PowerBook G3用のキーボードP.T.K

 僕の持っているのはPowerBook G3の2000年モデル、通称ピズモっていうモデルだ。今のところ、いわゆる最後の合成樹脂筐体を使用したモデルである。この筐体のディザインになったときから欲しい、と感じていたが、相変わらずの頻繁なモデルチェンジに加え、キカイの発熱に対しての不安から購入を見合わせていた。このモデルの最後の最後になって、ようやくいいもの(2000年モデル)がリリースされた、と現物の確認もできたんで、久々に購入を考えていたところだ。
 が、内容は帯に短し襷に長し、メモリー、ハードディスクなど、僕の希望のもので増設などすれば、とてつもない金額になってくる。昨年(2000年)の夏、Power Labから、このPowerBookのBTOをやるのでいかがですか?、との通知を受け、仲間と財布と相談して購入を決定した。そういえば、ここはPowerBook 5300でお世話になったし、古くはPlus YuでSE/30を購入してからのおつきあいだ。このPowerBook 400は購入直後に起動しなくなり、原因がメモリーということで、返送、再調整などをやったが、それ以来、全く故障知らずで我が家のメインになって活躍してくれている。
 Macの初期から使っているので、どうしてもキーボードのJIS配列とひらがな表記が嫌で、このPowerBookにも英語のキーボードを装着していた。最初の頃はなかなか快調な動きをしていたが、Duoのときと同じく、何となくグニャっとした感覚がずいぶんと出て来始めたし、SONYのVAIOのキーボードなどを知ると、この英語キーボードでも少々マズイ感じが多く出始めた。特にキートップの使い馴染みによるグラつきは時としてとんでもないほど隣のキーをたたくときが出始める。特に一杯引っかけた時、メールの返送など、いい気分でタイプしていると、これが起きるものだから、その修正にかかる時間が多くて思いついた文章も忘れて、まどろっこしさに少々閉口してしまう場合がずいぶんと出始めた。
 ちょうどその頃、G3 PowerBook用にPower Labでスペシャルキーボード、しかもグラファイトカラーを出す、というので、値段のことは省みずに発注してしまった。ことキーボードに関しては、PowerBook 150の初期と後期モデルの違いでずいぶん差があることを確認していたし、5300csの経験からASCII配列だけは譲れない、と決めていたにもかかわらず、Duo 2300cでは英語キーボードでもタイプによっては違いがあるなど、どれがどう、と決定することもなく、キーボードはそのままにしていた。PowerBook 2400を購入せず、後になってG3のカードが出たり、Power Labのキーボードが出たりしたこともあって、PowerBookのキーボードに関してはずいぶんと検討の余地を残したままで現在に至っている。
 もっとも、PowerBook 2400の最後の240MHzを購入していれば、今回のP.T.Kの場合とは感覚は少々変わっていたかもしれないが... 。

 PowerBook G3のP.T.Kキーボードを発注したはよかったが、一向にウンともスンとも連絡がない。昨年末の通知からは、「発売が遅れます」の通知ばかり。いい加減アタマに来そうになったのだが、届けられるメールの中に「テックパーツ」「台湾の工場」の一文を見つけ、「期間が長くなっても、こいつは待たなければならない」と感じた。
 理由は簡単、評判のいいPowerBook 1400もNewtonもいずれも台湾製だし、テックパーツのリプレースADBキーボードはなかなかの使い心地だったからだ。
 年末から発売日の修正通知まで、時とともにP.T.Kの開発スタッフから送られてくるメールを読んでいると、最終の詰めに相当苦慮していらっしゃる様子が感じられて、設計段階と現物とのギャップはどうしても一致しない現実がよく理解できた。その上、本当に最後の最後で少しばかりコケタ一件など、国民性の違いなども垣間見らて、ようやく製品化に漕ぎ着けた、という感じを受けた。
 発注して5か月後、2001年4月10日夕刻、ペリカン便でようやくP.T.Kが我が家に届いた。以下はPowerBookに装着して、Power Labに送った最初のレポートだ。

 夕刻、PowerLabよりオリジナルのPowerBook用のP.T.Kキーボードが届きました。実に5か月間の待ちぼうけだったのですが、そういったことを含め、ダイオードの色とかは全くアタマの中から消えてしまいました。それほど、箱から出したキーボード自体の「グニャグニャ感はあるがしっかりしている感じ」に最初びっくりした次第です。
 早速装着したのですが、使ってみると、これがすさまじい!。どういった表現をすればいいのか分からないのですが、PowerBook(G3の400MHz-2000モデル)そのものが一つグレードが上がったように感じられてならないのです。こういったことを書くとホントカイナ?、と思われるのですが、分からない方に、これを文章で表現するのは非常な困難がつきまとうのと同じく、どういった総合評価をするか、文字にして表現するのは難しいのです。それほどの出来、と思っていただいて結構です。僕はそう確信します。
 本当に、よくぞここまで纏め上げたものだ、と感心せざるを得ません。まるで、G3 PowerBookに、このキーボードが最初から装着されていたような感覚を感じるのです。僕のはPowerLabのBTOだから一層そう感じるのかもわかりませんが。
 とにかく、キータッチなど純正とは比べものにならないほどなんです。しっかりしているとか、ストロークが云々の範囲を遙かに超えている、といっても過言ではありません。いくら酔っぱらっていても、キーボードをたたくと、キーの取りこぼしとかミスタッチが激減する予感がします。この文章も一杯やった後でタイプしてますが(爆)。
 不思議なことですけど、自分の文章が今まで以上に優れたものに感じたりもしてしまうのです。まことにすばらしいキーボードです。
 今回の最初のリリース分はかなり苦労された由、そのことは嫌というほど感じています。スタッフの皆様方の本当に産みの苦しみを察するのです。これほどすばらしいものなのですから、しばらく後、再度もう一基購入しておきたい、と感じてしまいました。それほどキーボード自体の持つ全てがすばらしいのです。
 何度も言いますが、こればかりは、どうしても使用した者でないと「表現を理解してくれ!」とは言えない世界。これを無理強いするのは逆効果ですから、この程度にとどめて置きます(それでも長い)が... 。
 ASCII配列に慣れていらっしてローマ字入力をされている方で、PowerBook G3をお持ちの方なら、絶対に購入すべきアイテムのように感じます。
 スタッフのみなさんの苦労をお察しいたしますとともに、早い内から予約して、待つ価値は十分でしたし、これは間違いなくお勧め品であることを申し上げまして、感想といたします。
 今後ともよりよいオリジナルアイテムの開発をお願いいたします。本当にすばらしいものありがとうございました。
 
 が、問題点がないわけでもない。このことに対しては、別の項で報告したい。
 いずれにしろ、待った甲斐ががあった製品であることには違いない。

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