Pismo その美しさを次の世代まで
・・・ やはり形成外科手術か・・・




コードネーム Pismoのリワークモデル、2006年末までの限定でディスプレーカバーの交換に応じるとAppleが説明!
こんなことが現実なら大喜びなのです が... 。

 9月も下旬になりますと、朝夕は随分と涼しくなってきました。2006 年の夏からここまで、長引いた梅雨時期とその後の長雨、それに台風という天候は、今年の夏をカーッ!としたものを感じさせずに終わりました。
 今夏、私は初めてMacBookを触ったところですが、折しもPismoの液晶が再びダメになったことも相まって、この新機種の「導入」を考えていたと きでもありました。しかしながら、結構安価でロジックボードなどが新しいPismoのジャンク品を入手して、それの液晶のみ移植して成功したことから、 MacBookの導入には至らなかっ たと ころです。
 PismoがMacBookと大きく違うところは全体の状況のみです。機能面では私のPismoはG4になっていますからそんなに気にはなりません。ソ フトウェア自体もインテルMacにまでは急速に変更になっていない、というところも直ぐさまMacBookの導入に至らなかった、というのも事実です。

 ナ〜ンちゃって、としてはみたものの、Pismoの発売以来7年が経過している今、この機種で最も気になるところはディスプレーカバーのアップルマーク です。純正液晶ですからこの部分が光りま す。 2000年当時、これ(光るところ)は結構受け入れられていたんですよね。が、G4チタンがリリースされたとき、ディスプレーを開いたときにアップルマー クが正立している。当然、使用者には見えないものですが、使用している者と作動しているPismoを見る側からすると、ただでさえ光るアップルマークです から、倒立よりは正立となっている方が違和感がないはずです。
 これは私だけが感じたことではなく、G4 Power Bookの発売時、これに大衝撃を受けた人も多かったように記憶しています。DELLの丸いマークなどは、天地を逆にすればいいのですが、Appleマー クは簡単に変更など... 、ウ〜ン。
 それじゃG4のPower Bookに鞍替えすればいいじゃないか、となるのですけど、このモデルはチタンからアルミまでクロックが相当に変わりました。私はこの点と、標準モデルの 15インチではキーボードの左右の空間が広いため間延びした感じ をぬぐい去ることが出来ませんでした。同様にiBookにしても四角いモデルもG4になってしまったり、こういった点が、私をこの時期のMacノートから 遠ざけてしまった一因でもあったように感じます。
 それにしても、Pismoまでのアップルマークの倒立した姿は何ともいただけません。本当ですよ。これを何とかしたい、と結構いろんなことを考えたので すが、ネット上で検索しても、その関連した記事もありませんし、もうPismo自体が過去のモデルですので、今さら... 、というものなのでしょうね。

 どうすれば、アップルマークを正立させられるか?。おそらく、Macのイジリ屋さんの考えは同じなんでしょうが、Power Quadra 700のときと違って、簡単には行きませんよね。
 Pismoの改造で一番多いのは、多く売れた400MHzモデルのCPUクロックを関連抵抗を移動させて450MHzに上げることではないか、と思いま す。 若干の技術は必要ですが、この効果は素晴らしいものがあります。
 ところが、筐体の改造などは一切レポートなど無いのがこれまでの状況のように思います。私自身も何とかすればイケルのではないか、と思い続けていたとこ ろです。

 苦節5年、ようやく閃きがあって、ま、とにかくやってみることとしました。(ちと、オーバー)

 いつもどおり、これ以降は改造に なります。私を含め、メーカーも誰も責任を負いませんので、この点は手を下したご自身でお取りください。

 まず、工具が必要です。工具だけで3千円ほどかかりますので、お許しください。
1.コンパス
2.ピンバイズ
3.1.5mmミニドリル
4.カッターナイフ(歯が確実に固定できるもの)
5,マイナスドライバー
6.ニッパー
7.布ペーパー
8.組みヤスリ

これだけが揃えば、加工が出来ます。

まずはどうするのか?
 直径55mmの円をコンパスで紙に描き切り取ります。ディスプレーカバー横方向、アップルマークの上下の中心にラバーコーティングの溝間を計測すると、 約19.2mmであろうと思います。先ほど切り取った紙を対角線に折って広げ、アップルマークのセンターに来るようにして、濃いめの鉛筆で紙の円周に沿っ てダイレクトに円を描きます。
 おそらく一度では無理でしょうから、数回やって、見た目にイイ位置で円を描きます。円が描けたら、アップルマークのヘタ部分より4mm程度外側へ円が描 かれているかチェックをします。
 これが3mm程度ですと、アップルマークの透視部分が切り取られることになってしまいますので、十分注意します。私も、切り取るまで気づかなかったとこ ろです。(冷汗)

 次はミニドリルを装着したピンバイスで、描かれた鉛筆の線に沿って穴開けをを行います。これからは元に戻りませんから、相当なリスクを伴うことをご理解 ください。
 また、想像以上にベースとゴム状の部分が強固にくっついて同種化しています。うかつなドリリングは行わずに、下のスチレンフォームまで確実に穴が開く までドリリングします。焦らず、慌てず、正確に円に沿ってドリリングしていきます。その方法は... 。



1.まずは、55mmの円周での対角線上に穴4つを開けます。
2.目検討で結構ですので、暫時その1/4の半分、その半分と穴という具合に均等に穴を開けて、最終段階ではとなり通しの穴がカッターナイフで切り取りが 出来 るぐらいまで多くの穴を開けます。
3.ドリルの通った裏のスチレンフォームを切り抜いておきます。
4.カッターナイフで穴と穴との間をカットしていきます。



いかがですか、ヘタの部分(4mmはずす)を重視しますから、どうしても55mmが必要というのがおわかりいただけるはずです。
 切り取った部分、本体とも穴の凸凹をペーパーで十分平らにしておいてください。表側のエッジの面取りは必要ですが、裏側は当て板を接着するため、バリ取 り以外、面 取りをしな いでください。



 ここで休憩を挟みます。と申しましても、くり抜いた穴を何で埋めるか?。加工しやすく筐体の樹脂と親和性があるもの... 、これらを考えると、先に進まなくなったんです。

 くり抜いた穴と筐体を上手くフィットさせる物のチョイスにはチョイト困 りました。実のところ、ディスプレーカバーは微妙に波を打っています。この状態がアップルマークを天地逆 にして上手くフィットするか?。(先に申しますと、完全にフィットしませんです、ハイ。)
 となれば、先に予定していたプラ板は使えません。また、トップコート部分は接着剤が効かないように感じました。このことは後で幸いするのですが、ともか く 若干の柔軟性があって、仕上がった後は強固な構築物に変化するような物が必要なのです。これを見つけ出すまでにかなりの時間を要しました。

 ある日のこと、職員団体の書記に辞令を出すので、その用紙をどうする か?。けっこう厚い紙がいることになります。西洋紙なら135K以上のもの... 。ン、紙か?。
 フッと思いつきました。紙だ。あの部分ならケント紙がいいか。が、わずか10cm四方だけでいいのにスケッチブック並みの物を購入するのもイマイチだ。 それに西洋 紙よりは和紙だ。和紙か。ふと、古い年賀状を見つけたときでした。
 そうだ「はがき」だ。(官製=今は死語か)はがきなら和紙じゃなかったか?。最近のインクジェットじゃない物。そう、不要のはがきを使用すればいい。何 てったって、つ いこの間まで、は がきは小さいオートバイのエンジン、そのシリンダーベースガスケットに使用していたものだから、結構強くて、物に対してある程度親和性もあるんです。
 これが解決してからはトントン拍子でことが進みました。そして、メインとなる穴埋めのベーシックな考え方です。



 上の写真が全てです。
 まず、ベースとして紙、それは使い古しの通常(官製)郵便はがきを用います。接着剤はエポキシをメインとします。裏側の発砲スチレンペーパー用には水溶 性のボン ドを使用します。はがきの位置決めには両面テープを使用します。
 エポキシ接着剤は作業の状況から10分硬化型を用います。5分硬化型では少しばかり作業を焦ることになりますから、10分硬化型の方が都合が良いと判断 しました。

 それでは、作業開始です。

1.はがきに55mmの円を描きます。
2.切り取ったスチレンフォームの裏側をはがきの上に置いて、切り抜き部分を描きます。
3.ディスプレーカバーへの取り付けの位置決めのため、反対側にも円を描いておきます。
4.マークの切り抜き部分をカットします。
5.はがきは55mmの円を中心にほぼ正方形にカットし、カドを丸くしておきます。
6.切り取ったはがきの四隅に両面テープを貼り、くりぬき部分に合わせながらスチレンフォームと筐体の間に滑り込ませるようにして貼り付けます。(事前に フィットさ せて おくのが良いようです。)
7.黒の水性の(溶剤で溶けない)フェルトペンで、くり抜き部分を表側から塗っておきます。(くり抜き部分の奥の部分へ入り込む部分も少し塗っておきま す。)
※位置決めがあるために、両面テープで接着した後でフェルトペンで塗ること。
※黒のフェルトペンで塗らなければ、隙間から光が漏れます。





 ここまで来れば、概要が分かると思います。ベースに紙ではなく(スチロール)プラ板を用いた場合、おそらく紙に較べてくり抜き部分との馴染みが悪いよう に 感じるのです。特に溶剤でPismoの筐体を溶かせて接着することが今回は困難な作業ですし、紙部分にエポキシ接着剤が一部馴染むことにより、ベースの硬 化が図られることからも、紙を用いたことは成功だった、と思います。
 油性のフェルトペンでは、若干ですが筐体が溶けます。筐体部分のカラーはエボニーであり、ラバー状のくり抜いた部分より赤みが入っている黒であることに 注意してください。

 いよいよ本番と参ります。

 まずは手順です。
●先ほどフェルトペンで黒く塗ったときのように、紙ベースと筐体の間にエポキシ接着剤を入れ込むようにすること。
●同時に、アップルマークを接着して、元の筐体との間の溝埋めのパテ代わりにも使用する。
◆パテ代わりに再度接着剤が必要になる。ラバー状の部分への接着剤は効きが悪いので、この部分への接着剤がはみ出すのは、ある程度大丈夫。

 これらのことにより、比較的多量にエポキシ接着剤が必要になります。

 ここで、アップルマークの透明部分の出っ張りをカットしておきます。比較的柔軟性のあるクリア剤ですから、カッターナイフで数回切り込みを入れてから折 り曲げるようにすると切り取れます。
 下の写真が仮組の状態です。




 この状態で、位置決めのため切り取ったマーク部分と本体とを結ぶ線を上下左右に濃い鉛 筆で記入しておきます。

それでは、いよいよ固定します。
1.まず、エポキシ接着剤をヘラなどを使用して、紙ベースと筐体の内部へ入れ込むように塗布する。
2.切り取ったアップルマークの外周に接着剤を盛り上げるようにして塗布し、ベースへ貼り合わせる。
3.20分ばかり水平にして放置する。(5分ばかりすると硬化が始まるので、テープなどで固定する必要はない。)
4.アップルマークが動かない状態になっているのを確認して、切り取ったスチレンフォーム部分を水溶性ボンドを用いて紙ベースへ裏側から貼り付ける。



 いかがですか?、結構サマになっているでしょう。いよいよパテ盛りをします。
先ほどと同様に接着剤をツマヨウジの先に付けてスーッと引くように溝に流し込みます。これまた、5分もすると流れが悪くなりますから、事前に低い凹状に なったところを確認し、その部分を先に埋め込みます。

 この状態で一晩放置し、透過用の白いプラ板を最初と天地を逆にして両面テープで貼り付けて完成です。



 ここではディスプレー部分の再取り付けなどは記載しませんが、再び現状での写真を提示します。いかがですか?。
 今回は荒っぽい改造でしたが、私は比較的上手く行ったと思っています。
 成功の秘訣は4点です。一つは何気なく決めた55mmのくり抜き。そして元に戻すときのベースに「はがき」を持ってきたこと。エポキシ接着剤を接着と充 填 剤に設定したこと。それに、あえて接合部分を目立たせる方法を採ったこと。
 これらのことを守ると上手く行くようです。





 数日後、何気なくPismoを作動させたときでした。いつもどおり何の変哲もない起動です。アイコンが並んで、ATOKの表示が出て使える状態になりま す。
 ディスプレー側は見ていません。何気なく裏側(これが表のカバー側)へ回ると、少しばかり残念な結果が発見されました。作業が荒いとかではないんです。 つまり、正立したアップルマークはディスプレーカバーの 中央部に鎮座していることが肝心なんだ、と。(あと1.5cmばかりフック側がポジションでしょうか。)
 しかし、あえて申し上げますと、この改造で少しばかり日頃のユウウツが消えたのではないだろうか、と思います。
 今後、Pismoのような筐体のマシンも出ないだろ うと思います。幸いにも現在はMacBookにブラックモデルが存在します。が、これまで使い続けてきたマシンです。それに今の環境でも十分に使える。そ して素敵なデザイン。
 今後の新商品開発に対して、過去にPismoのような、その時点で次を見越した先進性のある商品があったのだ、ということを、今後の新商品開発に組み入 れていただけるようAppl首脳陣に願いたい、と感じるところです。
 







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