いよいよBlackbirdが飛んでくる
 もういつの頃になるのだろうか、そんなに昔のことではないのだが、数年前といえども、コンピューターの世界ではかなり昔のことになるのだ。PowerBookの500シリーズが出たときは、確かにモトローラのMC68LC040のCPUがPowerBookに搭載され、筐体の美しいスタイルともども僕の心をずいぶんと刺激した。ちょうどSE/30のローンもまだ続いていた頃だし、どうしても手が出なかった。僕も若かったから、SE/30と一式を持って出かけていたときもあった時代だ。それに価格、520cでも420,000円もしたんだから、56万円近くのSE/30を購入して(その2年後に)すぐさま購入、ということにはならなかったんだ。
 まさしく、ソフトウェアも高価だし、妻から「後でお金のいるものは止めてくれん?! 」と言われる始末。そういった時代だったんだ。それが1994年、2002年の今からするとわずかに8年前だが、コンピューターを取り巻く世界全てにおいては、今と隔世の感があるのは否めない。
 この500シリーズが救われたのはPowerPCにアップグレードが約束されていた機種だった。しかし、次なる機種5300シリーズが一層素晴らしかったなら... 、と今になってそう思われる反面、個人の金額的なものと、その時以降どうなるか分からないAppleの状況がPowerBookそのもののシリーズをクラムシェルのPowerBook G3をリリースするまでダメにしてしまったのではないだろうか、と考えられる。
 それゆえ500シリーズ最終、日本仕様の550cなどはそんなに台数的に出ていないのではないだろうか。結局のところDuoシリーズを除いて、1400シリーズが出現するまで、機構的にPowerBookそのものは「... どうも、な?」となってしまっていたように感じている。いくら、映画インデペンデンスデイに5300cが出ても5300シリーズの筐体自体の不安定さ、ACアダプター接合部の弱体化などが露見したりして、一般に人気があったとは言えなかったのである。
 先日来、職場へPowerBook G3を持っていくことが、辛い気分になってきていた。特に夏場はその重量が大変なものに感じていた。Duoもミニドックが必要だし、ミニドックに何とかを接続してなどとなると、それだけでも重量がかさむ。職場内のLANには接続できないが、幸いにも最近になってEthernetでインターネットはFTPまで使用できるようになってきた。そういえば、Quadra 700でも、OS次第ではかなりいいところまで行けることが分かっていたし、40マシンも捨てたものでもない。それでは520c辺りをチョイスするか... 、となったわけだ。
 190、5300ではEthernetはカード装着だから、この点は500シリーズの方に軍配が上がる。少しだが、キーボードなどは現在でも入手可能だ。テキストでも職場内なら、フロッピーのみで事足りる。Mac派は蚊帳の外というか、嫌われものにされているようだが、奮起一転、僕個人ででも何とか使ってやろう、と決めて520cをチョイスしたわけだ。
 散々探した挙げ句、ようやくにして見つけた購入ショップはキャラバンラボのフリーマーケット。ところが、中古でも状態のいいのは高いんだな。新品バッテリーも結構な値段。
 ま、致し方ないか、と考えていたが、2001年12月10日の夜、10,000円だった520cが5,000円になっているのを発見。一瞬目を疑ったが、間違いなく半額になっている。指はすでにオーダー書式にタイプしていた。
 ところが待てど暮らせどキャラバンラボから返答がない。以前のPalm Pirotの時は応対がよかったのに、昨今のウイルスのためかな?、などと思いながらも一向にメールが届かない。注意書きを読んだ結果、メールを出してみるも返答なし。とうとう、直接電話をしたところ、送信できていなかったのかもしれない、とのこと。とりあえず、23日の週には届くようにする、とのことを確認した。
 こうなると早いもので、22日にはメールで25日必着で送る、との連絡が入った。注意書きには受付後メールで連絡を送る、とあるが、これが無かったために起こったことだ。こういったところ、取り置き方式ではないキャラバンラボのフリーマーケットでは売り手との連絡が付かなければ、買い手に対しても確認のしようがないのかもしれない。一定「お手元には1週間ほどかかります」の規約はクリアーされたわけだ。12月25日、静かに到着を待つこととした。
 しかし、よくよく考えてみれば、25日は連休明け、年末のことだから運送業もフル回転だ。「もしかして?」と24日に南予通運(日通のペリカン便)へ電話したところ「届いています」との返答を受け、急遽受け取りに出向いた。
 代引きの料金を払って日通のパソコンパックに収められたマシンを抱いて職場へ急ぐ。結構長かった購入経緯を思い出しながら、起動した。見事に起動。時に2001年12月24日(月)午後3時15分のことであった。

[もどる]

inserted by FC2 system