Power Book 5XXシリーズ キーボード設置のコツ

 これまでの愛用のppc Power Book 540cは英語版のキーボードを取り付けてようやく落ち着いたかに見えたが、タイピングのポコポコ感が気に入らなかった。
 電源を入れずにスペースバーを押さえて、キーをタイプすると、この感覚は軽減されるため、キーボードを外して、何度も何度も軽くひねりを加えたりしなが ら修正を行ってみた結果、スペースキー以外はようやくのことでOKになるところまでこぎ着けた。
 現実に浮き上がるのはCPUカバーのすぐ上の部分がパコパコするわけである。本来なら、この部分に当たるキーボードのベースをアルミ板で補強するのがい いのではないだろうか。合成ゴム系の接着剤でOKであろう、と考えてみたりもした。
 しかし、この考えは失敗。よくよく考えてみると、この部分は放熱性をよくしておかなければならない。
 もう一つはファンクションキー側にある3本の取り付けプレート(平たい爪)が長い上に、キーボードの取り付けボルトが2本しかない。このため、キーボー ドの中央部分がふくれあがることになるのではないか、とも考えられる。
 これらのことを頭に入れておいて、JIS配列のキーボードと比べてみると、どうもベース部分が弱いように感じる。つめの長さはそれほど違いはない。もっ とも、根本のダメ部分はキーボードを止めるビスが左右の2本だけだからであって、これがセンターの1本を入れてビス3本なら、こういった現象は起こりづら いのではないか、と感じるところだ。

 これらの考えから、再びスペースバーを外して何とかベースを修正しようとしていたところ、少しミスしてピアノ線のスタビライザーのヒンジ部分を折ってし まった。この部分に修正を加えたのはもっともたるところ。
 が、大きいダメージではないものの、どうもスペースキーの動きが阻害されそうになってきたし、ベースの変形が著しいのかもしれないとして、何とか英語版 のキーボードをもう1台入手しようとクラシックボックスへ問い合わせの電話を入れた。たまたまうまい具合に5XX用の英語キーボードの良品が残っていたた め、急遽買い求めた。
 入荷したものを取り付けてみると、スペースバーとパームレスト部分の間隙が一定になっているため、これまで取り付けていた英語キーボードは、ベース板が 変形していたとする僕の判断は正しかった、と確認が出来た。
 が、依然としてポコポコ感が拭い去れない。

 本体の方にも問題があるのも事実だ。5XXシリーズの場合、ドーター(CPU)ボードはカバーがかけられているものの、フレーム(筐体骨格)には、その 両サイドのセンター隔壁以外にそれに被さるキーボードをサポートする部分がないため、キーボードのベースの下は空間が支配してしまうからである。

 どうすればこのポコポコ感を拭い去ることが出来るか?、となると、先に考えたキーボードのベースであるアルミ板を補強すればいいのだが... 。これはキーボード全体に及ぶことになるし、この補強方法は後述するもう一つの問題点があって出来ない。
 となると、フロッピードライブ、ハードディスクの空間部分へ下駄を履かせる以外にない、と考えて、書類を綴じる際の「枕」である弾力の乏しいスポンジを 裂いて敷くことにした。それによって、キートップから下向きの力がうまく保持できるのではないか、考えたからだ。
 が、この方法では、ハードディスクは影響がないが、上から加わるタイピングの力が僕のように強い場合、下駄の部分を通してフロッピードライブの作動を妨 げる場合があるので、急遽取り去った次第。
 どうすればいいか?に対して「お前さん、金属なりでスペースを塞げば良いんじゃないの?」とおっしゃるのは分かるんだ。通常なら薄いアルミ板でもキー ボードに張り付けたり、P.T.Kのステバンみたいなのを作るとかする方法があるにはあるのだが、先に申し上げた非情とも思える一物が存在するため、それ が出来ないのである。

 僕の理解するところ、この「一物」は(190を以外の)100シリーズを別として、Wallstreetと称される筐体を持つPower Bookまで存在する「物」がそれを許さないのである。
 そう、それはマグネシウム製のフレーム(筐体骨格)をあらゆるPower Bookの機種に搭載していたからだ。「マグネシウムいいじゃん」という方は甘い。
 中学高校時代のカソウカマアアテニスナヒドスギルシャッキンという「イオン化傾向」を思い出していただきたい。このことを頭に入れて、Power Bookを分解されるとよろしかろう。アルミ(AL)とマグネシウム(MG)とを一体化させると、マグネシウムが腐食するのである。
 PB5XXを見られると、おそらく、そこには極端にアルミニウムのパーツが少ないことに気付かれよう。導通塗装にしても銅を使用しているくらいである。 Appleはこのことを知った上で、軽くて強い高価なマグネシウムを使用しているのであろう。
 5XXシリーズのフロッピードライブのシールドにはアルミはアルミだが、フレームとはわずかな空間があって、接してはいない。余談だが、Macのデスク トップ機、(190以外の)100シリーズのPower Bookのシールドはニッケルメッキの鉄板が使用されているのは、ニッケルのシールドがモニターの揺れなどに効果があるからなのである。

 さて、キーボードのポコポコ感の解消の方法だが、ダンパーラバーをDIYショップへ買いに行こうとしたときであった。クラシックボックスから送られてき た緩衝材に目が行った。
 緩衝材?。そう、通称プチプチである。これをハードディスクのマウント部分、フロッピードライブ、の各大きさに切り取って強いてみた。



 まずは円形部分を上にしてテスト。これはイケマセンや。クチュクチュ音がするんです。が、ポコポコ感が少なく、キーの動作がしっかりして来だしたのは確 認できた。
 次は裏返して平らな部分を上にして、キーボードを乗せてみると... 、ア〜ラ、びっくり、ポコポコ感は無い上に、上下に揺する感覚までも無くなってしまっている。これってバカにしているんじゃない?。
 イヤ、真面目な話、事実、こんなにしっかりするんだったらもっと先にやっておくべきだった、と思っても、今はないモデルのことだし、僕の頭にたまに出て きたエポックメーキングなこととしておきたい。


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