宇和島へ入るには?
● その1,JRでは
前書きブラブラは2004年1月18日、南予マラソンが終わった後、宮脇書店まで出かけたときのことだ。年末年始の観光客も今は居ない。仮に僕が旅人で
あったとしようか、この街に入るにはどうすればいいのだろうか。
まずは飛行機で松山までやってきて、JRもしくは宇和島自動車のバスで宇和島入りになる。残念ながら直接海から入るルートは絶たれた。いずれにしても、
一般に今は陸づたいに入ってくるわけだ。
JRを主に申し上げると、松山からは「しおかぜ」の岡山・高松からの直通便、「宇和海」の松山からの便、これで来られるとすれば、途中で止まる駅の最終
は卯之町(一部は伊予吉
田)駅だ。そこから宇和島駅までは5つの駅を飛ばして一気に入ってくる。
高知からJRだと、近郷の鬼北(きほく)の地からは予土線を経由して北宇和島駅で松山方面との予讃本線と一つになって宇和島入りになる。そういったこと
から北宇和島駅が一
つのジャンクションになるわけだ。そして、「... 一つになる」に、日本でも希有な真のあることの意味が隠されているのである。
それは、ホームに下りたって下り列車の進行方向を見ていただくと、直ぐに理解できる。二本の平行したレールは一体どこへ行くのか?。それは列車止めの
ループを経てコンクリートのプラットホームへ入り込む。
隣の貨物の引き込み線は列車止めの前にフェンスをまたいで地面に放置され、それより先、レールが消える。
つまり真の「終着駅」なのである。ここで止まった列車はここを始発駅とする。この当たり前のことだが、それにはもっと秘密がある。それは、予讃本線その
ものは愛媛県内は単線だからだ。
貨物の線が分断されるのにはもう一つの意味がある。その線路の向こうは一本の道路がズ〜ット海まで通っているのがお分かりになる。駅前大通りから2本
下った道路がそれだ。
初代市長、山村豊治郎がこの貨物列車を通して当時盛んであった海運と連絡を図るため、今通っている道路を臨港道路として中心に鉄路を走らせるためのもの
であった。が、実際は様々な点で計画が中止になって、今では知る人もいない道がそこにあるだけになり、肝心な宇和島運輸のフェリーも本体が八幡浜市へ移っ
てしまっているのだが... 。そう、その道の名残なんだ。
このことから、JRで宇和島入りすると、宇和島からの旅立ちは全く同じ所からになるのである。まさに終着駅は始発駅だし、こういった所も日本国
内でも少ないだろう。
● その2.国道56号線から
松山からのルートで56号線を南下すると、大洲(おおず)の北只(きたただ)を抜ければ、ほぼこの道一本がメインルートとなる。宇和町から法華津(ほけ
つ)峠を越えると吉田町、知永(ちなが)峠を越えると宇和島に入る。
高光(たかみつ)、申生田(さろうだ)を過ぎ、須賀川(すかがわ)にかかる和霊大橋を超えると一気に市街地だ。
和霊大橋を超えるところから国道56号線における宇和島の不思議が始まる。まずは90°右にカーブを取らねばならない。和霊神社を超え直進。ものの
400mを走って今度は90°左折。600m走って90°右折。200m走って90°右折。
再び300m走って90°左折。200m走って90°右折。200m走って90°左折。
これで、宇和島市街部を走り抜ける。決して冗談で言ってるのではない。このルートを通って宇和島市街には一切立ち寄ることなく、お隣の津島町への道が
待っ
ているのである。
JRとは違って、シケインの連続のような市街地を通る国道でありながら、市街のことは全く無視して一気に走り抜けてしまう。全く不思議な道なのである。
そのため、道路標識には国道56号線の表示はあるが、市街の町名などの表記は少ない。
僕はこのことが宇和島自動車の路線バスを除いて、陸路、宇和島へ訪れる方々が素通りしてしまう要因の一つではないか、と考えてしまう。
まずは、和霊神社前の標識に注意して、JR宇和島駅の標識が目に入ればそこを指示どおり左折する。そうすれば駅前大通りにぶつかる。大通りにかかる信号
を左折すれば、JR宇和島駅だ。そこから右回りに進めば再び国道56号線に入ってくる。僕はこのルートをもっと紹介するといいのに、と何度も考えてしま
う。
これ以後は次回にまわすが、宇和島駅前には駐車場があるし、そこへ止めれば4時間もあれば宇和島市街はほとんど散策できる。何しろ市街の中心部から山に
も海にも20分歩けば確実にブチ当たるからだ。こんなことは観光ガイドにも一切記載されていない。
どうだろう、観光などではなく、少し忘れているような、そんな宇和島を市民として、もう一度発見するというのは... 。
ちなみに、下の写真は和霊大橋の近くにある駐車場の入り口だ。僕には、この文章は犬には読めない、と確信するし、人間は別の理解、「俺は犬ではないから
入れる」とするのだけ
ど... 。
でも、実際は「犬は入れるな」と読ませるのだろう。
それでも、ブロック塀の記載はかたくなに「犬は入るな」となっているのだ。
(この項終わり)