Palm Pilotその後

 前号で、Pilotの改善方法を申し述べました。改善方法を採っておよそ3週間、たまに調子が悪いときが出てきました。ヤバイと感じたのですが、ディジタイザをやると直りますし、ティスプレーのタップボタンでの変換は大丈夫だったので気にもしていなかったのですが、とうとうリセット回数が多くなって、再びバラすことにしました。

 ところが、原因究明に多くの時間が必要でした。不調原因箇所は思いもよらぬことで発見できました。何度も作動確認をやって、いい加減アタマにきて、Palm Pilotってこんなに不調だったのだろうか、無理してWork Padの最新版を買った方がよかったのかもしれない、と考えながら、今度ダメだったらメーカーに送ろう、Boneのページを見た人に気の毒だったかな、とトップのラッチを合わせようとしたときでした。

 「あれ〜、こいつコネクターから離れてる」、ペラペラのフレキシブルハーネスをコネクターに差し込みもう一度ラッチを合わせようとしても、抜け出てくるのです。「そんなバカなことが...」と思いながら、コネクターをロックしてハーネスをいじると、簡単に抜けるではありませんか。

 そうなんです。ここ、トップカバーのロゴの下部分に、液晶から出ている柔らかいフレキシブルハーネスが極端に薄いため、プリント板のコネクターにしっかり取り付けができないのです。

 この部分の厚みを増せば抜けなくなるし、補強を兼ねて、フレキシブルハーネスにセロテープで1cm幅ぐらい裏打ちをしておきます。決してシルバーの電極部分にセロテープを貼らないようにするとともに、このときコネクターとの接点部分より先にセロテープが出ないように注意します。

 この方法を採って以来ズボンの後ろポケットに忍ばせて職場へ出かけていますが、作動の不調はありません。「何だかな〜?」と思われるようなフシがあれば、このようなところをチェックしてください。もし、松山へ出かけられると、ベスト電器にIBMのワークパッドがありますから、さわられるとよろしいかと思います。
 Palm IIIになってようやく使えるキカイになったと感じますが、Pilot時代は本当にアバウトな製品であった、と感じています。けれども、何か引きつけるものがそこにあったため、日本語で使えるようにユーザーが努力してきたように思います。
 ハード面は小さく軽く使いよく、しかも廉価。これを英語の世界でやったわけですから、ちょっとした製品の欠点なんかはとばせてもよかったのかもしれません。しかし、日本のユーザーはそんな考え以上に期待をする。シャープのザウルスがそこにあるし、少なくてもPilotでシステム手帳ぐらいはやってしまう、という考えで導入をする。これに応えるキカイをメーカーも一定検討する、この繰り返しではなかったのか、と思いを巡らせるのです。
 ワークパッドの最新モデルではニッカド電池になって、残量を常に気にしなくてはならない、などの新たな問題が出てきています。ちょうど、AppleがMacを世に出して、これから、というときに、どことなく似ている、というのは僕だけが感じていることでしょうか。
 以下に僕の行ったPalm Pilotに対しての改善策を列記します。

●液晶〜プリント基板への接続ケーブルのクセ付け
(爪楊枝を間に入れてRをクセ付けする)

●液晶〜プリント基板への接続プリントハーネスの裏打ち
(セロテープで1cm幅を裏打ち)
(コネクター部分よりセロテープが出ないようにすること)

これだけです。

 再度注意申し上げますが、新品で購入されたWork Padなどはディーラーなどで修理を受けてください。Boneの行った行為は明らかに分解です。範疇は改造にあたります。どうか、あくまで自己の責任、ということを肝に銘じて行ってください。


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