P.T.K の使用を諦める

 今は無きPower Labの開発した Power Typing Keyboard 、開発当初の頃から予約を入れ、ちょこっとモンクも言ったりしながら、結局、スタンダードと透明のモデルの2台を購入し使ってきた。現在では、パーツ取 り用と動体保存用に合計4台が手元にある。
 これまでの使用状況は別項で数回にわたって記載しているとおりだ。
 2004年に入って、別に紹介したキーのおかしな動きが増長されてきたのに気づき、5月の半ば、純正のASCII配列(Appleで修理の折に交換され た正規物) に交換し、補強を加えたところ、あまりの「しっかりさ」に気づいた。これまで使用していない通常タイプ(ブラッククリアー)のP.T.Kを使用して確認を したところ、やはり 同様の結果を生じて、純正英語キーボードに変更したところである。

 結局の所、P.T.Kは何であったのか?。この問題は明確な判断は下せないままでいる。特にPismo用はcaps lockキーのLEDにブルーが使えなかったことから始まって、最初期型のリボンコネクターの応急的と思える処置、通常版のリボンコネクターのキーボード への固定の不確実さと、ロジッ クボードへの取り付けコ ネクター部分のサポート板のホルダー溝の幅不足によるリボンケーブルの折損など、結構大きい問題を持っていた。
 が、いざ使ってみると、このキーボードのタイピング感触はなかなかのものを持っていたのは事実だ。ことさら、叩くようなタイピングの僕にとっては、こ のキーボードはなかなかのフィーリングを持っていた。ところが、ほぼ毎日の使用で1年以上も過ぎるとキータッチがフニャリとするようになってくる。加え て、"j-y- o-u-k-y-o-u" のキータイプが「女王強」となるなどの症状が出てくる。
 この原因はどうやら、ベースのアルミの板厚がトレー状の加工で薄いためと分かり、割り箸で補強を加えて使っていた。
 実際に、製品自体もキーストロークをある程度 しっかりしたフィーリングにするためには、どうしても、ダン パーを長くしないとならないし、パンタグラフの作動範囲(高さ)も変わってくる。それに伴う処置として、ベース板を薄くしてトレー(皿)状に加工して、な おかつ、本体側へギリギリ下げてなければな らなかったことが報告されている。
 これは致し方のないところだが、残念ながら P.T.K ではこの部分に補強ステーなどを入れることはなかった。

 このようなところから、使い込む期間が長くなればなるほどタイプフィーリングが劣ってくる、と感じられるため使用を断念したところだ。もちろん、僕の使 用頻度とタイピング時の指先に加わる 力の入れ加減などが人様より強かった、というこ とも、タイプフィーリングを劣ったものにしてしまう要因であったかもしれない。
 P.T.K がもう少し改善されて出ていたら、と感じるが、開発会社が存在しない今となっては何も言えない。
 以下、何にもならないだろうが、Pismo用P.T.K の目立った仕様の変更点を紹介しておく。

1.当初のモデル

 テープを剥がした写真のか所が、 '99 モデルの流用と思しきリボンケーブルのコネクター部分である。若干無骨だが、通常タイプの(両面テープ状)接着による貼り付け法式よりは、確実に接続でき ていた。
 通常タイプの黒いテープを剥がせば、リベット止め用の穴が開いているので直ぐに判る。屈曲部が二重構造になっていることから、この法式のまま出した方が 良かったのかもしれない。
 ただし、この方法ではヒートシンクとの間隙以上に厚さが増すため、キーボードは絶対に水平に取り付けできないし、コネクターのガタが大きく、I・O・ P、J・K・Lの取りこぼしがずいぶんとあったようだ。
 後にリボンケーブルの補強が無くなる。これはステッ カーが緑色になるので確認が取れる。

2.通常モデル

 本文中にも記載しているが、この部分がテーピングされているの で、マザーボードのコネクター接続時にリボンケーブルがねじ曲げられる。
 純正キーボードと同じく、リボンケーブ ル止めのテープを剥がして使うのも可能だが、キーの取りこぼしが出る場合がなきにしもあらず。
 想像だが、依然としてマザーボードとのコネクターのガタが大きいため、本体へのテーピングは位置固定のため重要ファクターだったのかもしれない。
 できれば、コネクター部分のグラ・エポのサポート板もヤスリで拡大し、リボンケーブルの当たる部分をメンディングテープで補強すること。
 加工しなければ、おそらくリボンケーブルがグラ・エポの切り込みに入りきらない。テープ固定とのからみもあって、リボンケーブルの折損はこの部分が関 与して起きることになる。

3.リボンケーブルのテーピング

 写真が少しぶれていて申 し訳ないが、左がP.T.Kのマザー ボード へ接続するリボンケーブルを本体にテープ止めしている通常の製品である。純正品のようにテーピングしていない右が初期型だ。
 上の表で説明しているとおり、リボンケーブルのテープによる位置固定は、コネクターを若干キーボードの左へ寄せることを目的にしている。このことを十分 に認識しておかれるよ う。
 脱着を何度も繰り返すと、リボンケー ブルが切れてパターンが断線することがあるからだ。リボンケーブルは純正よりフレキシブルさが劣る。

 幸運にもP.T.K の使用頻度の少ない中古が入手できれば、この方法で対処されるといいのではないだろうか。
 キートップのテカリとかは除いて、(別項で記載している)ハードディスクの谷間部分に補強を加え、ステバンをはずして使用されると、かなりの確立で使用 期間が増すし、タイピン グの秀逸さが解るはずである。
 しかしながら、僕の場合、毎日2時間程度タイプして、およそ2年で「女王強」の状態に陥ったし、ダンパーがヤワになって来始める。同様にベースのアルミ がイカレ テ来始めるようだ。(ステバンと補強については別項で説明しているとおり。)
な ど、けっこう欠点も 持ち合わせてはいる。あらためて純正と比べてみると、P.T.Kの製品としてのグレードは、それほどでもなかったのだ、ということに気付く。
 いずれにしても、根本はP.T.Kの開発時期からして、 Pismoの発売当初の並行輸入版のASCII配列のキーボードと同じフィーリングになってしまうため、これは致し方ないものであろうし、キーボード自体 の仕上げは後期モデルのASCII配列キーボードに軍配が上がるのは確実なところであろう。
 2001年3月から3年3か月、2004年6月末の今、P.T.Kの使用を中止した。

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