Palm Pirotチップス


 みなさん、こんにちわ。PalmのPDAを使ってますか。え、まだ使っていない。では、ショップへ走ってIBMのワークパッドを手に入れましょう。そういった必要のない人は鉛筆と手帳を用意しましょう。紙と鉛筆の人でも、以下のことは他のキカイでも参考になりますから、目を通してくださいね。(前項の生真面目さと代わって、何という軽薄さ。ま、イイッカー。)

 BoneのPalmPilot PROFESSIONALは2MBのRAM装備のものを、Caravan Yuのバーチャルショップから購入しました。付属コメントのとおり、確かに完動品でした。が、日本語環境にするため、J-OS IIIをインストールして、問題が発生しました。
 コメントには「完動品」、「プロショップでメモリーカードを取り付け」、と確かに記載がありましたが、しばらく日本語環境で使用すると、スタイラスペンでタップしても何の変化もしなくなってしまうのです。ボタンでは動くのですが、スタイラスペンの操作は受け付けないのです。これをフリーズ、とPalmの世界では呼ぶようです。
 この場合、筐体の両サイドを強く押すと、時として作動することがあるのですが、そのうち頻繁にリセットを行い、作動を確認する繰り返しが始まり、完全にスタイラスペンでは使えなくなってしまうのです。そうやって動いたときにバックアップをとっておいて、これから申し述べる作業に移るのが、通常の方法です。特にデータ面では総て消え去る可能性があるのは言うまでもありません。
 さて、最終行為、つまりメモリーをはずし、20分ほど電池もはずして、再度バッテリーを装着して完全に内蔵ROMだけにして使うと、英語の環境では完全に使えるのです。次にメモリーカードを取り付けて、同じく英語環境で動かすと、これまた見事に動きます。
 こうなると人間の恐ろしさは、疑いの眼をJ-OSとか、PalmPilot本体に向けるわけです。冷静さは、すでになくなっています。ウググ〜、

 小っこいドライバーを用意してPilotの中身を見てみますが、どこといって悪くない。ソフトのインストーラーもダウンロードしたV2.0だし、本当に悪いところがないのです。困った困った。こんな時は、一日おいて動かしてみると直っていることがある、って、ほとんど迷信の世界に突入してしまいました。
 ムム、夜になるとMP130のことが頭に浮かんできます。「どうしてあんなのに浮気したのよ」って言っているようで、やりきれなくなる気分にも陥りました。

 翌日、電源投入しても同じ状態です。分かっているのに、こんなことをする僕も完全にダメ。手の施しようがありません。もう一度、僕のCPU(頭)を冷やして、不調の数々をまとめてみることにしてみました。

●英語の環境では問題なく作動する。(メモリー、本体関係には問題がない)
●J-OS IIIがフィットしていない。(J-OSのコメントに、そういったことは書かれていない)
●パネルタッチがズレる。(英語環境では起こらないし、J-OS 1.9でもズレた)
●筐体の両サイドを強く握ると動く。(何だかな〜、分かりません)
●筐体がPalm IIIより弱い(これは本当です)
●ペン先がざらつく(こんなものでしょう)

 こういったことで、完全に問題になるのは「筐体の両サイドを強く握ると動く」です。どうしてそうなるのか、ここを解明すればおそらく直るはずです。
 さらに、推察をします。

 もう一度分解してみます。今回は少し確認をしながら、慎重に行います。スピーカーも注意してはずしておきます。
 接点部分を磨きます。Boneはスクアランを使用しますが、スプレーの接点復活剤やイソプロピルアルコール、エチルアルコールよりは、糊の付いていない、ハンカチやおしぼりを水で濡らして、硬く絞ったもので拭いて、乾いたハンカチ(これも糊の付いていないもの)で拭き取ってやる方がいいように思います。ティッシュペーパーは毛羽だって使えません。

 一つずつパーツをプラスチックの枠に装着します。と、いっても、

■液晶をプリント基板と結ぶ
■スイッチを置く
■裏蓋に重ねる(スピーカーを装着)
■トップカバーを裏蓋の前側、三カ所のラッチに合わせて取り付ける
■ビスで固定する

 これだけのことです。どこがどのように組合わさるのか、注意して行います。バラしたときもそうですが、ここはメモを取っておいた方が良い、と思います。

 が、裏蓋に置こうとして、液晶を上にしたときに、おかしい部分を発見しました。それは液晶とプリント板を結ぶワイヤーハーネスが、プリント板にハンダ付けされているところから急激に曲がっていたことです。仮組を何度行っても、このハンダ付け部分からしか曲がらないのです。おまけに、このワイヤーハーネスがかなり硬く、クセが付くと、簡単に曲がりが変わるようなものではないのです。PowerBookのフレキシブルハーネスとは比べものになりません。

 ピーン、ときました。筐体の両サイドを強く握るとこの部分の曲がりが緩やかになって、ハンダ付け部分の急激な曲がりが緩和され、電気の流れのストレスが解除されるのではないだろうか、と思いつきました。確かに、ここを流れるのは微量な電圧電流ではありましょうが、Pilotの大きさ、単4バッテリーのパワーからすると、結構この部分は大量の電気の流れがあるのではないか、と考えられます。
 その上に、タッチパネルを兼ねた液晶ですから、多くの情報が電気の流れとしてこのワイヤーハーネスに集中するため、このように急角度で、ハンダ付け部分から急に曲げて取り付けてあっては、スムースに電気が流れないのは、目には見えない現象ですが、考えつくことです。

 そこで、ワイヤーハーネスにループ状にアールをつけたりしてみましたが、変化はありませんでした。クセが付かないのです。何度か仮組をして、ハンダ付け部分から4mmぐらいのところを、つま楊枝を中に挟んで折り曲げることにしました。ハンダ付け部分から4mmぐらいのところまでは、プリント板と平行になるようにするわけです。

 方法として

●両面テープを3mm×15mm程度にカットして、ワイヤーハーネスのハンダ付け部分のところから4mm辺りをプリント基板に固定します。
●ワイヤーハーネスの両面テープで止めた部分から曲がるようにするため、つま楊枝を中に挟み込むようにあてがって、指で強く折り曲げます。
●つま楊枝のアール部分がきっちり残るようにするのがコツです。
◆バッテリーを装着したままの修正行為はPilotの常ですから、必ず、つま楊枝を使用してください。小さいドライバーでは万一の場合、ショートする可能性が大きいからです。
◆裏蓋取り付けビス3本のうち、注意して見ると先のわずかにとがったものがあります。オリジナルのものでしたら確実に存在しますから、確認してみてください。
◆この1本だけは、必ずリセットスイッチ横の取り付け部分に使用してください。他の2本のものをここに使用すると、プリント基板のパーツにうまくスクリウインできないようです。

 これだけのことで完了です。

 とりあえず、J-OS IIIをインストールして使用します。バッチリです。動作が安定してきだしました。この処理を行ってから2週間が経過しますが、現在までのところ、ペン操作で動かないということはありません。

 最後に、多くのPilotがPalm IIIに換わられたと思います。そして、IBMのワークパッドに乗り換えられた方もいらっしゃるでしょう。
 しかし、そうは問屋が卸さね〜、とBoneは確信しています。熱烈な無記名のPilotからの愛用者は、買い足しはあっても、Pilotを決して手放さないのは、よく知っているからです。また一方では、現在のワークパッドが、ディスプレーに日本語の占める部分が多くて好きになられない方も多い、と聞きます。想像ですが、おそらく、このPalm Pilotの前オーナーも、僕の修正した部分の不調で売りに出されたのではないでしょうか。

 メモリーは確かに日本語環境なら2MBは必要、と感じます。特にRAMに依存するPilotは、メモリー容量が増すと動作も速くなるわけです。したがって、J-OSはIIIになってすごく使いやすくなりましたし、2MBは必要なのです。

 どうか、PirotユーザーでBoneのPilotのような症状が出た場合は、このワイヤーハーネス部分を疑ってください。用意するものは小さいプラスドライバーと、つま楊枝が1本、それに両面テープが少々です。バックアップを取ってから作業をしてください。
 扱いが慣れている方はメモリーカードとバッテリーは装着したまま作業できる、と思います。不安なようですが、そうしないとPilotの場合は日本語のデータが全くなくなることを承知おきください。
Pilotという名称が物議を出したこともさることながら、現在の最新機種に至っても全く同じ操作で作業ができることに注目して、しっかりと末永く使ってほしい、と希望します。


次でおしまい   

inserted by FC2 system