eMate 300のバッテリー

 ようやくの思いで東芝の1200mAh Ni-MHバッテリーの中古をオートショップワタナベのご主人から6本もらった。「やったー」と確かにそのときは感じた。充電開始、2時間過ぎても完了にはならない。画面表示は「バッテリーが死んでいる」のダイアログ。
 テスターで1本ずつ当たってみると、2本がダメになっている。良好なものを4本選んで再び充電。あれ?、10分もしないのに完了サインが出る。おかしい、と思いながら使うのだが、10分もすると、「充電しろ」のダイアログ。再びやると同じこと。この繰り返しを4回ほど行うが、一向に変化無し。とうとう一晩充電し続けたが、結果は同じであった。
 おかしい気分は続いていたが、Takaharaレポートと松山の笹田無線のご主人の言葉を思い出した。Takaharaレポートでは確かにバッテリー(セル)のメーカーと製品は東芝という確認がなされた。しかし、オリジナルのバッテリーパックがダメになた時の状況をすっかり忘れてしまっていた。確かに分解したセルの状況は同じ単三型なのだが、ダメになるときの状況は、少しづつ使用時間が少なくなってきて、終いには充電できなくなるものだ、という記載だった。まさに、このとおりの状況を今回示した、と思ったんだ。
 笹田無線では、この東芝のバッテリーはドイツで作られているはずだ、フジのリチウムの単三乾電池もアメリカのはず、というものだ。今回のはMADE IN JAPANの文字が入っている。どちらかというと、バッテリーの形状が角張っているようだ。それに比べて笹田無線で見たものは現在の1600mAhと同じ角が丸くなっているものであった。
 現在ディスコンになってしまっているので分からないが、おそらく、このタイプには二種類の製品が存在していたのではないか、と感じるのである。僕のオリジナルバッテリーパックは思い浮かべると4年間使用できた。3年目に例の一気にダメになる症状が出てきた。知らない間にeMateが事切れている状態をずいぶん経験した。
 それなら、本当の意味で、現在使えるNi-MHのバッテリーを使用して、この性能と充電関係を確認すればいい。Takaharaレポートにもあるが、この結果から導き出されるものを自作バッテリーの確認、とすればいいのではないだろうか、と思い、現在まで使っている状況は次のとおり。  これが概要である。これは何度行っても同じである。
 次が大きく異なることで、何も使用せずに確認だけで充電完了から1日に1度ディスプレー部分を開けて電源を(自動で)入れると、2日目に2mm程度インジケーターが下がる。3日目に一気に減少する。これ以後、信じられないほどの持ちを示すから、1600mAのバッテリーなら、ここからが真に使用できる充電量範囲、とされるのではないだろうか。
 この使わずに電源を入れる動作を繰り返したとしても、やはり2週間程度で「充電しろ」のダイアログがでる。おかしいと思われるかもしれないが、eMate自体が全ての電力をこの4.8Vの電源でまかなっているのである。ここのところを考えると、1200mAhのバッテリーでの温度センサー設定にされているが、現実には温度センサーの値は値として、1600mAのバッテリーを余力をもって作動させてやる、という逆の発想を展開するのもいいのではないか、と考えるのである。バッテリーケースに入れるようにしてからも全く変わらない。
 1200mAhのNi-MHバッテリーは現在のところ、宇和島ではPanasonicの製品がかろうじて入手できる。非常に高価だ。今のところ、それだけのものを購入して使ってみる気にはならない。
 1600mAのバッテリーを使用しても、かなりの期間は使えるものだから、この時間のことだけ気を付けて自作されるのなら、使用に関しては何ら不都合ない、と申し上げる。


これまでのことも、これ以降のことも改造の範疇になります。あくまで自己の責任で作業をしてください。

 それでも、今回もらった1200mAhのバッテリーがそんなにおかしいことはないはずだ。テスターのボルテージも完全に1.2Vを示す。ウム〜、悶絶状態になってしまいます。この問題の解決策がなかなか見つからなかった。
 ワタナベのご主人の弁によると、「使おう、としたのだが、残念ながらバッテリーの長さが普通の単三電池よりわずかに短いので、接触しなくて、充電だけして放っておいた」というものであった。
 でも僕のeMateに装着しているバッテリーケースのスプリングで、バッテリーは完全に接触しているし、どこがどうということもない。でも待てよ、eMateの場合は4本すべてが空の状態にした上で専用の9W充電器で上手い具合に充電できるってことではないか。そうすると、ここは接点が酸化と汚損して見かけ上、点で接続しているが、面では接続していないのではないか、と考えた。

◆  接点をどうするか
 この接触不良ではないのか?、というに対して、接点、特にマイナス側は完璧にしておく必要がある。
 これは接点を一皮削り取ることにした。マイナスドライバーの先でマイナス側を軽く削る。プラス側はペーパーを軽く当てる。その後、スクアランなどで両接点を「これでもか」、と言わんばかりに磨く。信じられないだろうが、この接点磨きの効果は絶大である。

◆ 放電をどうするか
 これには殊の外悩んだ。ばっかみたい、と言わないように。でもこれだけの容量を短時間にどうやって放電する?。

 欲しいDVDの八甲田山ではないが、「天は我を見放したか....」。いや、そんなことはない。解決策は、ほんの偶然から見つかるものです(笑)。
 その方法は、何と昔やってた電動RCカーのバッテリー放電の方法をやればいい。つまり、オートバイのヘッドランプを芋蔓式につないで一気に消費をさせる、ってものです。
 それに代わるものといえば、もうお分かりだろう。それはカメラのストロボだ。
 僕の持っているものは定格の6Vだから、ネオンランプは点かないけれど、確実に発光をする。およそ50回ほど行って完了とした。チャージを1分過ぎても発光しない状況にする。これでOKのはずだ。

◆ 短い全長に対して
 僕の場合はバッテリーケースを内蔵する改造を行っているので、この全長不足の問題は、ケースのマイナス側スプリングを少し伸ばして対処する。
 無理を承知で、100W程度のハンダ鏝でハンダ付けされてパック形式にしようとする場合は、接続はシンチュウ板より銅板をお勧めする。
 銅板よりも、お勧めはテレビアンテナ配線の同軸ケーブルの網線をカットして使用されるのが一番いい。難点は100W程度のハンダ鏝で一気に短時間で処理しないと、バッテリー本体がダメになって、直づけの意味が無くなることにある。
 eMate 300の関連サイトで、バッテリーセルのまとめに、外装をテープでぐるぐる巻きにされる方法が述べられているが、この方法は4本のバッテリーセルが少々発熱するため、お勧めはできない。僕はこれが原因で、最初に紹介したテーピングだけのバッテリーセルの処理を失敗したのだから。
 ハンダ付けした場合、バッテリーセルの固定には熱収縮チューブを使用するのが一般的だ。この方法だと、ほぼ100パーセント動かないし、高い確率で、元通りに純正のハードケースに収まる。

 この電池が東芝の1200mAhのNi-MHです。
グリーンとグリーンで、いい感じ....。


 いよいよ1600mAhのバッテリーと入れ替えをする。上記の文章を1200mAhのバッテリーに置き換える。

 ●3番目の結果はどうだろうか。
 1600mAhのバッテリーでは、2日ほどすると確実にインジケーターの表示バーが小さくなる。それからジワリと少なくなっておよそ2週間で「充電しろ」のダイアログが出る。
 ところが、1200mAhのバッテリーではそれが起きない。どこまでも満タンに近い状態でジワリ、と少しずつインジケーターのバーが小さくなってくる。
 残りはTakaharaレポートの通りであり割愛する。残念なのは、この1200mAhのバッテリーが各メーカーとも事実上のディスコン商品になっている。
 もし、根気よく新品を探し出したりしたとき、そのときの放電は必要ないが、どこかでもらったなどの場合は、必ず完全放電を行ってから充電を行っていただきたい。そうしないと、僕が最初に経験したことと同じ目にあうからだ。
 そういえば、MP120、130のパーツは無くなった、とAppleが報じた。快調なマシンはしっかり使ってやっていただきたい。それの方がキカイには最良の保存方法だからだ。

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