eMate 300のバッテリー容量の報告

 以前、東芝の1600mAhのNi-MHバッテリーでeMate 300用のパックを製作し、最終はバッテリーケースを使用する方法を紹介いたしました。
 その後、東芝の1200mAhのバッテリーに変更したりもしましたが、これが中古だったためか、思うような調子が継続せず、1600mAhのバッテリーに変更したりして使いながら、一定初期性能に近い結果を導き出せないため、一向にレポートを紹介できなかったのが偽らざるところでした。
 いいわけめいていますが、Macならレス・エディットなどでネットスケープが作動している証拠のNのロゴの色を変えるなども、結構時間のかかるチマチマした作業の繰り返しが茶飯事です。バッテリーの使用状況にしても、どの程度使うとどういた変化をするかなど、使用状況を逐一メモしての結果から導き出せるものですから、1か月や2か月の期間はアマチュアとしては短い期間ではないか、とも感じています。
 そういう状況で1600mAhのバッテリーを使用して次のようなことを導き出しました。

充電時間の一定性(センサーは透明のテープの上に置いてアルミテープで固定)
これは、「バッテリーの容量が無くなりますから、充電をしてください」というダイアログが出て、純正9Wのアダプターで充電を開始するわけですが、ほとんど1時間で完了します。これはeMateの姿形からは想像できないようなすさまじい一定性です。

使用しない場合の容量減少
インジケーターが充電満了状態の確認を行って、毎日同じ時間にリッド(ディスプレー)を開き電源を入れてインジケーターでの容量確認をする方法ですが、この確認方法では数日でインジケーターが3/5程度の容量位置を示します。そして完全充電時から2週間で、「充電しろ」のダイアログが出ます。これもすさまじいばかりの一定性です。

以上のことを導き出すまでに少なくとも2か月ないし3か月の期間が必要なのはご理解できるのではないか、と考えます。

 さて、このこととTAKAHARAレポートとを総合すると、センサーは完全に温度関知のもの、ということ、そして、かなりクリティカルに温度検知を行っていること、それにeMate本体の方で動力源の状態を司るメモリー部分がかなり精度が高いことが分かります。が、これは1200mAhの純正バッテリーにフィットさせるようになっていることはいうまでもありません。
 一方、バッテリー容量は1200mAhから1300、1500と続いて、1600mAhが主流になってきました。誰でも考えるのは容量が多くなればそちらを使うのが人情です。しかし、僕が紹介した改造方法では、いくらケースに入れてあってもバッテリーの専用充電器でいちいち充電するのは面倒です。何とかして、純正のアダプターを使用して、バッテリーを本体に装着したままで充電できないものか、こう考えるのも人情でしょう。僕もこうやって人情に駆られて古い機械に最小の改造を施して、何とか今に生かせる道を与えてやりたい、と考え、実際に行っているところです(爆)。
 
 先日、僕のバッテリーパックのことがeMate WebのHPで紹介され、それを見ていらっしゃった方からメールを頂きました。その方は1200mAhのバッテリーを使用されています。そのメールの中におもしろい報告を見つけました。
 それはセンサーのダイオードを取り替えればどうか、というものでした。秋葉原が近くにないから、僕の場合はできない、と申し上げていたのですが、なかなかいい着眼点のように感じました。しかし、このダイオードの極性を間違えて装着すると本体の基盤にダメージを与えるなど、少しばかり気がかりな点の指摘もありました。これらを考えると、ダイオード交換は少しばかり一般には難しいかな、と考えてしまいます。でも、内容としてはTAKAHARAレポートと同じく温度検知方式のダイオードをセンサーとしている点は間違いないところです。
 そうそう、我が家の灯油ボイラーの基盤を交換するときも、最終ではセンサーも交換してくれ、という状態でしたから、ほんのちっぽけなダイオードでも、基盤に与える影響は大きいものがあるのではないでしょうか。高さ1mほどのボイラーに取り付けるダイオードがeMate 300のセンサーダイオードの8倍の大きさ、というのもおもしろいものです。でも、この交換によって、23年間も作動し続けているわけです。すごいものです。
 余談が多くなりましたが、もう一度、eMateの温度センサーのことを考えてみましょう。上記の結果報告、TAKAHARAレポート、そしてメールを頂いた方からの内容から、温度検知センサーダイオードをバッテリーからある程度遮蔽してはどうか?、というヒントを見つけだしました。
 同時にDuo 2300cのTYPE-IIIのバッテリーがイカレたので分解をしたところ、温度(だろう)センサーがeMate 300と違ってフローティングしてあります。おそらく、このセンサーと本体のメモリーが連動して2時間で充電完了、というリレーションを取っているのではないか、と考えました。
 強いて言えば、MP-130のオリジナルバッテリーパックの状況に近づければ一番いいのではないか、ということになるのでしょうが、後述するようにバッテリーセルそのものがeMateのそれとは違いますから、市販バッテリーでのリプレースそのものが難しいわけです。

 すなわち、
●eMate 300のオリジナルバッテリーセルもDuoのTYPE-IIIのバッテリーセルも、元は裸の状態であること。
●絶縁としてフィルムが被せてあるだけで、その状態で充電云々の状態を把握するセンサーが取り付けられていること。
ということになるようです。

 代用品として作ったeMate 300のバッテリーパックのセル自体は、
■印刷された金属がケースになっているので、絶縁フィルムがない。
■オリジナルのバッテリーセルに対応しているセンサーでは、微妙に(上がった)温度差で作動する状況が出る。
ということが考えられるようです。
 そこで、大雑把な実験を行ってみました。
▼フィルムの代わりに荷造り用の透明テープを使用していた。
この代用として布製のガムテープに換えた。
 ▼アルミテープでセンサーを保持していた。
 ◆温水器のこともあってアルミテープのままとした。
 
 充電完了の後、「充電しろ」のダイアログが出るまで放置する方法を採って、結果がどうであったか、以下に記します。
 1600mAhのバッテリーセルを使用した前回の結果から、急激に容量が不足する点を見つけたため、一日一回充電完了から毎日同じ時刻に電源を入れる根気のいる作業ですが、この方法を採りました。
 ディスプレー画面を見渡し、インジケーターの確認をしてリッド(ディスプレー)を閉じる、というeMateには気の毒なことですが、eMateのバッテリーはeMate全てをまかなっていますから、まずは、この方法が一番いいように感じます。
 この点がMP-130、2100など、あるいはPowerBookなどのバックアップバッテリーを装着していない機種と大きく違う点だからです。

 結果として
●充電時間が1時間10分、と以前の状態より、およそ10分延びた。
●数日でインジケーターの濃いラインが、一気に左よりになっていた症状が消えた。
●リッドを開けてインジケーターを確認する方法をとって、2週間でダイアログが出ていたのが5週間になった。
ことが得られました。

 なーんだわずかに3週間伸びただけか、と思われるかもしれません。しかし、eMate 300の場合、通常の使用方法で最長21〜28日(つまり1か月程度)使用できる、という結果が得られています。完調なeMateなら可能かもしれません。僕のeMateはディスコンになって、旧Newton Shopがアメリカから八方手を尽くして輸入された最後の新品モデルでしたから、その時点で、どういったバッテリーが搭載されていたかは分かりません。TAKAHARAレポートのバッテリーではなかったことは事実です。
 もう一点僕の行っていなかったリサーチがあります。それは、オリジナルのバッテリーパックを使用してバッテリーパック(少なくとも4本の合計)の温度が何度になれば充電完了のグリーンランプに変わるのか、を確認していなかったことです。もし、この確認ができていれば、意外と速く対応できる処置が取れたのではないか、と考えました。
 しかし、eMateを使わない状態で3週間バッテリー容量が持った。しかも充電時間は10分だけ延長。この結果は大雑把な実験結果としては十分満足行くものではないでしょうか。
 
 次は、(ソフトウェアである)アプレットを使用することによってどうなるか、ここを検討してみたいのですが、これは先に結果から申し上げます。僕の場合は日本語変換関係はLily Language KIt(句読点が全角文字になる欠点はありますが)を使用しています。日本語メイトではWorksが使えません。Newton Language KItは重すぎます。内蔵メモリーと加算のメモリー(この間ポシャッたNewer Tecnorogy製)を装備しての状態なら、どうしても、アプレット自体は基本仕様のみにした方がいいように感じました。
 この時点では早計かもしれませんが、僕の場合ですと今回の実験結果からすれば、そこそこの状態でe-Mate 300は使用できるはずです。
 
 以上、現在の所、このバッテリーの状態で異常は起きていません。もちろん、他の方法もあるでしょうが、布製のガムテープでOKということは、簡単に改造が行える上に1600mAhのNi-MH電池を使用して、ほぼオリジナル同様に使用できることなど、なかなかの好結果ではないか、と判断します。
 TAKAHARAレポートからオリジナルが東芝製であること、バッテリー関係の多くの人が東芝のNi-MHを勧める点から、僕が東芝を使用した理由ですが、今後、バッテリーを東芝以外のメーカーにするとどうなるか?など、またまた変化が出るのではないか、と考えます。
 できれば、後日、といってもいつになるか、かなりの期間が必要なため、報告の予定が出せないのですが、どなたかeMate 300の愛用者で同じようなことをやっていらっしゃる方の報告を受けられれば幸甚です。

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