PowerBook用ACアダプターの謎(?)

 スッタモンダの末に、故障したPowerBook G3(通称ピズモ)のACアダプターに対してアップル・サービスセンターから交換品が送られてきた。早速交換して使用したが、一向に充電しない。そんなバカな?。P-RAMのクリアなど、あらゆることは行ったのだがダメであった。
 色々確認していたとき、コンセント側のAC電源ケーブルがスパークしているのが見えた。もしかして?、と思ったが、アップルセンターに連絡する前にテスターで導通確認している。その時は間違いなくOKであった。Power Labに電話しても間違いなく導通していた、という返答であった。
 もちろん、その時は電源(AC)コードなのか、アダプター内部の故障なのか、ミスっているところがはっきりしなかった。さらにACコードが不良のためにアダプターがイカレた可能性もある。いやいや、ロジックボードではないか... 。これは最初にPower Labへ送ったときの確認で大丈夫という報告を得ているから問題ない。
 こういったことを再びアップル・サービスセンターに通知をしたわけだ。レレ、今度は対応が実にスムース。ACコードを改めて送るから、確認の後、ACアダプターといっしょに返送してくれ、という指示であった。今回ぐらいの対応状況なら十分満足できる。で、ACコードが到着するまでの間、ACアダプターを見比べてみた。
 実のところ、こういった行為は重箱の隅をつつくようなものなんだが、新たに送られてきたACアダプターを手に取った同僚が「こんなに重いものが本当に必要なのか?」という言葉を受けた。エッ、フム〜、交換品は確かに重い。これは何かあるかもしれない、と確認したのが下記の表である。
 
付属品と交換品のACアダプターの違い
項      目
付  属  品
交  換  品
 本体形状 ・コード取りだし口固定
・コード細め
・コネクターピン細い
・巻き取り溝面取り加工
・コード取りだし口に余裕
・コード太め
・コネクターピン太い
・巻き取り溝面取りなし
 本体重量  230g  287g
 製造メーカー  DELTA ELECTRONICS 
 (THILAND) PUBLIC CO.,LTD
 DONGGUAN SAMSUNG
 ERECTRO-MECHANICS
 製造国  タイ  中国
 日本関係マトリクス  検磁 3882A821  検磁 3882A814
 製品シリアル番号  EH007WAGGMX  RR05004509JRPA
 製品シリアル番号に対峙
 する位置のマトリクス
 LR1046658C
  LEVEL 3
 LR56612
  LEVEL 3
 電源コード ・コード、コネクターまで透明
・コード芯線細め
・コネクターのみ透明
・コード芯線太め

 ざっとこのような状態だ。アマチャンの勘ぐりだけど、明らかに違うところは交換品の方が付属品よりも古い、ということである。もう一つは重さだ。内部パーツの状態も交換品の方が大きくて重いのかもしれない。実際、ACコードとのコネクター部分のピン(足)も太い。軽いに越したことはないが、重い=安定作動というのは考えすぎであろうか。
 このことは、SEとSE/30の後期モデルのアナログボードの基盤の厚さの関係によく似ている。SEまでの2mm厚とSE/30後期モデルの1.6mm厚とでは使っているパーツが同じでも、安定性はファンモーターの振動、パーツの電気的振動などから前者の方が断然有利なのは誰にも理解できるはずだ。
 PowerBookのACアダプターは最初の100シリーズから満足のいくものが少ない。特に本体とのコネクター部分は500シリーズから良くなったが、5300で逆戻りになって、ボスであるスティーブ・ジョブスを大いに怒らせたのはご存知の通りだ。1400になって500シリーズと同じにものに変更され今に至っている。
 が、実際のところACアダプター本体に関して、過去のものは大半がアースラインを有していたのだが、今回のは日本向けにつくられたもので、ACのプラグにはアースラインがない。同じく本体側のアースラインのピン(足)もない。アメリカ国内向けのものなどは、アースラインが取ってあるはずだし、本体のロジックボードも少しばかり違うのかもしれないが、この確認などは今後の課題にしたい。おそらくiBookにしてもPowerBook G4にしても同様のものを使っているため間違いは無いはずだ。
 そういえば、ACケーブルも送られてきたものはケーブル自体がまるで違う。付属のものはコード本体までトランスルーセント。少々やりすぎの感は免れない。比べると溶着で接続されているフレキシブルな部分も交換品の方が一層確実だ。
 何か狐に摘まれたような感じもするが、ACアダプターとACコードは実際はピズモより前までの製品の方がいいものなのではないか、などという結構不安な部分も見え隠れしているのである。

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