eMate 300の復活
 今年(2002年)の春先から今まで10月まで、ずいぶんと長い間、改造バッテリーパックに悩まされてきました。まずやってきたのは、インジケーターのおかしな動ききでした。何しろ10分で充電完了などという始末。使うと、ものの5分で充電しろ、とくるのです。
 愛らしい形のeMate に似合わず、こいつはとんでもない頑固者だ、と感じてしまいました。このような兆候が現れ始めたのは、Duoシリーズの「詰め替え君」という名称のバッテリーを東芝の1500mAhのNi-MHバッテリーの同銘柄で作ろうとしたとき、今までeMateで使っていた同じバッテリーと一緒にしてしまったからでした。
 この頃は、同銘柄のバッテリーであっても、使用頻度が違うと混同してはならないことを気づかなかったのですが、メーカー指定の専用充電器で充電すると、これが元通りの動作をするのですから始末に悪い。何がどうなっているのか分からない全く悶絶状態に陥ってしまいました。
 知らない間に時が過ぎ、この東芝のバッテリーもディスコンになり、店頭には在庫のみの状況になっているようです。そして2本単位のパックなら存在する、といった状況ですので、現時点で新品で購入するならこのタイプということになります。
 4本の組み合わせなら4本入りのパック、という妙な拘りを抜きにすれば、eMate のバッテリー(1100mAh)に近いという意味からも、これを2パック購入しておいた方がいいのかもしれません。

 話は前後しますが、このインジケーター異変から抜け出す方法として、どういった措置を取ったかを以下に記します。
○まずはバッテリーをサンヨーの1700mAhに変更しました。
 結果から言いますと変化ありません。バッテリーが快調になったためか、10分の充電時間でも、インジケーターからすれば、容量的にはわずかながら向上が見受けられますから、少ないとはいえ、Ni-MHのバッテリーにもメモリー効果が存在するのかもしれません。
 あるいは、eMate内部のメモリーサイドで管理しているものと違う種類のバッテリーが使われている、とキカイが理解しての結果かもしれません。不思議ですが、たまに起こりうることとして頭の片隅に置いておかれる項目と思います。


○センサーの取り付けを色々変更しました。
 充電量を多くするには温度センサーが感知する方法、ということから、センサーへの熱を遮断すればいい、ということになります。
・センサーをフロートしましたが、いつまで経っても未充電でダメでした。
・センサー下に紙を敷きましたが、フロートしたのと同様でした。
・アルミテープから普通のビニルテープにしましたが、これもダメ。

インターミッション
 時には組み合わせを変更しながら、こういったことを幾度か繰り返しました。「ダメなものを組み合わせてもダメなの分かってるでしょう!」と言われるのはもっともです。
 事実、よほどバッテリーが不良でない限り一部なりとも充電は行われているんですから、eMateの内部に影響がなければ、時に「元通りになる」の可能性はあるわけです。
 
▼ダメージ覚悟でセンサーをクリップで挟みショートさせてみましたが、未充電のままながら、ショートを解除すると、一部充電をします。
▼センサーを氷水に浸して拭き取った後で充電しましたが、壊れた様子もなく一部充電しました。
 ダメ同士でも、負(マイナス)と負を乗じても負にはならないように、時として別の要因があるのではないか、と... 。

 ね、こじつけのようではありますが、これらの試行結果が悪かったのですが、やって良かった、むしろこういった試行をやらないから、多くの事柄が安易な方向ばかりに流れてクリエートする考えがなくなってしまう恐れの方が大きいように感じているのは私だけではないでしょう。


解決策の一助

 以前、私のMP130用にAction Namesの日本語イネーブラーに対して、ネット上で探し出した末、稲葉さんのホームページから助け船を出していただいたことがあります。実はMP130のUni-FEPを総て適応させなければイネーブラーは必要ないし、作動もキビキビしたものになるのですが、その当時は知らなかったもので、稲葉さんからの助け船はまさに救いの船でした。
 つい最近、稲葉さんのページの中に、アメリカの中古業者にMP-2100の格安マシンがあって購入した、ということを「Newton日記」で見つけ、その業者のホームページへアクセスして一瞬、全身の力が抜け落ちるのを感じました。
 そこで見つけたものは、MP2100用に単三タイプのNi-MHバッテリーが使える「バッテリーホルダー」だったのです。流石に驚きました。もちろんバッテリーホルダーの考えと実際にも驚きはありますが、これまでして多くのNewtonテクノロジーを愛して止まない方々にサポートし続けていることに対しての驚きの方が強かったんです。
 感じは異なりますが、MacもSonetto社のように古い機種も一定現役で行けるようG4カードまでを出しているところもあり、使い慣れた機種をそれなりに継続して使うコトをヨシとしている国民性の違いの現れでしょうか。


再 試 行
○バッテリー周りは、バッテリー以外総て良好という結果が分かりました。
○センサーもテスト的なことを行いましたが不良ではないようです。

●バッテリーを外してACアダプターのみで作動させると動きますから、eMateそのものの故障は考えられません。

◇もう一度ホルダー内に収まっていたバッテリーパックの純正バッテリーの検証をしてみました。
・外皮はグリーンの熱収縮フィルムでカバーされています。
・センサーは本体裏側左に位置する2本のバッテリーセルの端に隙間なく貼られた小片のアルミテープの上に置かれています。
・センサーはセンサー単体のリード線が長く、リード線をラバーチューブでカバーし、白いラインに結ばれています。
・バッテリー単体はベア(裸)で接点部分はピンスポット溶接、さらにニッケル板で電極が結ばれています。

 以上の通りです。この逆を行えばバッテリーの組立順序になるのはお分かりのことと思います。

□バッテリーを通常の単三型Ni-MHのバッテリーに置き換えた場合、どこがどう違うのでしょうか。
 実はほんの少しのところが欠落していたのです。自分が自分のホームページに紹介しているのにそれも忘れてしまっている、という情けないことに腹が立って仕方がありませんでした。

・バッテリー自体にレーベルコーティングされているため、熱収縮フィルムは不要。
・上記の理由によりアルミテープはセンサーの保持用として、センサーの上から貼り付ける。

 ここまでは今までやっていました。それなら問題発生にならないではないか。それなのに充電できない、という現象がどうして起こったのか。

 思いもかけなかったのは、センサーとリード線とバッテリーセルの関連だったのです。

◇つまり、長く延ばされ、絶縁チューブでカバーされたセンサーリード部分はバッテリーセルに接していなければならなかったのです。
・したがって、センサーのリード線部分もバッテリーに接するようにテープで貼り付けなければなりません。
・もう一つ重要なことは、白いラインからセンサー先端までを真っ直ぐに配置しなければならないようです。
・そしてもう一点、カバーに貼り付けてあるラバーが強くセンサー部分を押さえつけないようにバッテリーケースの底の部分にラバースポンジを入れて調整しないことです。純正のままなら、わずかにスポンジが当たり良好な位置関係になるはずです。

 

最終調整
・バッテリーはサンヨーの1700mAhの4本セットを使用しました。
・ACアダプターをセットし、しばらくしてディスプレーを開きセッティングを開始します。
・電源部のリセットを行います。
・初回は一晩程度アダプターを装着したままにしておきます。
・ACアダプターをセットし、電源部分のリセットをするために、裏面のリセットボタンを押した後、キーボードの電源ボタンを押します。
しばらくすると、メモリーをクリアーするかどうか英語で訊ねてくるので、「No」の方をタップします。

考 察
 今のところ、私のeMate 300はこの方法で快調になりました。「バッテリーが無くなります。充電を開始してください」、という英語のダイアログが出て充電開始。ほぼ1時間20分で充電完了となります。
 使用状況にもよりますが、規定の90%以上のパフォーマンスは示しているようです。ようやく解決です。 


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