Pismoのヒートシンクを交換する

 実は最後期モデルの500MHzに使用されていた銅パイプを用いたヒー トシンクが気がかりでならなかった。かねてからファンがいつ回転するのだろうか?、という疑問があったように、Pismo内部はかなりの高温になってくる が、いっこうに平気なようである。しかし、高温をキープしたまま作動するというのもおかしいことには違いない。
 もう一点は通常のアンチモニー製のヒートシンクでは全体が熱くなってしまい、パイプで連動されたヒートシンクの温度上昇によってセンサーが感知する温度 自体が設定以上になってもファンは回転しないことになるのではないか、と感じるところであった。
 通常、オーディオ機器でもそうだが、発熱を伴うパワートランジスタなどは放熱版を取り付けて、空気に触れる面を大きく取って冷却し、安定動作するように 目指している。CPUの冷却用放熱版も同様だ。端的に言うと空冷エンジンのシリンダーフィン、電柱の上に設置されている変圧器などに見受けられるとおり、 ヒダを多く使用して冷却をしているものである。
 当然旧タイプのヒートシンクも同様の方法を採っているのは写真で見てもおわかりのこと と思う。ただし、僕が想像するように、この方法では、ヒートシン ク、パイプとも同一素材でできているから、全体が単一のヒートシンクとして機能しているのではないか。逆に言うと放熱面積だけが大きくなっているだけで、 パイプで導く放熱方法に至っていないのではないか、感じるところだ。

  



 Power Mac G4の後期モデルやG5のヒートシンクを見ていると、放熱版へ導くパイプが銅製に変わっていることが分かる。液冷のG5デュアルではこの点が一層明確に判 断できるところである。
 このようなところを前提にして、P.T.Kの取扱説明書にこの銅パイプを使ったヒートシンクのことがでていたのを皮切りに、どうやら最終の500MHz ではこの銅製パイプのヒートシンクが使用されていたことを知ったところで、何とか入手をしたい、と考えていた。



 2004年7月中旬、ヤフオクでそのものを入手することができた。早速違いを確認していたところだが、驚くことに、コストダウンしたのではないか、と思 われることが一つ発覚した。それはヒートシンク自体が合成樹脂に変わっていたことだ。
 まずは眺めてみると、アンチモニーのCPU接触部分に銅パイプが直接触れている。そのパイプを伝わって来た熱は、合成樹脂のヒートシンクの中央からパー ムレスト部分へ導かれ、バッテリー部分中央付近から直角に手前へ折れ曲がる仕組みになっている。

  



 装着しての結果だが、電源投入後4時間程度経過しての結果は左のパームレスト部分の発熱は旧タイプのヒートシンクに比べると小さいと感じる。その代わ り、キーボードの上に掌を置くと結構温度上昇は感じられる。ハードディスク側と同等の温度になるが、全体としての温度上昇の状況は均一化していいのではな いだろうか、という感じを持った。

 現在のところファンは未だに回っていない。この4年間、旧タイプのヒートシンクの時からもファンが回ったのは1回あるかどうかといった程度である。僕の は400MHzだが、500MHzモデルでは回る可能性はなきにしもあらずではないだろうか。
 まずは取り替え成功、としておきたい。



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