Power Book 520cとの不思議な縁 (その3)

第3幕
第1場 ヤフオクで540cが飛んできた
 2003年 8月も終わりの頃、落札時間数回の延長で、(元箱、取扱説明書、フロッピーディスクなどが付いた)ほぼ完全なPPC化された540cを入手することが出来 ました。
 本機の概要は次のとおりです。CPUドーターカードはApple純正のPPC 603evの100MHzカードに交換してあります。出品者の方の説明のとおり、Power PCのステッカーも貼付されていることもあり、正規ルートでアップグレード化された540cであることに間違いはないようです。いい具合にPCMCIAの Type-C カードベイが装備してありました。
 本体を動かすと「カラカラ」音がします。筐体の一部が欠けているのかもしれません。フロッピーディスクが作動しません。
 以前に報告したとおりディスプレーに赤みが差しており、このまま使い続けると、私の経験では一層赤みが 増すのではないか、と考えられます。もちろん、ディスプレーが赤みを帯びる点は、後日記載をする予定にしていますけれど、筐体内部に塗布された銅色の導電 塗料が影響しているためかもしれません。
 液晶下のトッププレートはツメも折れていませんので、この部分は後のパーツとしてそのままの状態で保存します。
 ディスプレー部分の取り付け確認のために、キーボード部分などの腰上をバラして確認したのですが、取り付け部分はネジの締め込みも適度でした。PPC化 された時に一定のメンテナンスを受けたのかもしれません。あるいは、ハードディスクの取り付けステーがトップカバーの下になって(本来は逆)いましたの で、オーナーが後で行った修正かもしれません。内部のカラカラ音から、おそらく後者でしょう。
 このような状態のため、とりあえずはPPC603evのCPUドーターカードとPCMCIAのType-Cカードベイを常用の520cへ移植して 使う こととしました。

第2場 劇的変化は起こらない
 PPC化してもディスプレー上は何も変わりません。起動すると何か起きると期待していたことは起きません。インフォメーション見てもダメ。ヘッ、これ じゃPPCにしても何にもならないじゃないか、と少々げんなりです。
 でも、待ってくださいよ。送付されたままの540cで起動したときは8.1でしたが、相当に遅かったわけです。元のままの520cとの速度感覚はそんな に変わるものではありませんでした。人間というのは先入観が強いと、ついつい思い入れを優先してしまうものです。リスタートを繰り返している内に、動きが 速 くなっているのが分かりまじめました。
 アプリケーションはどうでしょうか。EXCELはPPC化に対応していないので速度変化が感じられません。クラリスワークスでは完全に優位性が認められ ました。昔からのワープロソフトのFlash Writerは矢のような変換をしだしました。ブースターロケットを装備しているようです。HyperCardもいい具合です。そこそこのソフトウェアは そのままの形で速さが体感できました。
 まずは、一度P-RAMをクリアーして、Softwere FPUを外します。EXCELが若干速くなったような気がしましたが、体制には影響ないでしょう。
 総合してみますと、全体的には既存のソフトとの関連も良好ですし、発熱の関係もそんなに気にするほどのものでもないようでした。

第3場 安定飛行に移ります
 あらためてPower PCのステッカーを520cへ移して現在まで10日が過ぎました。非常に快調です。以前のMC68LC040で24MHzで動かしていたときとは比べもの にならないほど進歩しています。異論はあるでしょうが、ドーターカードを換えるだけで様々な5XXシリーズに変身するという技は当時としては画期的なもの であったに違いありません。
 そういったことで、520cに装着されていた240MBのハードディスクを使っていたのですが、どうしても容量オーバーになってしまう関係上、PPC Duo 280cに装着していた薄手の1GBのハードディスクにSCSI変換カードを背負わせて移植することにしました。供給元のPPC Duo 280cには、2300cで使っていた純正の1.1GBのIDEハードディスクを戻しました。
 この時点で本機はOS 8.1となりましたが、起動時間の若干長い点を除いては、なかなかのパフォーマンスを示すようになってきました。
 ここまで行って、まぁ使える状態にこぎ着けましたが、惜しむらくは、ACアダプターとのコネクター部分の不確実さ、ディスクプレーの装着部分の弱さなど が心残りです。
 何度もいいますが、5XX、5300、1400、3400の中でどれを採 る?、と言われると、迷わず5XXとします。それだけたたずまいから全体のレイアウトなど、5XXシリーズはいいものを持っているように感じるのです。
 大変な思い違いじゃない?、と受け取られる方々もいらっしゃいます。一部けなすくせに、5XXシリーズを選ぶのはおかしい、と言われるかもしれません が、少し古いオールインワンのPower Bookとなれば、私としてはこの5XXシリーズを選びたい、という気分が偽らざるところです。
 そういったところで、まだまだ手を入れるべきところはあるはずです。いいところまでは確実に来ています。もう少し様子を見させていただいて、次もまたブ ラックバードが失速しないために検証を深めてみたいと考えているところです。

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