突如ディスプレーの変調...

 非常に好調の内にファーストマック社のG4/550MHzのCPUカー ドを満喫していたところです。
 ところが、10月の初旬に前のPismoでも経験していた液晶のにじみが発生し始めたのです。その状態のままで毎日数時間作動させて、どうしたものか、 と思案しつつ使用状況をメモ帳に記載し始めていたところでした。

[以下は改造が含まれます。手を下した場合は 個人の責任で処理をお願いいたします。]

 ことの始まりは、QuickTimeやMedia Playerでイケル例の画像の検索サイトを見ていたときでした。最初のベース画面が紫がかったものなのですが、その左が縦にビビッと揺れ始めてきたとき からでした。次いで黄色の縦帯になって、一部 分それが右に横飛びをし始める状況になってくる、いつものパターンになりだしたのです。
 前のモデルではここから悲惨とも言えるディスプレー全体がゴーストがかかったように緑・黄・赤の混ざったような汚い色で埋め尽くされたのですが、今回は これがありません。
 最初に発生した時は、これでシャットダウンし、翌日再び起動して... 。ほぼ通常の使用時間でしたが、この日はにじみが発生せずでした。

 気をよくしたのもつかの間、そこからしばらくの間出たり出なかったりを繰り返したのですが、10月15日、起動して3時間でにじみが発生し始めました。 出方が前のモデルのようでは なかったために、危険があるのは事実ですが、作動させながらディスプレーコネクターを抜き差ししてみました。一部ディスプレーに赤みが増すことがありまし たが、総じてイ ンバーター部分、光電管部分も正常と判断しました。
 作動時間が長くなるとにじみが出る。このことはVRAM辺りがCPUの熱であぶられる。これは間違いがありません。しかし、それならもっと早くに影響は 出るはずです。仮にそうだとすれば、メモリーが異常を示すはずです。
 私のは下(裏)がトランセンド、上(表)がグリーンハウス、いずれも256MHzです。数時間ずつメモリーを入れ替えして使用してみましたが、この作業 での変化もなく、相変わらずにじみは出ていましたので、CPUはもとより、ボード自体とそこに搭載されている機器はOKと判断しました。

 となると、やはり液晶そのものの不具合でしょうか... 。
 そんなとき、過去のPower Book ArmyのBBSを読んでいたところ、一部にディスプレー関係のリボンケーブルの断線などが考えられる、と記載のあるのを見つけました。しかし、これはマ レであって、製品としてのPismo全体に良くないとされる液晶というのは解るのですが、ケーブル類に無理がかかっているものもあるのではないか、という 疑問も生じます。このことは確認を要するところ です。
 確認作業の前に、前回のG4化の報告の後、ヤフオクでDayster社のG4カードが出ているのを発見。そのCPU保護がフィルムになっているのを見つ けました。なるほど、これならヒートシンクの密着度も向上し、CPU周辺のパーツの保護としての機能も増す、と判断し、私のファーストマック社のカバーも 紙の部分を一層だけ残してフィルム状にしました。
 CPU周りも清掃して保護テープを元通り両面テープにて固定。少し粘度のあるシリコングリスを薄く塗布して ヒートシンクを取り付けました。



 次はハードディスクとディスプレーへのリボンケーブルでストレスがかかるであろう屈曲部とアルミのインナーフレームが接触する部分にメンディングテープ を貼っ てケーブルの補強と保護を行いました。
 少し見づらいのですが、作業の状況はCPUシュラウドをはずしてての写真をご覧くださ い。

 

 ここで、一つまとめをしてみます。
 まずは、順を追ってやったことを記載すると... 。

1.にじみが出て来始めてからの時間は、1時間程度にまでなってきた。
2.光電管などの異常はない。
3.上下入れ替えしたメモリーの異常はない。
4.CPUの状況は良好
5.リボンケーブルも異常はない。

となると、やはり液晶そのものが悪いのでしょうか。疑問が深まるのです。

 珍しく各パーツに手を入れることもなく、そのまま装着しているだけなのに何が色にじみを起こさせているのか、全く判断がつかない状況になってしまってい るの です。私の今のコンピューター使用環境はサーバーマシンが無いために、旧式のマシンで文章創ってフロッピーで移植なんてことはエマージェンシーの時以外し たくもありません。そのためPismo1台での使用となるため、どうしても色にじみが出たままでの作業を継続しなければならず、視覚から受けるストレスが 溜まるままなっていたわけです。

 再び順を追って... 、と考えたところで、思いもよらぬことを発見しました。
 そう、もうお解りでしょう。色にじみが起きたときはキーボードはP.T.Kでした。P.T.Kには以前から少しばかり気がかりな部分があったのですが、 そう影響はないであろ う、として報告をしていませんでした。
 2005年10月15日午前中、P.T.Kで使用して1時間もしないうちに色にじみが発生し始めました。10月も中旬というのに、気温は25℃を下りま せん。さすがにCPU周りの調整(かな?)をして、Pismoの熱さは結構緩和されているように感じます。
 色にじみが出てしばらくの後、シャットダウンをしてキーボードを純正のASCII配列の英語版に交換しました。1時間程度放置し、問題はないのですが一 度起動して、リアのリセットキーを押して、再び起動をします。
 ディスプレーの自前のキャリブレーションなどは全て削除しました。サファリのキャッシュも全てクリアーしました。

 午後2時に、夕刻からの松山での会議に出席のためシャットダウンします。ここまでで色にじみは発生していません。ディスプレーの輝度はにじみの発生を少 しでも防ぎたいことから若干上げたままにしておきます。

 帰宅して、ヤフオクの確認もあって深夜に及びましたが、4時間程度Pismoを作動させました。色にじみは発生しません。
 何がどうなっているのか?。その実際は別項で報告するとして、私の考察は次のとおりです。

 ハード(ウェア)リセットだけで解決した!、と考えられがちですが、P.T.Kのときにもこれは行っています。ただし、その時はリボンケーブルなどの保 護対策は講じていません。したがって、この日の夜の正常作動はリセットのみの結果ではない、と断言できます。
 まずはキーボードから探ってみます。

 ご存知のようにP.T.KはASCII配列を基本として、controlキーとcaps lockキーが入れ替えられたものです。当然マザーボードへのリボンコネクターも純正とは配列変換されていて、数本が横切っていることが確認されると思い ます。従って、マザーボードとの凹部分のサポートとの引っかかりでリボンケーブル断線の可能性が高いと、純正とは違う配列のキーが作動しなくなる、という ことに なるため、この部分などの補強が必要です、と以前から報告しているところです。

 実のところ、Pismoのキーボードの取り付けはこれまでのPower Bookと違って、マザーボードへの取り付けが1本のケーブルに変更になっています。結構素晴らしい発想であり、凸凹のコネクター1本のためキー ボードの取り外しと内部へのアクセスも簡、単というオマケまで用意されていました。
 ところがPismo用のP.T.Kは初期製品からこの部分がLombird用の変更されたものであったため、結構トラブルが出ていたのではないかと想像 で きます。
 Lonbirdとの配線変更は後期モデルになって改善されましたが、接続の確実性は凸凹コネクターの性能次第であり、P.T.Kのこの部分にガタがあっ て、若干の微調整を行わなければ、キーの取りこぼしなどが生じる可能性が高い、ということも以前に申し上げました。
 凸凹コネクターはその後のチタンのG4モデルでも採用されましたから、決して悪い方法ではなかったことが証明されています。
 話が飛びますが、最近になってUSB接続の外付けハードディスクケースを手にする機会がありました。USBケーブルを二股で使用するタイプなので安いも の でしたが購入は控えました。
 その説明書に、USBケーブルの作用が記載してありました。1本はデータ、1本は電源と。
 もし手持ちのG3/G4Macがあれば実験をしていただきたいのですが、キーボードにマウスを繋いだ上に空いた方のUSB端子に他のUSB(電源)使用 の機器を繋ぐと「電力不足です」と表示が出るはずで す。おそらくPower Bookのキーボードはこの方法に準じているのではないか、と考えました。
 しからば、Power Bookのキーボードと本体とを電位などの関連で一体化するにはどうしているのだろうか?。ましてや、Pismoまでは製品の筐体の大半が合成樹脂製で す。これも 何か秘密があるはずです。
 以上のように、P.T.Kはキーの作動変更と電気的関係の配線を含めて純正と互換性があるものの、完全に純正とは一致しないのです。考え方の相違は確か にありましょうが、純正の作動状況とニア・イコールとするにはどうすればいいか?。それは何か?。
 そう、それは純正キーボードの裏側にあるシールドのスリットです。

 私など、真空管アンプの自作を楽しみの一つにしている者にとってはよく解るのですが、最近は少しばかり流行らなくなりましたけれど、自動車のアーシン グ などでも同様に、電気的回路では片方がポジティブなら、片方はグランドとなる必要があるのです。
 日本ですとプラスから電気が出てマイナスで終わる。そのマイナスは筐体の金属部分に1〜数か所接続されているはずです。自動車のアーシングはマイナス部 分 を全てバッテリーのマイナスへ接続する。そうすると迷走する電気が少なくなる、といった考え方から出たものです。

 このことから考えられることは、「キーボードの電気的なものは純正キーボードにあるスリットを通してPismoの筐体と一体なる」ということになるので はないか。否、 そ うでならねばならない、とすべきです。

 この考え方にすっかり気を良くしたものですから、再び実験を行ってみました。
 まずは、純正キーボードのスリット部分をメンディングテープでカバーしたやってテストしたわけです。
 が、これがにじみが全く出ない。これには逆にびっくりしてしまったんです。一体何が作用したのか。とすると、もう一回の実験。再びP.T.Kに装着し変 え ることとしました。
 下の写真は左が純正。右がP.T.Kです。白い両面テープは旧タイプのヒートシンクの時、断熱ダンパーラバーを貼り付ける位置です。後期のヒートシンク はこれを装備できません。

 

 これまた影響がないんです。一体どうして?。何が影響しているのか?。またしても謎が深まりはじめました。

 しかしながら、何とかP.T.K装着時のキーボード周辺を境とした熱の逃げ場を確保する必要と、私の持論であるPismo全体としてのアースを確実にす る ために、純正と同じ位置のシールドをはぎ取ることとしました。
 tabキー下が30mm×9mm、スリットはスペースキー側から29mm、左のsiftキーから77mm、右のsiftキーから40mmの位置でスリッ ト幅を 4mm設定とします。



 この加工をしておよそ2時間程度操作してみます。若干ですが、パームレストの温度が低く感じ始めるはずです。その代わり、キーボードのヒートシンク側が わ ずかに熱を帯びてくるようになるはずです。
 その上にわずかですが、キーの作動がキビキビしたように感じ始めます。
 P.T.Kに対しての作業は一応は成功としたいと思います。


 その後(10月15日から)1週間あまり、Pismoを酷使し続けました。といっても、ウィークデーは毎日朝に1時間バッテリーで、夜は3時間程度通常 使用をして いました。10月21・22日は終日作動させ続けました。
 この文章を作ったり、ネットサーフィンに5時間、DVD再生に4時間などなど、Pismoにとっては結構使い続けた結果ではなかったか、と感じます。

 通電し始めて直ちには画面が若干暗い状況になっていましたが、それも輝度調整などをファンクションキーに戻してからの調整で十分名輝度を保つようになっ てきました。左右のスピーカー部分、ディスプレーカバーの取り付けビス部分にバックライトの光がスポット的に輝いていたものが無くなっています。私のモデ ルだけでしょうが、液晶の右下隅が一部めくれ上がった状況になっている以外、ディスプレーは非常に良好な発色です。
 ファンモーターは一向に回転する気配はありません。パームレストとキーボードの温度は一定しています。
 全ては良好になってきています。再びダメになることはあるでしょうけれど、10月末現在、変調は見受けられません。

 先のリボンケーブルの保護を第一の難題解決策、それにP.T.Kの改造でアース及びキーボードのヒートシンク化が加わったため結果が素晴らしく良くなっ た、と私は感じていますが、本当にそうであったかどうかは不明です。

 



inserted by FC2 system