久々のPismo改善ユーティリティー
キーボードベースの補強

 再三にわたって、PismoのキータイピングでのO,Pのキー 入力のおかしい状況に終止符を打つときが来た。僕のような上から叩くキーボードタイプ人間には、このO,Pのキーが時として異常な日本語として表されるの を経験された方もいらっしゃるのではないだろうか。
 たとえば、"j-y-o-u-k-y-o-u"とタイプしたら「状況」となるのが通常であろうが、Pismoでは再三にわたってOのキーが押しっぱ なしの様相を呈し、「女王強」といったような変換結果を招く。ゆっくりタイプすると、「状況」となるのだが、興が乗ったりすると、ついつい速いキー操作に なってしまい、「女王強」になってしまうところであった。
 この原因究明のため、何度も本体の機構面、キーボードの状況も確認したが、どこも悪いところは見受けられないでいた。特にP.T.Kでは相当にこの現象 が起きていたので、どうしてだろうか、と感じていたところだった。
 最初の考察では、純正キーボードの裏面の保護シートの一部がカットされている。僕はこの部分によって、本体のフレーム部分とアースされているのではない か、と感じて いた。しかし、純正でもこのキーの押し続ける現象は生じていたので、この部分はそんなに影響がない、と考えざるを得なかった。(このスリットは熱で保 護シートの変形を防ぐための対策も兼ねているようだ。)

 実際はどうなんだ?。この原因が分からないまま、P.T.Kを使い続けてきたのだが、ある日、ちょうど2004年5月半ばだった。当初のおかしい変換を するので、P.T.Kを一度はずして... 、と思ったときであった。何気なくキートップを見つめていると「O,Pのキー部分が沈んでいる」ことを発見した。急遽、キートップ側へ向けてアルミのベー スを持ち上るようにして、ヒネリを加えて修正した。

 何だ何だ?、この部分のベースが来る内部は... 、あっ、そうか、ハードディスクとキーボードとの谷間部分になるんだ。それにステバンの無い部分も加わって、この部分が長年のキータイピングによって沈み 込んでしまい、結果としてキーの作動がおかしくなっておかしい変換をしていたのではないか?
 しからば、P.T.Kのままにして、ステバンのダンパーを左に寄せて使ってみると、これがダメ。今度は"I","O"のキーが余計に持ち上がってしま う。
 では一体何が原因か。P.T.Kでは判らない問題のため、まずは、純正のキーボードに戻してテストを繰り返す。

 当然、P.T.Kほどではないが、同じ症状が出てくる。P.T.Kの説明書にもあるとおり、deleteキー近辺のタイプを行うと若干沈み込む感じがし ないでもない。純正キー ボードの欠点とは言えない欠点が出ているようだ。特に初期の並行輸入物のASCII配列の英語キーボードではこの点が強調される。
 次にR.T.Kに付属しているステバンのクッション部分を取っ払っているものを装着してみる。deleteキー近辺のタイプの沈み込みが少なくなる。同 様にキータイピングのギクシャク感じは少ないように感じる。純正のキーボードには好適なステバンのようだ。ただし、この場合は白いラバーダンパーは取り去 ること。
 ウ〜ム、何だろうな?。キートップが沈み込んでいるのだが、少しばかりの時間経過とともに、欠点じみていたものが解ったように感じた。
 つまり、通常のステバンの高さ(+曲がり+板厚)がP.T.Kには必要がないのではないだろうか、ということだ。旧パワー・ラボでの自信作の P.T.K、付属品の中でも一番の売り、ステバンは不必要では... ?。
 思い切ってステバンを取り去った状態でP.T.Kを装着して、タイプを行ってみると... 、ア〜ラ不思議、見事に作動しだした。

 バカいってんじゃないよ。それじゃ、とばかり、P.T.Kのままで、ステバンからダンパーを取り去った状態で使用してみると、なかなか好ましい結果に なってきた。しかし、どうもマズイ。それは、左半分のキータイプと右半分のキータイプのタイピングの感触が大いに異なるのだ。
 すると、ハードディスクの上にはダンパーは必要か。ということにもなる。いや、違う違う。ステバン無しのタイプの方が気分がいいではないか。再びステバ ンをはずす。
 今度はどうだ、ウ〜ン、やはりこの状態が一番いいように感じる、が、何か落ち着かない。この不思議さは何だろうか?。言い方はおかしいが「正常なのにお かしい」といった状態であった。
 この状態でおかしい結果が出るのは、リターンキーを押したとき、確定前に変換をやり直すときにデリートキーなり、○○○ーと延ばす「ー」をタイプすると きな ど、他のキータイプに較べて少しばかり沈み込みが大きい気持ちになるところである。

 少し頭を冷やして、P.T.K 装着時の頃を思い出してみたい。
 途中交換されたが、Pismo用にプロトタイプ的なものがリリースされた頃、なかなかのものを感じていた。この頃はパームレスト部分に大きいリボンコネ クターが収まるため、確かにステバンの意義を感じていた。確実にキートップは液晶表面と接触していたのである。
 通常版としての完全にPismo対応品からはよくなったものの、ステバンはそのままの形で残された。もう一つの欠点はベースのアルミ板の弱さである。開 発時からこのこ とはキーの沈み込み=ストロークの深さとダンパーの強さ、それにトレー状にするための関係から出された厚さであった、と聞いている。
 このことからするとステバンは確かにP.T.Kの売りではあったように感じる。

 しかし、P.T.Kに付いているものの中で、僕が秀逸と感じたのはこの部分ではない。実はA,S,Dのキーの下についているラバークッショ ンだ。これが秀逸だ。もう一度キーボードがどのキーの位置で本体と一番強く当たっているのか、を確認する必要がある。現実にはR,T,Y, U,Iの部分がCPUカードの下になる。Q,W,Eの部分はAir Macが入るべく強固に本体が作られているようだし、左スピーカー手前にはバー状のスプリングプレートが設置されている。
 となれば、ハードディスク上のO,Pのキー部分の下側が一番空間が大きくなる部分、ということが解る。そのため、この空洞部分を埋めることが肝 心になるのではないだろうか。
 それゆえのステバン。でも、これはダメ。キーボードの右側を持ち上げて支えるだけでは解決策とはならない。そうすると... 。このギャップを埋めてやればいい。容量が多くなっても、今後厚いハードディスクは出てくることはない
 そして、キーボード全体を両手の掌で動かしてみると想像以上に動くことが分かると思う。これをグっと動かないようにすることも必要かな?、とも感じると ころだ。
 もちろん、今は無きPower Labの開発品だ。今さらとやかく言うことも無かろう。

 現実にシリコンダンパーでハードディスクの上に置くタイプのものは市場に存在した。けれども、これではハードディスクの熱を逃がす方法がない。これはマ ズイ方法になる。
 まずは、ハードディスクの通風を考え、なおかつ、キーボード全体を上手くホールドする方法を考えねばならない。その上にキーボードの補強を考える と... 。
 さんざん考えたあげく、おぼろげながら、桁をハードディスクのサポート間に渡せばいい、という結論を導き出した。

 ハードディスクからCPUカードのカバーの上までの高さを計測すると、およそ5mm内外。なぜ曖昧か、っていうと、ハードディスクのケースに凹凸がある ので、どの辺にスペーサーを持ってくるかで高さは異なる。僕の東芝のハードディスクなら、5mmで十分である。それより少しでも高くすると、ステバンを装 着したときと同じになる。これはマズイ。
 モノは割り箸を切ったヤツ。そいつをマスキングテープで纏めたものだ。たったこれだけでいいの?。
 そう、最初は僕もそう感じたが、結果から言うとこれで も十分。間もなく不思議な現象が起こる。すばらしい結果になってくる。タイプするときに全く不安定さが感じられない。リーターンキーを日本人のクセのよう に強く叩 いても全くびくともしない。"j-y-o-u-k-y-o-u"のタイピングも「状況」となる。何度打っても同じだ。
 ところが、今度は割り箸補強の装着場所が逆ではないか?と感じ始めた。それはそうだ。ハードディスクでキータイピングの強さを受け取るべきではない。少 なくともキー ボード側にダンパーを持って来るべきではないだろうか、という結論に達した。

 そこで、再び割り箸ダンパーをキーボード側に移す。
 この時にちょっとしたコツがある。それはハードディスク側に橋渡ししていたものを、90°移動して貼り付ける。
 ステバンを使わず、なおかつ効率よくハードディスクとキーボードのベースを埋める最も簡単な方法で、自然材を使用する。ハードディスクの通風を妨げな い、などを上げてダンパーを配置するにはどうするか?。実はこの方法を探すためにシドロモドロしたのである。



 ありゃりゃりゃりゃ〜、正解正解。逆転の発想なんて、こんなことに起因するんだろう な、と感じられた。第一に良くなったのはキーボードが強くなったこと である。
 「こんな簡単なことがワカランのか、バカタレ〜!」という声が聞こえそうだが、この方法がいい。これをダンパーラバーに交換するともっと良くなるのでは ないか、と思われるだろうが、強度上からも、この木材の方が好ましい。今回は割り箸を使用したが、本来は桐板が好適だろう。D I Y店ならバルサ材が入手できるが、これはソフトすぎる。ハードバルサならいいが、一般にはミディアムからソフトクラスだから。もし加工技術があれば、高級 な杉の割り箸を加工されるといいかもしれない。
 P.T.Kとつきあい始めて相当な時間が経過した。パワーロジック社では900MHzのG4カードをリリースするまでになっている。合成樹脂と曲線でデ ザインしたPowerBookは今後出ない、とまで言われている。IOポートなどすべて今のG4と同じである。それゆえ、多くの愛用者が居るのであろう。 僕自体は今のG4はそんなにイイカッコとは思わない。そう、性能が良くっても購入する気にならないんだ。

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