TAXAN BC COMBOその2

前 回の事故
 ほんの些細なことからコトは始まったんです。と言いますのも以前に加賀 電子のTAXAN製品のコンボドライブを装着していました。結構静かだし、 CDR/RWの書き込み速度が若干遅いのみで、ドライブ自体はなかなかの製品でした。
 事故は私の上着の右袖が、ベゼルに触れてパキッと音がしたと同時に、一部がドライブ本体から剥がれてしまったんです。私自身も慌ててしまいましてね、急 遽外して点検をしたのですが、どこも悪くない。しかし、メディアを動かすと振動でバタつく、という状況に気がかりでならなかったんです。
 加賀電子へ修理の代金を問い合わすと、10,000円以上必要という始末。落札金額にしても20,000円近いものでしたから、そこまでして修理する必 要もない、と判断し、そのうち安く入手できるだろう、と考えていたのですが、さにあらず。
 そりゃそうでしょうよ、56,000円もの製品でMac OS Xまで対応っていうんですから、出ないのは当然でしょう。

2号機との出会い
 そう、ここから始まったんです。今回のヤフオクも相当に待ちました。その上に、結構な落札価格。しかし、どうも、これを逃すと再び入手が難しくなる、と 判断しての落札でした。
 数日後、いざ、製品を受け取ってみますと、相変わらずのベゼルの不安定が感じられます。純正のDVD-ROMと較べますと月とスッポンほどの弱さが感じ られます。ま、しばらくは持つであろう、と考えて、使うこととしました。
 ところが、これはスゴイですよ。何とPAL方式のDVDを再生してしまったんです。手持ちにPAL方式で記録されたthe SEEKERSのDVDがあります。At HomeとDown Underの2本が一つになったものです。
 オーストラリアのフォークグループで、私の好きなグループでした。最近オリジナルメンバーで再結成して活動をしているようですが、今使っている PISMOも指向地がオーストラリアですから、付属の純正LG電子製のDVD-ROMで再生できていました。ただし、再生できるのはAt Homeのみで、この点が解せぬところでした。
 が、なんとTAXANのBC COMBOでは見事に再生してしまうのです。これにすっかり気をよくして、これと同じドライブである東芝SD-R2002を持っていますので、確認すると ダメ。もとのTAXANの接続アダプターに交換すると、F12のファンクションキーが使えない。そしてPALは相変わらず再生しない状態のままでした。こ れで、ますます、このBC COMBOを何とか前回の不慮の事故を起こさないようにする方法を考えることにしました。

手持ちのSD-R2002と比較
 この富士通製のマシンに装着されていたCOMBOドライブは巧妙なものでして、中心のツメの一つがダメになってはいますが、良好に装着できています。 が、ビス止めの部位は一切無く、トレーを引き出してのベゼルの状態は少しばかり不安が出てきます。もし、ベゼル上部のダンパーラバーが無ければ、CD- ROMの回転数から少しばかり不安が出るように感じていました。
 最大の欠点、それはベゼルの装着にビス類が一切使われていない、というか、使うことが出来ない状態になっていることにあります。
 ましてや、BC COMBOでは富士通マシン用のダンパーラバー部分が単にスペーサーだけになっている状態です。
 そして、Pismoに装着される場合はベゼルが筐体の一部分として裏側まで包む形になります。少なくとも松下製のDVD-ROM程度の取り付け方法を講 じるべきですし、ビスを見えないようにするにはLG電子製の状態にすることではないか、と思います。

BC COMBOの検証
 「私もやっちゃった」のですが、丁寧にベゼルを外しても中央部のツメが破損します。これを防ぐ方法は、マジにクラムシェルの筐体分解の時に生じる前部の ツメの破損と同じなんです。私のようにフック部分だけなら今回の改造で必ずOKになりますから、安心してほしいものです。
 外す場合は、次の方法で外してください。
  1. 後部のツメのホルダーに精密ドライバーを入れてベゼルのツメをゆっくりとホルダーの中へ移動します。
  2. ベゼルをほんの少し後ろへずらすように中央のツメの向き(前側がフック)に注意して1のツメと同時にゆっくりと外します。
 外したベゼルを見て、いかがでしょうか?。「信じられナ〜イ!」でしょうね。つまり、フック部分が欠けた中心部分のツメと、後部の確実なフックとだけで 止まっているんです。


ベゼルの前のツメです。写 真では天地が逆になっていますが、現実には写真の上側にフック状のツメがあって、BC COMBOの場合、前側は、このツメで止まっています。
(画像をクリックすると大きくなります。)

中央部分のツメです。この 写真も天地が逆ですが、すでにツメが飛んでいます。見づらいですが、円柱形のスペーサーの左横にフック部分のツメがあるわけです。
(画像をクリックすると大きくなります。)

後部のツメです。ガタは多 いのですが、BC COMBOで一番確実な取り付け用のツメではないか、と思います。
(画像をクリックすると大きくなります。)

補強加工する
 簡単にどうすれば補強が出来るか?。これはあまり悩む必要はなかったのです。後ろのツメは完全。中央部のツメは無視。前部は下側のツメが効く。それ じゃ、ツメのない部分は前部の上のみ、ということになります。この部分を確実に止めればいい、ということになります。
 ビス1本でOKになるのか?。そりゃ疑問ですが、ツメの状態をよく考えていただきたいのですね。つまり、イジェクト部分のあるツメがあれば、そのままで 使用できていたじゃないですか。

[ 最初に申し上げますが、ここからは改造になります。この作業を行う方ご自身の責任でお願いします。]

 それでは、加工です。
用意するものは、0.1mmのピンバイス、同じ大きさの皿タッピングビス。そして、面取りようの6mmのドリル歯です。
  1. トレーの小さいノッチ部分のわずかに下側へピンバイスで穴を開けます。深さは3mm程度ですが、トレーに穴が開いた後にベゼルのツメがわずか に当たりますから、そこからピンバイスの回転が軽くなればそこでストップします。
  2. 皿ビスが入り込む部分として、トレーの面取りをします。
  3. ビス止めします。
  4. ベゼル下側のステーをドライブ本体底のホルダーに入れることをお忘れ無く。
完成写真を示します。
 
これでオシマイ。
 もし、2mm程度の皿ビスがあれば、この部分をずらして大きい穴を開けると、ツメの受け部分にビスが刺さりますから、ベゼルにキズがつかないので、こち らの方が好ましいかもしれません。

おわりに
 すでに、このコンボドライブは生産が修了しています。最初に申しましたとおり、製品がオークションなどで出てくる機会は少ないと思いますし、出たとして も少々お高い。
 松下の純正DVD-ROMなら、松下の製品が一部加工が必要なものの、ベゼルの共通性があります。それゆえ、松下の改造は比較的簡単です。しかし、リー ジョンの関係はフリーではないだろうと思います。
 また、VST製のCDR/Wも製品化されていますが、ここまで来ると、コンボドライブの方が良いのではないか、と感じています。
 今回のTAXSAN BC COMBOの改造は効果が大きい、と自負しています。中央のツメが無くてもステーが残っていて、ベゼルが多少ぐらついているのなら、この改造でほぼ完全に なるのではないでしょうか。



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