P.T.K2000年モデルについて(個人的小改修)

 P.T.Kキーボードを取り付け、数週間後に不具合が出始め、その対処方法について気付いた点を記載します。いずれも、PowerBook 2000年モデル用のものです。

P.T.Kについて
 本製品到着後、直ちに取り付けを行い正常に作動しましたから、取り付けそのものに対しては異常がないわけです。冒頭申しましたが、使用開始数週間後に、コマンド+スペースキーで英語/日本語の変換が出来ない点など、どこがどうなっているか?を純正の英語キーボードと比較して、ここではないか?、と思われるか所に私なりの小改修を行ってみることとしました。
 あくまで私の手元に届けられた最初期ロットの'00モデル用のP.T.Kの状況に対してのレポートです。全てのものがこのレポートのようになっているわけではありません。その点、お含み置きください。
◆ 私はコレクター的考えで、この製品を保存したい、と考えていますので、レポートの中に出てくるような不具合があれば、レポートと同じような方法で手を入れられるのではなく、まず、Power Labへ連絡を取っていただきますよう、強く申し上げます。


※ このレポートを読んで、下記のことを行った場合は改造になります。その際、いかなる状況になっても責任はご自身でお持ちいただくようお願いします。


 まずは、マザーボードへの接続部分から見てみます。

リボンケーブルについて

キーボードの接続状態
 取り付けに間違いがなく、快調だったのですが、しばらくすると、キーの取りこぼしとか、無感知状態が出始めました。特にコマンドキー+スペースキーで英語/日本語の切り替えが出来なくなってきました。
 また、状況はまちまちですが、総じて2時間程度使用していて、少し熱を持ってくると出てくる現象、のようにも感じました。


行った対処方法 
 まず、コネクター、リボンケーブルの取り付け自体は修正のしようがありません。したがって、全体をとおして、よりよい状態に持っていくことを目標とします。
 参考として、純正キーボードを用意して、これを見本とします。

■リボンケーブルの加工
1.理由はともかく、マザーボードへのコネクターにグラエポ(グラエポ=グラスエポキシ、ここでは接続コネクターに付いているもの)のヒンジ部分のリボンケーブルをほぼ直角にクセづけます。
 (ここの曲げ方にも少し工夫があり、グラエポのヒンジ部分からダイレクトに曲げるのではなく、その少し手前から曲げる必要があります。急激に曲げると、ケーブルの内部配線が崩壊する恐れがあるのはご存知のとおりです。)
2.同様の方法で、キーボードから出ている側もRを付けて、かなりの角度で曲げて、クセを付けします。この場合も丸い箸のようなものを挟んで曲げる方がいいようです。
3.次にキーボードとリボンケーブルを接続している部分の黒い合成樹脂シールドを指、爪で軽くしごいて、内部のコネクター状のものを浮かび上がるようにします。

コネクターの補強
 マザーボードへのコネクターの純正との違いは、材質と上面のグラエポのヒンジ部分とのハンダによる補強の違いです。
 純正では、この部分は凹が付けてあり、この部分に金メッキのラインが入るようになっていますが、P.T.Kではこれが一列で配置されているに過ぎません。
 この部分の補強のみ、ということになると、コネクターを交換する以外になく、これは出来ないことですので断念するとして、コネクターのサイド部分のみの補強の止めます。
 いずれにしても拡大鏡(ルーペ)の下での作業になってしまいますので、一般的ではありませんが、今回ばかりは細かなところでの作業ですから致し方ありません。
 補強の苦肉の策として、0.5mm厚のプラスチック板をコネクターの高さに小さく切り、セメダインスーパーXで貼り付け、左右に出たものを切り取ります。この程度の補強にとどめます。これ以上は難しいようです。
 ほとんどの材質を接着できて、弾力をもってそのままを維持する接着剤はセメダインスーパーXではないでしょうか。

●グラエポサポートのグラツキ修正
 これはガタの多いコネクター部分に起きる問題に付随しての処置ですが、グラエポサポートの裏側に厚紙と0.5mmのプラスチック板で、フレーム部分との隙間を調整します。ここは両面テープを使用しました。
                  
グラエポサポートの高さ修正
 コネクターを接着しているグラエポの基盤がありますが、この高さが若干高いように思います。
 ペーパーを当て木に巻いて、すこしずつ削ります。当て木をしなければ丸い形になって、一層不安定になるので注意が必要です。
 削るのは、サポート板にリボンケーブルをハンダ付けしてあるところまでで十分です。それ以上やると、ショートの原因になるので、やはりルーペを片手に根気よくペーパーがけを行うことです。
 削りかすを十分に吹き飛ばします。

耐熱ラバースポンジの修正
 この部分が一部ヒートシンクからはずれますので、リボンケーブルのコネクター側を5mmの幅ぐらいでカットしてやると、メモリー装着部分のカバーに干渉しなくなるようです。

■シールドされたコネクター部分の修正
 マザーボードとのコネクター部分は一定取り付いている、という状態で、キーボードのヒンジをはずして数回筐体から浮き上げている間に、キーの作動不良が起こる可能性が出てきます。
 先に記しましたが、シールドされた部分の上から、コネクターの中央部分を両手の親指、人差し指で強く摘んで、平らになるようにしてみます。
 (後で気付いたのですが、意外とこの部分が不調の要因ではないか、と思われます。)

考 察

キーボードの取り付けについて

◎リボンケーブルの材質が厚いために、フラットなままで装着すると、その時の曲げられたクセの状態によっては、左shiftキー側にリボンケーブルが引き寄せられるようになるのではないでしょうか。
 この面から考えると、逆の方向である B N M ,  . のキー側にも動くことになり、コネクター部分への負担が大きくなるような気がしてなりません。コネクターが少し大きいと感じることから、この作用が助長されるようにも思います。
◎先に記したように、P.T.Kではこのシールドされたリボンケーブル同士の接続コネクター部分がヒートシンクの上(ちょうどプリントケーブルとともに収まる部分)に来ます。そのヒートシンクの熱により、コネクターが影響しているようにも思いました。
◎耐熱スポンジラバーの厚さはジャストフィットですが、このシールドされたコネクター部分の厚さがあり、ヒートシンク上に収まる窪み部分が浅いために、SDFと、下の列のZXCVのキーが若干浮き上がって取り付くのではないでしょうか。

 キー入力の不具合に対処したことから問題点を纏めてみますと、

が考えられました。

矢印(カーソル)キーの不具合について
 次に、矢印キーの件ですが、純正に比べて、ダイレクトにDVD-ROMドライブにキーボードのベースが接触するため、動きに対しては安心なのですが、残念なことに、他の文字キーより強く押さなければなりません。
 目を凝らしてP.T.Kを水平にしてよく見ていただければ分かると思いますが、左、下、右のキーがほんのわずか他のキーより低いのです。特性上からだけかもしれませんが、この部分のキーボード側のベースをわずかにひねっても、位置決めのヒンジ部分がピシッと入ると、どうしても低くなります。
 わずかに指を寝かせてタイプするようにすれば済むことですが、上矢印キーの両側にある動かないキースぺーサーの厚さを高くするとかの方法を採っていただきたい、と感じます。このスぺーサーは他のキーに比べても、純正に比べても特に低いようです。
 精密ドライバーをパンタグラフ部分に挿入して、パームレスト側をひねって浮き上がらせてやるようにすると上手く行く場合があります。

その他
 万一の場合かも分かりませんが、キーセンターの接触棒が短いために導通部分を押し下げ切らない場合があるのではないか、とも考えられます。あるいは、何らかのことで接点部分に膜が張られた状態になっていたのかも分かりません。この場合は、特に電卓、テレビのリモコンと同じように、接点部分の清掃でかなり改善が出来るところもあります。
 当方の場合はこの部分の清掃を行いました。コネクター部分も例外ではありません。万一のときかも分かりませんが。接点復活材ではなく、導通を完全にし、効果を持続する接点安定剤を使用すべきだろう、と思います。
 
numlockのインジケーター部分 
 マイナスドライバーでキーボードをロックするnumlockのインジケーター兼用部分の不具合も見られます。単純に作動部分の回転がシブク、作動しない状況ではないでしょうか。そのために無理をするとランプに干渉し、カバーがはずれます。
 当方の場合は無理に回転させようとしたので、この部分を一部壊しましたが、取り付け部分、特にトップのマイナスドライバー溝の幅は、もう少し余裕を持たせてもいいように思います。もっとも、純正でもこの部分は難点があって、僕のように「溝をなめる」ミスをする方も多いのではないでしょうか。また、ここのロック方法はP.T.Kの取扱説明書にも記載をすべきではないか、と思います。


 P.T.Kは当初装着した時から好調で、気分は全く変わっていません。文字のタイピングが非常に楽しくって、モンクの付けようがありません。よくぞ販売まで漕ぎ着けていただいた、と今でも感謝しているくらいです。
 キーのカラー自体も全く違和感がありません。仲間内にタイプさせても、同様の感想を漏らします。
 今回の私の行った個人的改修は、キーボードそのものの根幹に関わるパーツの精度の問題で、結果として最悪の場合、キーボード1台を壊してしまう結果が待っています。
 発売元のPower Labも大変な苦労をしての発売、というレポートを受け取っています。ロットが変わる毎に部分改修はされると思いますが、初期不良に対しては、やはり発売元としては気遣うものが多いのでは、と感じました。
 いずれにしても、このキーボードでどれだけタイピングが助かっているか、それほど素晴らしいキーボード、と確信しています。
 
 今回の修正で快調に作動し始めましたので、一応このままでしばらく使用してみます。6月以降、Power Labに入荷しているのが次のロットということなら、もう一台購入して違いなりを確認してみたい、と考えます。ただし、違いについて、今回のような「ここがこのようになっている」などのレポートは避けます。
 何度も言いますが、PowerBook G3('98、'99、'00モデル)を持っていらっしゃる方は、ぜひ使用していただきたい、と思います。

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