福音と終焉(PismoのP.T.K問題を解決するもの)
僕はNo.64でP.T.Kの使用をあきらめた、と記載し、それに付随
する最初期型、通常型のキーボードを紹介して、全てを純正の英語版ASCIIキーボードにゆだねた。
ところが、別項で記載しているとおり、手持ちのPismoは液晶のにじみに即応して、分解、ねじの締め付け具合などの調整を行っていたところだった。も
ちろん、ディスプレー
左のにじみは一向に改善されず、マザーボード側のトラックパッド接続コネクター破損により、新たにPismoを購入するハメになったが... 。
N0.65で記載したとおり、ヒートパイプとそれに伴うヒートシンクの
交換をしたところだが、これは想像以上に快調に作動していた。
ところが、キーボードをはずして、No.64のとおりキートップの沈み込みなどを注視していた折、ふとしたことに気づいた。何あろう、今装着している銅
パイプのヒートパイプと樹脂製のヒートシンクの形状なら、接続コネクターまでのリボンケーブルの取り付けが確実な、P.T.Kの最初期タイプが取り付けら
れるのではないか、と頭の中に浮かんだのである。
早速やってみたところ、何の苦労もなく取り付けができた。文字キーの2段目、P,O,I、
3段目のJ,K,L、などもマザーボードの取り付け部分の角度
修正で十分に作動が確認できた。全くエポックメーキングな結果であった。
今は無きPower
LabのWEB上でP.T.Kの開発当初からやりとりしていた僕として、新たな推測がフっと浮かんだ。それはPismo用として、Power
LabがP.T.Kの製作を依頼した台湾のテックパーツ社は、基本的にキーボード自体はLombird用と大きい変化はないために、マザーボードへ導かれ
るリボンケーブル部分のみを交換すればいいとして、最初期型のリボンケーブルを圧着して樹脂加工の金属板でクランプする方法が採られたのだろう。
理由は今回入手したPismoに装着されていたヒートシンクの形状にある。オーストラリア指向地の今回の機種はこれまでの国内仕様と100数十番台後期
のモデルで、結局のところ海外の多くは交換したヒートシンクが装着されていたのではないだろうか。おまけにテックパーツはPismoの生産国台湾だ。
ところが、当初のPismo用P.T.Kを金属製のヒートシンクのまま装着するのは至難の業だった。Lombirdにはヒートパイプでつな
がれた強大なヒートシンクの装着は無かったからである。
あるいは、僕の想像のように、テストで装着した機種は樹脂製のヒートシンクを持ったモデルで行ったことにより、国内で出回っているM7630(J/A)
の機種
に装着させる苦難が始まったのではないだろうか?、と考えが浮かんできたのだが、おそらくLombirdに取り付けができたからOKを出しただけのことで
あろう。
Power
LabでPismo用のP.T.Kのリリースが遅れた最大の理由は、「修正作業確認中」として報告があったが、実のところ、この部分がネックになって遅れ
たのではなかったのか?、ということがうっすらと僕の頭の中に浮かんできた。
もちろん、実際は違うだろうけれども、ゴムダンパーの位置からすれば、通常のアンチモニー製のヒートシンクモデルででも、ステバンはまだしも、左のゴム
ダンパーははずした方が、キーボードとのコネクトも良好な方向へ向かうのではにだろうか、ということを発見した次第だ。
この時点でステバンを装着する。樹脂製のヒートシンクは全てを解決してくれる、若干P.T.Kのそりなどを修正して取り付けると、ステバンは効果を発揮
し、最高のマシンに変身してしまう。まるで、この間まで同じようにタイプしていた、英語キーボードがちゃちなものに感じられてくる。
ここで一度、最初期型のP.T.Kをはずす。次は通常版のP.T.Kを装着することだ。
早速やってみた結果は...
。お見事とはいかない。それもそのはず。P.T.KのPismo用はどの製品を取ってみても、このリボンケーブルの末端とマザーボードとを結ぶコネクター
のガタが最後までのネックだったようだ。
従って、通常型のP.T.Kでキーボードには直接リボンケーブルをテーピングしてあるわけである。
もし、銅パイプと樹脂製のヒートシンクが入手できれば、P.T.Kの装着は確実に楽になるのである。
このことから、コネクターのリボンケーブル補強が重要になるので、キーボードへのP.T.Kの取り付けが確定した時点で、この処理をやってお
けば、まず大丈夫だ。
が、テーピングをはずしたリボンケーブルは変質しづらいタイプ(黄色)のセロテープのみが貼付してある。この面の保護を行わなければならない。同質の
テープやメンディングテープでは今後の修正ができないため、塗装用のマスキングテープを使用して貼付する。
以下にどういった処置を施せばいいか、僕なりに報告しておきたい。
- これまで、ずいぶんとP.T.Kへの批判も加えたが、現在使用されている方で、右側のP〜U付近のキートップが沈み込んでいるようなら、キー
ボード
をはずして点検、修正すること。
- P〜Iのキートップ部分が下がって見える場合は、ベース
のアルミ板を手で修正をしてベース板が均一に水平になるようにすること。
- 金属製のヒートシンクの場合、ステバンは使用せずキーボードへの補強棒を装着すること。(ハードディスクの上には何も置かないこと!)
- ヒートシンク上へ行くキーボードのショック防止とズレ防止のためのダンパーは銅パイプと樹脂製のヒートシンクは必ず取り去ることと、金属製の
ヒートシンクの場合は取り去った方が良好な場合もあるので、調子を見ること。
- 通常型のP.T.Kで、キーボード側のリボンケーブルを止めてあるテーピングははずして、塗装用のマスキングテープで保護すること。(元に戻
すには
18mm幅の両面テープが使える)
写真は通常版のP.T.Kで、リボンケーブルのテーピングを剥がして、マスキングテープで保護を行い、キーボードへの接着に際しての両面テープは部保護
シートを張ったままにしている。同じ
く、キーボード側のダンパー部分には両面テープを貼り、保護シートをそのままにしているものである。
いずれにしても、若干取り付けがおかしいコネクターなので、テキストエディターなどを立ち上げて、各々のキーが反応するなら、そのままの状態で装着すれ
ばい
い。
危険ではないか?、とおっしゃる向きもあるが、作動させながらの内部アクセスの安全性は万全とはいえないまでも、P.T.Kを接続するとき、マザーボー
ドとのコ
ネクター部分の装着に金属製品を用いなけ
れば危険は少ない。
何度も言うが、その後、P.T.K装着Pismoオーナーは僕と同じ経験をすることになるのではないだろうか。
いずれにしても、これがP.T.Kの本当に最後のレポートである。