P.T.K本当に最後の最後...ン?

 2006年に入ってすぐ、P.T.Kの良品を入手しました。純正 ASCII風に改造したP.T.Kより少し前のシリアルナンバーですが、内容としてはリボンケーブルのマーキングも同じものですから、大きな変化はないも のと考えます。

 純正ASCII風に改造して以来、熱の問題は殆どクリアーできていると感じています。ところが、タイピング時間とともに発熱が大きくなって来始めると、 少しばかりキーの組み合わせによる変換が、少しばかりおぼつかなくなって来始めました。もちろん、改造前に較べると出る回数は極端に少ないのですが、余計 に気がかりになってくるのわけです。
 が、どこといって不備があるわけでもないのです。しばらくアタマを冷やして、考えをまとめてみました。

 P.T.Kの作りから見てみますと、よく分かります。ここで、P.T.Kの初期製品を確認しますと、マザーボードへのコネクターリボンケーブルと、キー ボードから出ているそれとの接合がカシメになっているわけです。
 以前申し上げましたが、これはPismoの大部分に装着されている金属製のヒートシンクでは、キーボードの左下が大きく浮き上がりディススプレーを閉じ た場合に大きいダメージを与えかねない事態になってしまったんです。
 私も後で気づいたんですが、後期のヒートシンクなら、このままで装着可能、という事実から、製造メーカー(テックパーツ)は後期モデルのPismoを参 考にして00モデル(Pismo)用を作ったのではないか、としたところだったのでしょう。
 急遽、P.T.Kもカシメを止めて圧(接)着タイプに変更されました。
 が、これが少しばかり大きい問題をはらんでいたんですね。

 もう一度この点を検証したいと思います。

 私も初期製品を送り返して新製品と無料交換してもらったんです。が、送られてきたものはコネクターケーブル自体がキーボードに黒いテープで予め固定して あったんです。
 この裏には、もっと大きい問題をはらんでいたのではないか?、と考えたところです。
 それは、マザーボードとのコネクターの微妙なガタです。このガタをどうすることも出来ないまま、発売元のPower Labが無くなってしまうのですが... 。

 そうなんです、コネクターのガタ修正は純正のようにリボンケーブルをフリーにしては装着しても、ほんの少しのことでキーの取りこぼしが出るようになって くるのです。
 その最大の要因を極力少なくするためにコネクター部分のリボンケーブルをあらかじめキーボード本体に固定することによって防ぐことが出来る、と判断され ての処理と理解しました。

 もちろん、私が以前紹介したようにリボンケーブルをフリーにするにはリボンケーブルへの補強を加え、曲げの角度などを考慮しなくてはなりません。
 通常の装着はそんなことを考えずに、全く無頓着にP.T.Kを少し浮かせてコネクター部分を注意して合わせて装着し、コネクターの上を割り箸で押さえ、 うまく接続できたことを確認したら、パームレスト側から取り付けると、99%の確率で上手く行きます。
 残りの1パーセントはP.T.Kのリボンケーブルには予め曲げが取られていないために、凸凹(マザーボード・P.T.K)が上手く合わさらずに起きる装 着ミスです。
 この方法で接続できると、メモリーとかハードディスクの交換までは過不足無く使用できるはずです。
 つまり、400MHzの金属製ヒートシンク装着モデルで、毎日3時間程度の家庭での使用なら、説明書通りの装着方法で何ら問題ないことが解りました。
 しかし、G3の400MHzなら、しばらくは使用できるのですが、金属製のヒートシンクを装着した500MHzでは、おそらく何らかの熱暴走を起こすの ではないでしょうか。
 400MHzモデルでも、私のように10時間程度立ち上げたままにしてしまうような使い方をすると、熱暴走をし始めるのではないか、と考えるところで す。

 これらの状況から抜け出るための最良の方法は純正キーボードに戻すことです。おかしなことですが本当です。
 それでもP.T.Kを使用するのだ、というのであれば、後期モデルの樹脂製のヒートシンクと交換されることをお奨めします。
 が、DVDなどを鑑賞するようになると、500MHzモデルでは、これでも役不足となります。この場合は、どうしても私のようにキーボード自体をアーシ ングし、なおかつ、キーボードのヒートシンク化の改造を施さなくてはなりません。それに伴って、コネクターのリボンケーブルをフリー化しなければなりませ ん。

 ところが、冒頭申し上げたように、それでもキーの取りこぼしとかタイプミスが少し出るようになって参りました。

 あれだけやっているのに... 、と、しばらく、この疑問に対しての私なりの明確な回答を出せずにいました。その回答は、今回入手したP.T.Kの状態で判明しました。

Pismoの純正 ASCII(英語)キーボード
Power Typing Keyboard(P.T.K)のキーボード



 いかがでしょう。写真をごらんになって何か感じられませんか?。

 それは、純正のようにリボンケーブルの曲がりが直角ではなかったのです。直角部分はただ1か所、キーボードから出ている部分だけです。テーピングされた ところとコネクター部分は直角にはなっていません。
 どうして、そうなっているのか。
 後述しますが、リボンケーブルの出方が若干ねじれているのかもしれない。いや、それ以上に、P.T.Kにおいて、テーピングしてキーボードに取り付けら れているリボンケーブルは、純正のように直角に曲がっていない。つまり純正のリボンケーブルとは若干長さとかに違いがあるのではないか。
 加えて、最初から固定されているということは、コネクターにガタがあるためだ、ということは隔日になったようです。
 おそらく、前のオーナーも説明書通りに取り付けし、しばらく使用していると、私のようにキーの取りこぼしなどが発生したのではないか、などと想像をして しまいました。

 堂々巡りになりますが、P.T.Kを装着した後、発熱を第一原因として発生するであろう様々な問題に対しての処置をどうするかは、ヒートシンクを交換 し、この部分をフリー化し、なおかつ、アーシングとヒートシンク化のため、裏面のシートを純正のようにカットしなければならない、ということになるのでは ないでしょうか。
 それでも、キーの取りこぼしなどが少々発生する。一体なぜ?。

 簡単な理由でした。

 下の写真をご覧ください。

Pismoの純正 ASCII(英語)キーボード Power Typing Keyboard(P.T.K)のキーボード




 まずは、純正です。
 キーボードのベースにリボンケーブルが通っていますが、そのリボンケーブルを黒いテープで覆って、キーボードのベースとの接触によるキズ付きを保護して います。

 それに対して、P.T.Kはどうでしょう。
 ケーブルのベース自体の材質(純正はグリーンでP.T.Kはブラック)は異なるものの、全くのベア(裸)です。それに対してキーボードのベース板のス リットにも何ら保護対策は採られていません。
 幸いにも、ベースが固いP.T.Kのリボンテープのため、摺りきれるなどの問題にはならなかったのでしょうが、このキーボード側にあるベース板のリボン ケーブルが通る部分の直接加工はP.T.Kではできません。

 もう一点、アーシングとヒートシンク化の加工をしたP.T.Kについてですが、フリー化したリボンケーブルの元の固定テープが、その部分に一部かかって しまいます。一部であっても、純正が目指している方法に少しでも近づけるのがアマチュアというものです。

 私のPismoではヒートシンクの交換、それにP.T.Kのアーシングとヒートシンク化は既に終えていますから、今回はリボンケーブル部分を純正に近づ けることとします。

 用意するのは新聞折り込み広告の切れ端とブラックのカッティングシートです。それではやってみましょう。


 まずは折り込み広告をキーボードから出ているリボン(フラッ ト)ケーブルの スリットに合わせて少し長めにカットしたものを、スリットに滑り込ませます。わずかに2mm程度滑り込ませるのですが、紙がシワを掴むと 難しくなりますので、注意して滑り込ませます。
 ベース板にノッチがあることから、純正のように奥まで滑り込ませることは断念しました。

 次は滑り込ませた広告の紙を手前に折り曲げて、5mm程度の所 でカットします。

 カッティングシートを広告紙の上から貼って、保護します。

 若干のガタ防止のため、ダンパーラバーを外した部分にカッティングシートを3重程度貼り重ます。

 これで加工を終えます。

 この状態でほぼ1か月間使用してみましたが、遂におかしげなキーの取りこぼしなどは確認できませんでした。
 精密ドライバーを使用して、キーボードをロックして作業完了といたします。

 なぜ、これほどまでにP.T.Kを使用し続けるのか?。
 これには、2000年秋頃、「このキーボードをリリースする」というPower Labの発表からのつきあいから始まったように感じます。
 最初のモデルの交換から以来、ずっと愛用しながら、2台を使いつぶし、そのうち新品を購入しておかないと... 、と思った直後にPower Labが無くなった。そこから何とかしてベストな状態で使用し続けることを念頭に、中古を4台を購入し、報告をしてきました。
 2005年に、本当に最後の最後のレポートとしてはみたものの、やはり、今回のように問題が起き、それを改修する行為が続くもので、何とも自責の念に駆 られるところではあります。
 本年(2006年)にはintelチップ搭載のMacのリリースが濃厚です。そうなったときにPismoの使用を止めるときかな、とも考えていますが、 それでも、CPUもG4のカードに変更し、OS Xでもすこぶる快調です。
 ま、それ故の思いこみとしての手の入れようですから、私自身の思い入れとして、大きい問題などが出た場合は、再び報告したい、と思います。
 が、おそらくP.T.Kはこれが最後ではないだろうか、と考えている今日この頃です。




 
 

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