の中からG4 CPUカードのことが薄れていきつつあったのです。

 最近になって、フッとしたとき、ヴィンテージコンピュータ社のサイトでこのカードが入荷、今回から、交換と単品販売のみになった、と記載されていまし た。しかも安くなっている。すでにG4マシンもPower Bookはアルミに変更されているし、再びこのカードが浮かび上がったのです。が、数日すると売り切れてしまう。2005年夏の一時金支給後の時など、数 分の差でミスったりして... 。この繰り返しを3〜4回やった後、2005年の7月中旬、ようやく一気に購入に踏み切りました。もちろん単体購入としました。
 理由は以前と異なり、Mac OS X 10.4と光通信になった今、G3マシンでも十分なパフォーマンスなのですが、アプリケーションなどの使用には、やはり遅い部分があります。というより は、どうしてもG4がメインにしかならない今の時代という感じを十分に経験していましたので、双方の兼ね合いからG4カード単体を購入した方が得策だ、と 考えての処置です。

 発注して直ぐに受付と送金の丁寧なメールが届きました。海外にあるショップということで多少の不安があったのですが、ともかくメールの指示に従って送金 をしました。若干ATMの差があって、私の場合はオーダーナンバーがタイプできないものだったので、送金完了のメールを送信、直ちに確認しました、の返信 が届きました。
 この間1両日ですし、メール送信者の記載があるところなど、ヴィンテージコンピューター社の心意気というか、メールのやりとりであっても、「売る」・ 「買う」の商売を実際にやっているんだ、という気分が伝わってくるように感じたところです。

 待つこと4日、遂に手元に到着しました。パッケージは海外からの送付なのに、宛先は日本語というもので、なかなかの取り扱いだな、と感じました。



 CPUカードの取り外しと新しいG4CPUカードの装着方法は、スーパーマック社のPDFとヴィンテージコンピュータ社のマニュアルに詳しいので割愛し ますが、取り付けは、一か所だけ細心の注意を払わなければなりません。
 それは、このカード自体を装着するときです。静電気をはじめとして、何らかの影響が加わったとき、一瞬にして、起動音はするも画面真っ暗の状況になって しまうからです。慣れていることとはいえ、この面を重視して取り付けを行いました。
 このことに注意して行えば、まず失敗はないところです。以下に私の行った方法を記載します。(別項で記していますが、ヒートシンクは後期モデルを使用し ています。)
まずは取り外しです。
1.メインバッテリーとドライブ(DVD-ROM)を外します。
2.キーボードを外します。
3.指を内部の金属部分に触れておきます。
4.細いプラスドライバーと#8のトルクスドライバーでCPUカバーとヒートシンクを取り外します。
5.精密ドライバーを2本用意して、元のCPUカードの穴に入れて上に持ち上げるようにして取り外します。注1)
6.メモリーを外します。
7.取り外したカードとメモリーカードをアルミホイルの上に置いておきます。
7.G4カードに取り外しヒンジがなければ、元のCPUカードのヒンジをG4カードへ移動しておきます。

次は取り付けです。
1.G4のCPUカードに下側のメモリーを装着します。注2)
2.マザーボードのコネクターにカードを合わせてズレがなければ「カチッ」と音がするまで(ボード上にあるチップの)上から押さえて装着します。注3)
3.CPUにある黄色いテープを剥がします。注4)
4.ヒートシンクを装着します。注5)
5.上側のメモリーを装着します。
6.CPUカードのカバーとキーボードを装着します。
7.メインバッテリーとドライブを装着します。
8.元のG3CPUカードをG4カードが入っていたプロテクションバッグに入れて保管します。

注1)プルタブが破損している場合があります。カードを外す際、なるべく金属製品を使わないようにしたいことから、丁寧に行いたいものです。

注2)ついつい忘れがちになります。必ず元のカードの下側に装着されていたものを使用します。

注3)コネクターの位置がCPUカードのチップ部分になるためです。

注4)あらかじめ、熱伝導剤が塗ってあります。テープを剥がすだけでOKです。熱伝導剤を追加する必要はありません。

注5)少し難しいのですが、CPUとスペーサーとの取り付け位置を合わせてください。



CPU部分の白い枠と黄色いテープは熱伝導材のカバーです。
下側のコネクターにはカバーが取り付けられています。

いよいよ起動
 パワースイッチを押します。いつものように起動音がして立ち上がればOKですが、万一の場合はCPUカードがマザーボードのコネクターにうまく刺さって いるか、もう一度押し込んでみます。
 この部分の咬み合わせのミスが起動不良で一番多いミスです。
 おそらく、いつもと同じ起動だろうと思いますが、私の場合はパーティションを切っていますので、OS9.2から立ち上がりました。直ちにOS Xにスイッチしてリスタートします。
 まずは、G3で少し重いかな?といったアプリを動かしてみられると、結果が凄まじいというのがよく分かると思います。
 それでも変化に気づかなければ、システムインフォを見ていただければ確実にG4の550MHzに変化していることが確認できるはずです。
 私の場合はApple Worksが少し動きが遅い面があったのですが、風車が回ることなくスイスイと動き始めました。



 職場へ持って行くと、誰も変化に気づきませんが、若干キーボードの上が暖かかいかな?、といったところです。送り出しのファンが回るまでには至っていま せん。ということのみがPismoの作動上での変化です。総合結果としては「Pismoが生き返った」としておきます。
 Pismoの項の最初に申し上げたとおり、壊れるまで使い続けると豪語したことが実際になってしまい、妙にうれしい気分になりました。
 もし、Pismoを熱烈に愛用されているユーザーがいらっしゃれば、ファーストマック社のこのG4カードの導入はかなり良好な結果をもたらせるとしてお 奨めしたいと思います。






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