eMate300のバッテリーその後

 eMate300のバッテリーで、ちょっとした不具合が出てきました。いえ、前回の試作が決してダメということではないので心配なさらぬよう。不具合というのも危険極まりないとか、本体に影響を及ぼすなどといったものでもないんです。単に直列にしたバッテリー間の接続不良が発生し始めた、ということなんです。
 以前紹介した記事は伸びのない荷造り用のテープを使用して、ストックのバッテリーから電極を取り外してNi-Hmの単三型のバッテリーに取り付けて使用する、というものでした。使用時間がバッテリーの容量と充電器の関係から少ない、ということはありましたがeMate300が普段と変わらなく作動することが確認できたのは大成功でした。
 ところが、最近になって、「バッテリーが死んでいる」という英語のダイアログが頻繁に出始めました。数回リセットして動くのは動くのですが、キーボードのスイッチでoffにして、リッドを閉めた途端に「シャラ〜ン」というリスタート音、これが止まらないのです。おまけにことが起きるのは深夜なので、とうとうバッテリーをはずした始末です。当然、メモリーは触っていませんから、記録は残っています。
 はずしたバッテリーを前にして、しばらく考えていましたが、相手のバッテリーが「ここをこうしろよ」と応えてくれるわけでもなく、数日間が過ぎました。
 「バッテリーケースの大きさがひょっとして同じ?」、いつもそうなんですが、忘れかけてくると、頭の片隅に置いていたバッテリーのことが何かの拍子でピーンとやってくるんですよね。(僕の場合だけか)
 以前購入しておいた安物のバッテリーホルダーがあるのを思い出して、引っぱり出しました。当初、何度もeMateのケースに入れようとサイズを合わせてましたが、スナップの部分があって装着できないんで、そのままにしておいたのです。今回しばらく見回して、バッテリーホルダーの電極がハトメで止められているのを発見したわけです。「ハトメなら無理すればホルダーの壁とツラ一になって入るかもしれない」と思いつきました。計測すると本当にピッタリ、少しの修正で収まります。

【以下のことは改造になります。あくまで自己の責任で行っていただくことを強く申し上げておきます。】

バッテリーホルダーの改造は次のとおりです。
(スナップのないバッテリーホルダーは改造の必要が無い場合があります。)
●ニッパーで注意しながらホルダーのスナップ部分をひねりはずし、ラジオペンチで注意深く伸びたハトメを広げてホルダーの電極をしっかり固定します。
●ホルダー外側のエッジ部分をカッターナイフとペーパーでスムースに平面に仕上げておきます。ここでやっておかないと後ではナイフが入らず苦労します。
■加工したものが写真のものです。

●20w程度の半田ごてを用意して、すばやく電極の内側に元のケーブルを半田付けすればOKです。ここまで実に30分。早い作業です。
●バッテリーを改造したホルダーに装着して、セロテープで結構ですから、センサーが当たる部分にバッテリーjO被のRにそってテーピングした上にセンサーを置いてアルミテープで覆います。
●両方の電極の外側を伸びないテープで保護しておきます。

これで電源部分は完成です。

◆eMate300側の加工をします。といっても、バッテリーケース内のホルダー未加工部分が当たる部分の薄いスポンジテープをはがすだけです。これでOK。

■eMate300にバッテリーホルダーを注意して納めるのですが、長手方向は本当にジャストの長さですから、上手に入れてください。先にテープで電極を保護したことはeMate300のバッテリーホルダーの壁を傷つけないことも含むわけです。

ケースの蓋を取り付けて、すべてが完了です。

     

 とりあえず、充電を開始します。いつもの9Wチャージャーで行います。約1時間で充電完了のグリーンランプに変わるはずです。
 当分これで使用します。自作のバッテリーパック(ホルダー)とバッテリーリッドに隙間が出来ますが、確実にケースの中でホールドされていますから動くことはありません。しかし万一のことを考えて、(鞄に入れて)振り回したり、置くときにドサっと無造作に置かないようにしてください。
 ここで隙間のことを申し上げたかというと、次の理由によります。
 充電の時にチャージャーが暖かくなります。当然のように「センサーは温度感知」とTakaharaレポートにもありますから、バッテリーも暖かくなっているはずです。
実は、このことで以前行ったテーピング処理が緩んだために、電極間がはずれて「バッテリーが死んでいる」というアラーとが出たのではないか、という予想が出来たからです。
 そうすると、全く市販のNi-HMバッテリーですから放熱という関係もあり、そのことを含め、バッテリーを動かぬようにするための高密度のクッションスポンジテープの使用は考えなくてはなりません。特にリッド部分にこのクッションを使ってセンサー部分にタッチすれば温度状態が変化して充電量が一層制限される可能性があるからです。
 そこで考えたのが、次の方法です。

 以上でほぼ95%は元通りのバッテリーとして回復するのではないでしょうか。初めての人には半田付けが結構やっかいです。できれば、アルミの洗濯ばさみも必要でしょう。のんびりやると半田が熱いので、ホルダー部分が溶けてしまいます。
 けれども、この方法は、バッテリーセルも交換できるのでバッテリーメーカー別の性能が確認できますし、ひょっとすればディスコンになった1200maHのバッテリーもテストできます。純正バッテリーがほとんど入手できない現状では、こういった方法に頼るのがアマチュアの強みでもあり、eMate300を末永く使う方法でもあるように思います。

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