Mac SE/30のこと


SE/30選びについて(僕の経験から)


 僕は今になって振り返ると、このキカイはそんなにいいものじゃない、と思っています。ひょんなことで僕の最初のMacとして購入したSE/30なので元箱も何もかも保管してはいますけれど。
 以前から巷では人気機種のひとつになっているようで、その多くは最終モデルのようでメモリーが8MB、ハードディスク80MBで360,000円というのが多くのショップで売られているスペックでした。デスクトップモデルの逸品であるIIciともども最後の1台になるまで長期間販売されたようです。現在では49,800円が中古相場でしょうか。やはり元箱、システムディスクが揃っている方が高価なのはもちろんです。それに漢字トーク6.0.7は付属してほしいところです。
 これから中古で購入される方もいらっしゃるでしょうから、「こういったモデル」ということを先に知っておけばいいのではないか、ということで僕の経験から述べてみます。
 まず、信頼のおけるショップで購入すること。これは絶対条件です。特にCPUであるMC68030の関係から、現在のマシンの感覚でチョイスすると、とんでもないことになりかねません。ここは「絶対」を通す必要があります。また、地方ゆえ実物を見ることができない、ということもあります。その場合はリスクを少しでも軽くするために一層信頼のおけるショップを選ぶことが大切です。したがって、基本として、まずは現物を見るということに心がけてください。

        


1.バックパネルから
 全体のフォルムはご覧のとおりです。バック(背面)を見ていただくとネームプレートにスペックが記載されていると思います。
 その中にアセンブル工場の記載がありますが、ここをよくご覧ください。ここにアイルランドの名前があると、漢字トーク6.0.7.1の2HDフロッピーディスクが付属していた後期生産のものと思われます。シンガポール、マレーシアの記載のあるものは漢字トーク6.0.7の2DDフロッピーディスク以前のモデルと思われます。それ以前はUSAの記載があるはずです。確約はできませんが、ACコードコネクタと電源スイッチが黒いものがUSAらしいとのことですが、あくまで想像です。しかし、モニタや電源部分を含めて多くのまとまったパーツ製造工場は台湾ということですが。
 そして、アイルランド工場組立モデルの背面ははわずかに湾曲しているものが多いようです。おそらく後売りのケース(筐体)もアイルランド工場組立モデルと同じく多くが日本製ですので、ケースを換えても同様に湾曲しているかもしれません。ケース内部の初期モデルで使用されていた導通塗装は真空蒸着メッキに変更されています。

         



2.アイルランド製造モデルの欠点
 ケースが湾曲していると、030PDSスロットに刺す外部カラーボードの出力コネクタがうまくフィットしないことがあります。バリではないのですが、フロッピーディスク挿入口の裏側部分のエッジが立っているので、時としてオートインサート方式のドライブがいうことを聞かなくなる場合があります。
 キーボードスイッチでの電源投入方式ではなく、アナログボードの電源部分に直接装備してある筐体後ろ側のタンブラースイッチでの電源投入方式ですから、この部分とACコネクタが時として不調になるおそれがあります。電源スイッチのON/OFFがグニャっと感じるようなら要注意です。
 確約はできませんが、この場合アナログボードのパーツが悪くないのにシャットダウンのときモニターに稲妻が走ることがあります。

                 


内部を覗いてみる

1.アナログボード
 多くのモデルのアナログボードは1.6mm厚のエポキシグラスのプリント基板と思われます。これがSEの中期モデルあたりまでの2mm厚だと最高です。理由は簡単、モニターの取り付けてあるフロントケースのアナログボードのスロットが2mm厚の設計になっているので、1.6mm厚のプリント基板では隙間のガタができます。これが原因でこのボードに直付けされている冷却ファンの振動が「カタカタ」という音になってもろに出ます。このことは意外に知られていない点でもあります。
 東京へ行く機会があって秋葉原などに出かけられた折、ジャンク品を探されて入手するのもいい方法です。この場合、基板はSEと共通ですから範囲は広がりますネ。
 ある程度重量のある電源ユニットを取り付けるためからも2mm厚のほうが好ましいのはお分かりと思います。

  SEのプリント板 
 

 SE/30のプリント板
人差し指で示しているプリントボードで厚さの違いがお分かりと思います。



2.電源(ユニット)
 ソニー製が丈夫でよろしい、ということですが、僕はそうは思わない。ここのネックは先に申したとおり、スイッチとACコネクタ部分だと思っています。ここが悪いと、いくら5V,12Vのスイッチング電源が調整できるにしても、スイッチとACコネクタのよくないものは、どういったメーカーでも電源ユニット自体はダメだ、と確信します。
 僕も一度修理を行いましたが、何しろケーブルが短いのでフィットパーツを購入できても全体としてバラしての再組立になり、えらく苦労しました。

3.アナログボード
 先に申したとおりですが、中には韓国メイドのものがあります。これは一見ラフですが、保護材が多量に塗布され外観から想像できないぐらい丈夫です。初期のUSAモデルはここが2mm厚なのはいうまでもありません。中にはシンガポール、マレーシアモデルにも2mm厚モデルが存在するかもしれません。筐体内部の導通塗装されているものなら最高です。筐体自体も強いようです。

4.ロジックボード
 ここはどのモデルでも問題はありません。一カ所問題があるとすると、SIMMソケットが黒いプラスティック製のモデルが多いと思いますが、それらは可塑剤が熱で飛んでいますのでSIMM交換するときに注意を要します。ツメが折れた場合は金属ホルダの30ピンシムソケットに交換は可能ですが、ソケットは秋葉原でも購入できなくなっているようです。
 メーカー送りですと当然ロジックボードが新品になるので修理代は非常に高くなります。
 
 
 

 SE/30の内部 

  

 SEの内部

                     


 以上の点からSE/30を選ぶことが少しばかり難しいことがお分かりと思います。僕自身は、古いMacを使ってみようとするなら、一番のお勧めはQuadra700、最低でもIIxと思っています。コンパクトマックは意外と難題が多いのです。
 このようなことを心底分かって、それでもなおSE/30の中古を手に入れると臨まれるのならいいのですが、外から見えない部分もありますし、筐体と中身とをいろいろ組み合わせて、ショップでリ・アセンブルドされたものも存在するわけです。
 そこで....
 
 確実に選ぶ方法は
 (ショップなりで、ある程度さわらせてくれることを前提として)

  1.電源スイッチをさわってグニャっとしないもの
  2.フロッピーディスクの出し入れがスムースなもの
  3.メモリーが8MBのもの
  4.システムディスクが付属しているもの
  5.プログラマースイッチが付いているもの

 としてください。

 いずれ現在のレベルでどうやって使うかを検証します。
 
 

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