●確認作業
その前に、とりあえずバッテリーをはずして、AC-DCアダプターを直接eMateに接続して、どういった状況になるのかを確認する。9Wアダプターを接続、一瞬、充電確認ランプが緑に変わり、すぐさまオレンジになって、通電が確認できる。そしてリッドを開く。かわいい起動音とともに、おもむろに内蔵RAMとのやりとりがはじまり、いつものとおりディジタイザを行って動かすことが出来る。
残念ながら、基本のものだけ残っている。つまりオンボード上のメモリーのみ作動している。僕の場合はリリーランゲージキットで文字化けは後で直るから、いちいちプレファランスを開いて修正する必要ない。内容が残っていることだけを確認する。
この確認をせず、バッテリーがないとデータが消えてしまうことを真に受けて、内蔵メモリーを先にはずすと本当に何にもなくなる。これは本当のことなので注意すること。万一のためにPCにバックアップを取っておかれるようお勧めする。転ばぬ先の杖である。
いずれにしろ、バッテリーなしでも動く状態と内部のメモリーにはメモリーされていた(寒〜)ことが確認できた。時間をゆっくり掛けてバッテリーの製作を開始する。
◆注意
あらためて申し上げる必要はないが、バッテリーといえども今回のことも改造である。メーカーにとっては改悪に等しい。したがって、いかなることになろうとも手を下したご自身が最後まで責任をとっていただくよう、お願いする。何がどうなろうとも当方、ならびに関係メーカー等一切関知しないことをあらかじめ申し上げておく。
●製作
僕は1月14日夕刻までに、足を棒にして充電電池を探したが希望のものはなかった。前号で申し上げたナショナルはどうも店頭に2組、しかも高価だったので没になった。ソニーもいいが、実験にはチト高価である。サンヨーもあったが単四であった。最後の最後にTakaharaレポートのとおり、東芝の電池をDOYショップで見つけた。が、容量が1500mAhである。多くの用件は満たしているが多すぎる容量に困った。
再度レポートの要点を思い出してみた。レポートはドイツのVALTA製でセルは東芝、となっていて、それにそって純正バッテリーに近いものを作るポイントが述べてあった。対して僕のバッテリーはシンガポールメイドで、バッテリーセルは裸なので、メーカー不問である。重量も製品としての単三型充電バッテリーより少しばかり軽い。(前回の写真のとおりだが、重量は分からないか)
が、待てよ、現行のアダプターは9Wだ。すなわち、裏側の表示によれば7.5V×1.2A=9Wとなる。出力=入力の値なら1200mAhの電池が必要であるのは理解できる。これまたTakaharaレポートで使用した東芝のバッテリーセルは1300mAhだから、残りの100mAは使いきらない=充電できない領域、と記している。しかし本当にそうであろうかと考えても、メーカーからの確認がとられたレポートなので信じるより方法がない。
もし、この1500mAhのセルを利用してバッテリー(パック)を作った場合、メモリー効果はeMate300では画面右下のインジケーターと合わせて、容量がなくなりかけると「アダプターを接続せよ」とのダイアログが出るので、充電できない範囲のことは考えなくても大丈夫、と思う。つまり、アダプターに主眼を置き、およその1200mAhのバッテリーとして使えばいいのではないか、という自分なりの結論を導き出した。もちろん、アダプターの定格出力を信じてだが。
メモリー効果の心配はないが、eMateをシャットだウンしてバッテリーだけをはずし、品は少なくなったが、バイク用6Vのワット数の大きい電球をつけっぱなしにすればいい。一昼夜もやれば十分だ。多くのバッテリーはリフレッシュできる。昔の電動RCカーのバッテリー放電方式に似ているが、このやり方を行えばいい。
僕の場合メモリーに記入データはそのまま残っているのは先に申したとおりだから、バッテリーのみを考えればいい。
この東芝製の1500mAhのバッテリーを4本購入し、セル早速バッテリーパックを製作してみることにする。ここまでの費用は1,600円である。
用意するものは次のとおり。
■単三型Ni-MHバッテリー1200mAh以上のもの4本
■はさみ
■伸びない荷造り用のテープ
■テスター
■それにアルミテープ(元のものから注意してはがせば再使用可)
◆元のバッテリーからはずして使うものは接続端子と絶縁スペーサー
◎特に接続端子は端子板が電極にスポット溶接してあるので、ラジオペンチなどで注意深く取り外しておくようお願いしたい。前回このことを申し述べていなかったことをお詫びしておく。荷造りテープは必ず伸びないものを使用すること。できればオープンリールテープの編集用スプライシングテープが好ましい。
■製作開始
●直列に二本ずつセルをテープでつなぐ。片側をわずかに外向きにしてテープでつなぐ。その後、もう一方から先ほどと反対(方向)に内側へ引くようにつなぐといい。こうすることによって、2本のセルが直列に確実に接続される。その後、接合部分のぐるり一周をテーピングしておく。
●取り外しておいたプラス、マイナス接続端子を二本直列にしたバッテリーの片側に細長くカットしたテープで確実に止める。接続端子に付いている絶縁テープが電極側になるようにすること。
ここで導通を確認しておく。導通していても、マイナス同士で接続している場合があるから注意すること。
◎また、2本をつないだ部分のプラス側の凸端子とマイナスが接していないことにより、導通が見られないことがあるので注意すること。
●2本直列のセル同士の両端をテープで仮止めする。両端は片方がプラス、片方がマイナスになるように動かないよう細心の注意をはらうこと。
◎ここでのテーピングはダイオードセンサーの取り付け位置をはずすこと。
◎当然、プラス側の凸部分だけマイナス部分の平坦面より突出するので、2本直列のセル同士のテーピング部分は一致しない。位置が決まると、動かないよう細心の注意をはらいテープで止める。
●テープで合体したものを少しひねって動かないことを確認し、再度導通を確認する。
●最後にeMate本体のボードとの接続コネクターを2本+2本合体したバッテリーのプラス、マイナスに接続する。接続端子の隙間にテスターを当てて再度導通を確認する。
●センサーをアルミテープで元あったところに止める。これでOKである。
以上でバッテリーパックの製作が完了した。
自作バッテリー装着後、作動音の確認が出来る。リッドを開けると最初のディジタイザを要求してくるので、それを行う。
これら、最初に申したことが画面上で確認できるはずだ。次に僕の場合だとプレファランスより、リリーランゲージキットのSift-JISを選択し、メモリー内の文字化けが直っているのを確認する。後は意のままになっているはずだ。
若干、バッテリー内に出荷前のチェックで充電されたものが残っているので少々のことならタイピング可能のようだ。できれば、バッテリー充電要求ダイアログが出るまで使っていただきたい。バッテリーによってはすぐさまダイアログが出るかもしれないが、その場合は
シャットダウンして、充電を行う。1時間程度で充電完了となるはずだ。
考察
僕の場合、今回のバッテリー製作時間は30分程度であった。ひとまずeMateを使用できる状態に復活した。
残念ながら毎日eMateのかかりっきり、という生活ではないので、使用時間をこまめにチェックしている。あっという間にバッテリーの容量不足には陥らない。使用する僕の精神面も安定する。ひとまず安心しよう出来る確認は取れたのでこ、バッテリーケースを作るか、バッテリーパックを作るか。これを次回までに出しておかなければならない。またしても"Newton
Never Die"か。嗚呼...。
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