その後の5300cs

 何もかもが嫌になって、古いPower Bookをすべからく捨て去ってPismoオンりーで行こうかと思っていた2004年1月の終り頃、思わぬことでその気持を取り留めた。それは 「ASANTEのSCSI/Etherアダプターの新品を落札したので、5300csで使ってみてから」であった。もちろん5300csにはスロットがあ るのでカードタイプのEthernetを考えてもいいが、これを探すのが面倒だ。
 以前、Duo用にE-MACHINESのMiniDockをDuoに装着して内蔵のEthernetを使っていたのだが、これがバカ遅いことに閉口して しまっていた。知っての通り5XXシリーズにはAAUのトランシーバーが装着してあって、こいつは結構速い。何とかならないものか、と感じていたときに ASANTEのアダプターが手に入って使ってみた結果だ。

 その前に、若干OSについて触れておきたい。5XXシリーズにPPCカードでアップグレードしても通常では8.1までしか使えない。Wish I WereというユーティリティーとResEditで8.6でも可能だが、Wish I Wereが現在のところ入手できないようだ。
 それゆえ、8.1にまでアップしたのはいいのだが、ATOK関係のキー操作がどうもうまく行かない。5XX用にASCII配列のキーボードを入れてもい いのだが、 高価すぎて手がでないでいる。
 DuoでもATOKでは同様の症状があって、どうしたものか悩んだ末に、後述することから8.6にしている。
 総じて、ぼく自身は8.0、8.1というOSはあまり好きではない。古い話、Power Quadra 700でもPPC 601ながら8.6の方が確実に動いていた。
 こういったことがあって、5300csにも8.6をインストールして使っていたわけである。

 ところが、OS 8.6にアップデートしていたために、いざASANTEのSCSI/Etherアダプターを使おうとしたところ、付属のドライバーが対応しない。アップ デート版はweb上で紹介されている在処には無い。 さんざん苦労してASANTEのページから引っぱり出した。目的の所まで英語圏の行き方と日本語での対応に若干の違いがあって、それがわかるまでが長い。

 ドライバーをインストールして試用してみると、なかなか速い。Duo(2300c)ではビデオ回路が若干足を引っ張っていると言うが、5300csでは 結構なパフォーマンスを示す。
 もちろん、下の写真のように、DuoにもMini Dockを介して写真のように装着できる。

 これに気をよくして、一つ使いやすくて、タッチのいいキーボードとともに、こいつ 5300csをワープロ中心に使ってみたい、と感じた。

 とりあえずのワープロソフトは何でもいいんだ。その前の入力専門のテキストエディターが僕にとって重要である。
 僕の場合はズ〜ッとJeditを使ってきている。アートマン21ではサポートは打ち切っているものの、Jeditの古いバージョンもダウンロード出来る ので、古マッ クユーザーには非常に助かる。もちろん過去の登録ユーザーに対してだが。
 そういった意味あいも含めて今でもテキストエディターはこれのみに限っているぐらいになってしまっている。
 インプットメソッドは相変わらずATOKである。特にというわけではないが、(5300csの)当時だとATOK 8ぐらいだろう。次の11はそんなに変わらない。12では日本語・英語の切り替えに死ぬほどのタイムラグを感じるし、OSも8.6まで上げているから13 に... 。一応、アップデート版をインストールして使用している。MacもPower BookもASCII配列のため、「かな・カナ後変換」にoptionキーが使えるものが僕の場合は必須になる。OS 8.1とATOK13ではキーの割付がどうも上手く行かない。

 これで、結構な量の文章をタイプしたのだが、クリックボタン回りがどうもおかしいことに気づき始めた。それ以上に、ディスプレーを閉めると、パームレス トのこの部分が 持ち上がるのである。
 2004年2月11日、キーボードをはずして、パームレスト部分になるカバーをはずしてみて、びっくり仰天。ディスプレーの開閉フック部分の下側、パー ムレストと一 体にさせるこの部分の筐体アンダー部分にあるフック受けの2個が破損しているのであった。
 ここを、修正する方法を色々と考えた末、ゼムピンを使用してコの字型の金具を作り、端に少し角度を付けて、ジッポーライターで赤く熱してジュ〜っと滑り 込 ませて溶着する。後はその部分に5分硬化型のエポキシ接着剤を少し塗布しておけば万全だ。
 このことによって、クリックボタンの操作が確実になるし、トラックパッドの効率もよくなってきた。


 その後は気分よく使っていたのだが、同じ日の数時間後にもっと恐ろしいことが起こった。何と、IDEのハードディスクが昇天してしまったのである。相当 に驚いた。
 いくらリセットスイッチを押しても無理であった。古いノートンのフロッピーディスクでハードディスクを認識しようとしてもダメ。どうしたものか... 、とりあえずはマグネシウム製のハードディスク取り付けホルダーをはずしてみたのだが、別段異常ない。昇天した経緯をたどってみると、電源を入れたまま ディ スプレーを傾けると、ジャラジャ〜ンとサッドマックの後、スリープランプが点灯しウンとも スンとも言わなくなったのである。
 先に取り付けた金具がホルダーに接していてもアース部分だけで異常はない。困ったな。リプレース品は190csの500MBがある。とりあえずはこれを 装着しよう。

 190csからホルダーをはずして「アッ!」と気づき、その後「ゾッ!」とした。
 みなさん、お分かりですか?。

 5XXシリーズと同様に5300シリーズもハードディスクは天地逆に取り付けられる。そのためマグネシウムのホルダーにはハードディスクの基盤との ショート防止のためシールド板が挟み込まれる。悪いことに5300(190)ではハードディスクのエンドを包み込むシールドがある。後期モデルでは外にカ バーはある が、内部は銅板がむき出しだ。そう、この部分がパームレストにきっちり収まるホルダーとの兼ね合いからパームレストに何らかの力が上からかかったとき、レ アショート状態が完全にショートしてしまうようなのだ。
 特に(OEM)のIBM製ハードディスクのプリント基板面にショート防止の対策の無いようなものは、この状況に陥る傾向が強いのではないだろうか。
 このことから、ハードディスクのエンドを包み込むシールドを先にホルダーへ装着し、ショート防止のシールド板をシールドホルダーの内 側へ入れて、ハードディスクを取り付けるようになっている。

 前述のツメが折れていたこともあって、おそらく前のオーナーがこの部分のシールド板の組み付け順を間違えて、ハードディスクを取り付けたのかもしれな い。

 まとめてみると、
  1. 銅製のシールドケースをマグネシウム製のハードディスクホルダーのトラックパッド側に入れる。
  2. 合成樹脂製のショート防止シールド板を銅製シールドケースの内側に滑り込ませるようにして、マグネシウム製のハードディスクホルダーの上側に あるマウントのスリットに合わせて置く。
  3. そのままシールド板をホールドして、ハードディスクを銅製のシールドケースに入れるようにしてビス止めする。
 もしショート防止シールド板が銅製のシールドケースより先に取り付けられている場合は、早いうちに修正しておいた方がいいように思う。
 なぜって?。それは現在のPower Bookでもハードディスクをショート防止の合成樹脂製シールドケースに入れて装着しているのだから。

 この処理の後、異常は生じていない。かなりのペースでタイピングできている。いつも感じるのだが、もう少し気合いを入れてこの5300シリーズをリリー スして いたらすばらしいモデルになっていたのにな〜、と感じられてならない。3400は少々大きすぎるし重すぎる。

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