最初にお断りして置くが、P.T.K(以下PTK)をPowerBook
G3 '00モデルで快調に使用されている方には、本報告は該当しない。また、僕の場合のようなことが起こっていれば、本体をまず疑ってみられ、それなりの処置を専門ショップを通して検討していただきたい。AppleではPTK装着での修理は受け付けない、と思われる。
あくまで、PTKそのものの行き方は間違っていない。 |
2000年のプロジェクトからおよそ2年間が経過した。PowerBook
G4 用は出現していない。そのために、本プロジェクトは消えていてしかるべきではなかったか、と今になって考えるが、PTKもクラムシェル筐体の最初のiBook用もリリースされていることから、実際はかなりこの筐体に入れ込んでいらっしゃる方々が多いように感じる。
また、1999年までのブロンズキーボードのモデルにはG4のCPUのアップグレードがサードパーティーで施されていることからも分かる。
もちろん、多くの方々はJIS配列のキーボードを使用されているかもしれない。しかし、長年ASCII配列に親しんでいると、出鱈目(?)な指操作にもかかわらず、何処に何のキーがあって、というところまで分かってしまうし、僕の最初のMac
SE/30にはI型のカタカナ表記の日本語ADBキーボード(配列はASCII)であって、その頃から慣れ親しんでいるから、いつもそのパターンで指の方が勝手に動いてしまっている。そういった経験から、英語のキーボードに変更することは致し方ない。
僕のPowerBook G3も同様の方法を踏襲した。つまり、Power
LabのBTOで作られた一般には存在しないモデルでもある。したがって、英語キーボードを最初から使っている、というわけだ。
で、PTKのプロジェクトに側面から参加して、昨年(2001年)の5月からPTKを使用していた。初期ロット不良とキーの二度打ち症状で2回交換していただいて、ついこの間まで使用していたPTKもとうとう、キーを取り損ねたりして不調になり、最後はA列のキーを表示しなくなった。最初に使っていた英語キーボードに変更しても、この動作が起こってしまい、2002年
1月 8日、とうとうAppleサービスセンターに点検修理を依頼した。
2週間後の中間報告では「本体の悪いところは一切ない。キーボードが良くない」という結果を得た。そこからまた2週間、戻ってきたのが2002年1月30日だから点検整備に相当な期間を要した、というわけだ。
交換された純正英語キーボードから
日本語キーボードでも、英語キーボードでも両方過不足なく行けるかどうか、日本語メソッドも「ことえり」、「ATOK」などが使えるかどうか、かなりのテストがなされたようである。戻ってきたPowerBook
G3を見てびっくりした。内部まで完全に分解されているのが手に取るように分かる。
僕が一番問題としていたところであるマザーボードの凸コネクター部分もそのままだから、Appleの言うとおり、内部は別段問題がなかったのであろう。それで、交換された純正英語キーボード側の凹部分を見て唖然とした。戻ってきた純正英語キーボードのそれは、最初のもの(おそらく並行輸入品)とは全く違っている。つまり、凸部分がどうなってもキーボード側の凹部分は完全に凸部分をホールドする工夫が施されているのである。これには少々驚いた。制度上の規格検定合格表示は今回逆RUのアメリカ電気規格だけである。
そこで、再度PTKを接続したが、これは最初と同じようにA列のキーを認識しない。もはやこれまでである。ただし、この時点では気付かなかったが、後述するコネクターそのものの安定度が少ない、としておきたい。
僕がここで敢えて重要だ、と考えていたマザーボード側のコネクターの凸、キーボード側のコネクターの凹の関係はPowerBook
G4ででも、G3の'00モデルと同じ方法が用いられているところから起因する問題だ。したがって、今回の点検整備の結果から考えると、Appleでも後期のG3の'00モデル用純正パーツとしての英語(日本語)キーボードは改良が加えられているのだろう、と推測する。それがG4モデルにも応用されているのは当然のことだろう、と思う。
使用感覚も当初の英語キーボードのようにカチャカチャしたりする動きが一切ない。PTKより若干ストロークは小さいが、かなりいいタッチになっている。PTKの目指したところはここにあったのではないか、と思われる。
このことが真か偽かは想像でしかないが、僕は「真」であると信じて疑わない。一応、以下にPTKの'00モデル用に僕が気付いたことを紹介しておく。
そして、キーボードの使用頻度の違いによっても不具合が出てくるのだし、その上に、その不具合がキーボードの故障によるものなのか、本体の故障によるものなのかも定かでない。もっと重要なことは、キーボードは消耗品、と考えられる一面があることも事実である。このPTKの項でも再三申し上げているが、もう一台購入してみたい、と考えている。そして、純正の英語キーボードも同様に購入しておかなければならない。
よく使用されるものにもかかわらず、意外にキーボードはディスコンになる可能性が高いのも、頭の痛い問題なのである。
PTK最初期のモデルからすると格段の進歩が見られます。その上で、PTKを使用し始めて、ほぼ1年を経過しようとしたところで、一人のユーザーが自らの経験を通しての、PTKの説明書にも記されていないことを以下に記載します。
いつも申し述べることですが、こういった行為をPowerBook(以下、PB)及びPTKに施すことは改造に当たります。その点を十分にお含みいただいて、手を下されるときは結果の如何に関わらず、手を下した方自らが責任を取るのは当然のこととされるようお願いいたします。
●バッテリー、ACアダプターなどの電源部分を全て本体から離します。(取り付け説明手順1)
●キーボードを外します。(取り付け説明手順2、3、4、5、)
[特に垂直に上げて取り外すことに注意してください。]
●ステバンを装着します。(取り付け説明手順7)
[2002年1月現在、'00モデルでは先にステバンを装着しておくことが肝心です。]
●注意してキーボードの凹コネクターをマザーボードの凸コネクターに合わせます。
◆割り箸の元で凹コネクターを押して垂直にセットします。(取り付け説明手順6)
[決して上面のずらりと並んだ金メッキライン部分を強く押さないように願います。当然金属の使用は避けます。]
[垂直に取り付けることはもとより、ここ(金メッキライン部分)を強く押してしまうと思わぬトラブルの原因に結びつきます。]
これで日本語キーボードからですと背面のポートの中からリセット(確定)ボタンを押して、立ち上がって画面からASCII配列の動作確認をします。(取り付け説明手順9)
どうでしょうか、このように'00モデルではPTKの取り付けは附属の説明書の手順と少々異なるのです。(2002年4月現在)
2.次に行っていただきたいのは、コネクター部分のフィッティング状況の確認です。特にこの辺りになりますと、感覚的なものが支配しますから、一概にどうのこうのは言えませんが、どう頑張ってみてもコネクター部分がアマイわけですから、どの辺りでどういったものになるか、ということがはっきり分からないのです。
3.おそらく、普段とタイピングの状況が変わってくるのではないでしょうか。もう一言申し上げますと、このコネクター部分に決して「接点復活剤」は使用しないように強く申し上げておきます。接点復活剤は別の面で影響が出てきます。
これ以下の行為はPTKを最初に装着して異常がなければ行わなくても大丈夫です。
また、'00モデルに限ってのこととします。
まず、リボンケーブルそのものに注目します。
もっとも気がかりな点は凹のコネクターのサポート板を兼ねたグラエポの部分です。両端が牛の角のように上に向いているもので、その間にリボンケーブルがすんなりと入る....
、とはならないものがあるのです。純正はその部分に確実にリボンケーブルが入ります。
最近まで気付かなかったのですが、PTKではリボンケーブルがあらかじめキーボードの裏に貼り付けてあり、接続上、どうしても二度折りして装着するため、あらかじめテープで貼り付けてあることによる長さの制約からくるもの、あるいは角部分の間にリボンケーブルが収まらない点にあります。少ないトラブルでしょうが、この部分とリボンケーブルが擦れあうことが出てくるようなのです。
また、グラエポのカッティングの状況からエッジが立っていますから、ここでもリボンケーブルに傷が付いて、最悪の場合、私のようにリボンケーブルの折損が起きます。何度かキーボード外している内に、この折損事故が起きる可能性があると考えられるのです。私の場合でも思わぬ事故であった、と判断しました。保証期間中ならPowerLabへ連絡を取っていただくようお願いします。
この部分の加工は角部分の内側をよく切れるニッパーで少しずつ数回に渡って切り落とし、カッターナイフで仕上げ、リボンケーブルが入るように加工します。
PTKを装着する際、前述したようにその自由度は極度に制限されます。説明書どおりに装着することが出来ません。したがって、特にヒートシンク部分にくるツメの噛み込みが苦しいため、キーボードの右側をわずかに斜めにして装着出来るようにします。場合によっては確実に装着できたようでも、コネクターのキーボードの上側に位置する部分がわずかに浮き上がる可能性があるわけです。
もう一点はどうしてもコネクター部分のガタに影響があるように感じてなりません。これは最初のモデルからそう感じています。どんなにリボンケーブルの取り扱いを慎重にしても、コネクター部分がリボンケーブルの反発で動く。信じられないかもしれませんが、グラエポの厚さなどを含めても、マザーボードとの取り付けは本当にズレル場合があります。
私の経験ではPTKの最大の欠点は、このマザーボードとのコネクター部分に問題があるように思います。これも記載しましたが、特に純正の後期キーボードでは、このキーボード側の凹部分が確実にマザーボードの凸部分をホールドするものに変更されています。
「思います」と表現し、この部分に装着の不安定さを限定できないのはどうしてか?ということになりましょうが、マザーボードのコネクター(凸部分)の状況が悪い場合もあります。ルーペでかろうじて注視できる範囲でのことですが、純正のキーボードでは異常がないのに、P.T.Kを装着するとキータイプ入力がおかしい場合、必ず、純正のキーボードと交換してしばらくの間使ってみて確認を要します。
おそらく、私と同じようなキーの取りこぼし症状がPTKで出ても、純正キーボードでは上手く行く場合では、おそらくマザーボードの異常は認められませんし、凸部分が少々おかしくても純正のキーボードなら接続ミスによるキー動作のおかしい現象は出てこないように思います。断定は出来ないのですが、純正のキーボードでおかしい現象が起きなければ、おそらくPTKのリボンケーブル側の凹型コネクター部分の接続のアマサに原因があると思います。
最終判断として一部危険ではありますが、PTKのコネクターを装着した後に本体を作動させて、コネクター部分のグラエポ板を指で前後左右に少し振ってみてキーの取りこぼしが無くなる位置で止めて、キーボード本体を静かに収めてロックします。
特にパームレストのツメを注意深く合わせること!、この時にPTK本体が大きく動いてしまうとコネクター部分も動きますから、またやり直しをしなければならなくなるわけです。
僕の考えでは、PTKのコネクター部分を確実に修正するのであれば、PTKのキー配列を純正のASCII配列と同じにしなければならない、と思います。リボンケーブルを見ていただければ分かると思いますが、この部分の内部導通部分配列が、純正とは微妙に異なっていることに気付かれることと思います。
あくまでルーペでの拡大からの想像ですし、純正のキーボードではタイピングミスがほとんど起こらない、ということと、先ほどのリボンケーブルの処理でずいぶんと改善されています。それでも、ふとした拍子におかしくなる可能性もなきにしもあらず。たとえば、個々人のタイピング状態、PowerBookをバッグに入れて持ち歩いた場合などで起きる場合が確認されるからです。
したがって、ここの部分を最終的に何とかしたい、というのが僕の考えの行き着いたところです。しかし、これは個人で出来ないものですから、断念せざるを得ません。
2002年5月4日
別項で以前から申し上げているが、少々キーボードの凹コネクターの自由度と接点のホールド性がアマイ点から、マザーボード側の凸コネクターの接点と、どうも上手くフィットしないものがたまにある。僕のPB'00モデルもそうなんだが、この状況を頭に入れて、若干ヤバイ点が出るやもしれないが、PBを作動させたまま、テキストエディターなどを開いて、各キーの取りこぼしがないか、左右上下にキーボードのコネクターを動かしながら各キーでタイピング(表示)できる装着位置の確認して、PBに収めた。 もし、PTKの装着方法を記した添付のマニュアルに現在でも変更がないようだったら、最初に「装着について」のように取り付け、各キーの表示が出来るかどうかを確認して取り付けをお願いしたい。 で、こういったことを文章化しているのだが、PTKのタイピングの良さは相変わらずだ。先に申し上げたとおりだが、僕のようにワープロとしてキータイプを多用する者としては、この感覚が気持ちよい。よく使うキーはBNM、ASDFGHJK、WERTYUIOP、return、左のshift、deleteなどのキーだが、以前のPTKでも感じたが、数ヶ月使用してキートップの梨地のザラザラが取れてくる頃になってもキートップのがたつきが非常に少ないのである。このことは特筆できる。 |
さ、こうやって現在のようにG4 Power Bookのようにクロックが800MHzのものが出たとしても、やはり、ピズモ(PISMO)は僕の愛用マシンである。行く行くは保存用というか、一つ500MHzを購入して末永く使いたい、というのが今の考え方である。その前にどうも僕の愛機400Mhzモデルが壊れそうにもない。
PTKにしてはや1年が経過したが、しばらくはこのクリアーPTKで頑張ってみたい。いずれにしても、スタンダードのPTKを1機購入しておかなければならない。理由は簡単、そのうち純正部品がバッテリーと同様にディスコンになってしまいかねないからだ。2000年モデルは1年しか発売されなかった。いつもやられるのは2001年から7年間はパーツをキープしなければならないが、それ以降は在庫のパーツだけしか残らないからである。おそらく2008年、遅くとも2010年には多くのパーツが供給出来なくなる、ということなんだから。
USB、Fire Wireなどの橋渡し的、過渡期的マシンといわれてはいるが、SCSIはカードで十分対応できるし、僕にとって幸いしたのはマイク入力の端子がオーディオ出力端子同様に、オーディオのミニプラグが使える点、このPBは完全に備えている。しかも、OS
Xもそこそこ動かせるのだ。決して過去のモデルとは決めつけがたい。
ま、PTKから発展しての考えだから、本来はここで申し上げるものではないかもしれないが、思いあまって記載した。お許しあれ。
さ、この辺りで一応PISMO用のPTKについてのレポートを終了することとしたい。Power
Typing Keyboardの完全リリースから2002年5月で1年。ずいぶんといいものになってきた。
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