再びT.P.Kについて

 PowerBook 2000年用に装着して、毎日快調に作動しているP.T.K(以下PTK)ですが、二世代(と思う対作品)が、最近になって[ I ]・[ O ]のキーがおかしい、つまり二度押しになる感じが頻繁に発生し始めたからです。タイプする速度を少し緩めると、これが治るんです。ついつい気が乗って打ち続けると、文章の途中で起きるものだから、ついつい嫌気がさしてくるようになって来始めるのです。ここでもそうです。「... 気は辞意目留野です」になるわけです。タイプは「ki-ha-ji(i)-me-ru-no-de-su」になっている。英語版では、あらゆる強さ、速さで、いくらタイプしてもkihajimerunodesuとなる。不思議な現象が出てくるわけです。

 当初は、コネクター部分の影響か、と思って、ルーペで拡大して見ましたがどうも違う。僕はキーそのものをよく使うからキーの動きは柔らかくなってきますが、ダンパー(リターン)のラバーは、これぐらいのことでは変化しないはずなんですね。[O]キーの隣の[P]キーのトップをはずして(ここでも「ha-zu-si(i)-te はずしいて」になって)確認してみます。どうやら、キーを押し下げて戻るときに振動か何かでパンタグラフの戻りが悪い、あるいは、何かがひっかかって、ダンパーのラバーが一部戻らない、ということが考えられるのではないだろうか。あるいは、接点部分の反応が遅いのではないか、と推測できました。
 蛇足ですが、キートップを外して、指で直接キーを作動させると間違いなく作動するのです。このことがどういったことに関連づけられるのかは不明です。
 僕は結構キーを強く叩きます。本来は押し下げる動作を主としなければならないのでしょうけど、どうしても叩くという動作はパームレスト側にスラントしない今のPowerBookでは致し方のない動作かもしれません。特にキーを使うこと(テキストエディタ、ワープロなどのソフト)が多い場合とか、デスクトップモデルのキーボードの叩きグセが抜けない方々では避けて通れないことではないでしょうか。

 内部に目を向けてみると、PTKに附属している通称ステバンのダンパーから一段下がったところに、この[P]、[O]のキーが位置するためではないだろうかとも思えてきます。
 そこで、ステバンに取り付けられているフィルムダンパーを最初の製品のようにdeleteキーの側に移動させて使ってみ見ることにしました。しかし、あまり右に寄せるとキーボードそのものが少々湾曲する感じがしないでもないので、このことに対してはステバンのダンパーを元(右側)の穴の一部が隠れるぐらいの距離にする方がいいかもしれません。ダンパーラバーは何度でも張り替えができます。
 もう一点注意することがあります。それは、いつものとおり、コネクター部分に不正確さが出る点です。僕として、こればかりはPTKの最大の欠点と思われてはばかりない、と感じています。この部分の確実性を増すために、コネクターの背面のグラエポ基盤にスペーサーの紙を貼り付けてみました。ガタはかなり減り、いい状態でマザーボードとフィットできます。しかし、[I]・[O]、特に[I]のキーの二度打ちは改善されません。

 再度、純正英語版キーボードを装着して、キーをいつもどおり打つと、意外なことに気付きました。それは純正の英語版キーボード全体の揺れが、PTKに比べて少ないことです。不思議なことですが、PTKと取り付け位置などほとんど変わらないのに、パームレスト側のノッチなどが丈夫です。
 それに、パームレスト側からキートップに目線を合わせて見てみると中、若干中央部が盛り上がっている。こういった日本建築にも似たような、力の加わる配分を微妙に分散させているところがあるのかもしれません。
 ベースのアルミの材質そのものが丈夫な素材ではないでしょうか。僕もオートバイをさわる関係で、アルミの材質を検討するのですが、PTK開発レポートではベースのアルミ板そのものの材質名称のことまでは報告されていません。
 先に記したように、PTKではマザーボードとのコネクター部分、特にキーボードに対しての左右方向に配された端子の固定の仕方がアマイようです。キーボードの上下、コネクターの長手方向のガタは許されるのですが、左右の短い方向のガタは接触不良を起こすのは疑いようがありません。
 特にマザーボード側の受け(凸部分)はスリットの中に端子が配置されているため、キーボードから出ているコネクターの金メッキ配線材の太さが確実に凸のスリットに入らなければならない、と僕の目には見えました。
 この点は純正のキーボードのコネクターの上部をルーペで見れば、端子の延長である金メッキ線の固定方法がどういった状況になっているのか理解できると思います。

 こういったところが、最初にPowerLabで交換していただいたPTKで、最近で始めた症状から気付いて推測した項目です。最初期のモデルは少しばかり状況が異なるので、前回申したとおり、「ここがこのように変更されている」という記載は避けた。今回もその方向は変わりません。

 最初期のモデルから交換されたものに変更して、およそ5か月、毎日のように気分良くタイプしていましたが、冒頭に記した症状が出てきて、内部アクセスも確認した上で、結果が変わらないとなると、アマチュアの僕の手ではどうしようもありません。この時点で、PowerLabさんへ電話を入れました。電話でPTKがキーを二度打ちする状況など話しした後、PowerLabさんの方より、気持ちよく「おかしい状態をメモにしたものを入れて送ってください」という返答を得て、早速、2001年10月18日にペリカン便で送りました。

 三日後、ペリカン便でPowerLabさんから現品が到着。直ちに開封。「アーッ!、これは... 」
 パッケージにもステッカーで機種の種類が貼付してあり、本体もどことなく違います。シゲシゲと見回すのですが、「どことなく違う」という直感でしかありません。本当にどことなく違う。その違いが全く分からないのですが「違う」のです。むしろ、かなり違うように感じました。コピーだった解説書も印刷になっています。
 キーボードの裏のシリアルナンバーを見て愕然としました。以前のモノから1000番以上も進んでいるんですから。

 いつものように、ステバンを置いて、コネクターの部分をねらいを定めて接続。あれ?、コネクターがいつもより接続が硬いというか、接続の感じがいいのです。ここも改修されているかな?、と感じました。
 が、送られたキーボードをそのままで装着しようとしても、今回はキートップが水平になりません。

■最初に交換されたモデルからリボンケーブルがキーボードに固定されていますから、装着はコネクター部分にねらいを定めて、もしも指が入らなければ、割り箸とかの非金属のものでコネクターの両端を押さえて装着し、キーボード滑らせるように、少しだけズラせてパームレスト側のノッチを合わせてから取り付けなければなりません。

■必ず、コネクターの押さえに使用するものは非金属のものに限ります。そして、コネクター両端の合成樹脂の部分を押さえることが肝心です。もし、接点延長の金メッキ配線材の部分を押さえつけるとどうなるか?は先に記した状況から判断できる、と思います。ここの取り付けに少しばかりコツがいりますが、あわてずに行い、確実性を出しておくことです。

 そのために、一度取り付けて、キーボードがほぼ水平になるかどうかの確認が必要です。特にステバンの上に来るdeleteキーの付近が盛り上がるのではないでしょうか。
 もしもそのようになっていれば、注意してコネクター部分をはずし、数回仮組みをしてみて、取り付けることをお勧めします。

 僕の場合は、こういった(ステバン側が盛り上がる)状態だったので、一度取り外してガラス板にキーボードを置いて、前後左右の曲がりを確認し、コネクターを接続させずに数回に渡って仮組みし、曲がりを付けたり戻したりして修正した後、取り付けを完了しました。

 文章で記載すると仰々しく感じるのですが、アルミのベースが比較的フレキシブルなので、力をあまり加えてクセ付けする必要は一切ありません。力を入れすぎると、キーボードそのものが完全にダメになります。

 取り付けてみて、パームレスト側のノッチがずいぶんと丈夫になっているし、どうやら、ベースにも改善が加えられているのかもしれない、と感じました。
 取り付け完了後、どことなくキーボードの全体像が以前と比べて違う事に気づきます。僕の目がおかしいのか、と思ったのですが、どうやらそうではなさそうです。その証拠は少々見づらいですが写真のとおりです。つまり、パームレスト側にキーが列毎にスラントしているのです。先ほど記したコネクター部分の改善、ベースの材質改善とこのキーボードのスラント装着のことを、担当のPowerLab藤田さんに問うてみたが、何ともおっしゃりませんでした。
 あくまで僕の推測の範囲だけかもしれませんが、確実に変わっている、と確信します。

   
 やおら、キーを叩き始めます。2001年10月20日の日記から始まって、打つわ打つわ。一瞬なりとも今回はキーボードそのものが揺れることがありません。キーの作動そのものは初日ということもあって、まだまだ馴染まないのですが、数日のうちにこれも作動がなめらかになって来るはずです。
 何か全然不安がないし、今回は真に最初の頃の拡張Apple I キーボードをタイプしているような感じになってきます。何ともいえません。こればかりはフィーリングの世界ですから、とやかく言えませんが、真にタイピング自体が楽しいのであす。この感覚はPTKの最初期モデルから全く変わっていません。何かしらPowerLabが目指した執念のようなものを感じてしまいます。
 それにしてもスゴイ!

 僕はこのキーボードのプロジェクトから「これだ」と思って、ずっとおつきあいしているし、最初の製品を装着して以来、実際のところ、PTKを使用していると、たとえASCII配列の英語版純正のキーボードにも戻したくないとお感じます。
 これもPTKの最初期モデルから感じているが、「タイピングが楽しい=文章などが上手になる」ような感じがしてならないのです。このことは、これまでPTKに関して僕のホームページにも掲載しているとおりです。
 今後、どういったことになるかは分かりませんが、しばらく後に異変があれば、まずはPowerLabさんへ報告して... 、いや、今度の製品は大丈夫だろう、と思いますが... 。

 PowerLabさんの好意に感謝しつつ、いつも言うとおり、特に初期モデルのPTKを使用の方で、使用していて少しでもおかしいところがあれば、ぜひ、PowerLabさんへ連絡を取っていただきたいと思います。

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