消えゆくものを止める(その2)

 すっかり気をよくして、欲出した失敗の結果、テスト段階ということで、2013年11月17日、午前中の晴れ間を利用してディスク構成を改造ディスク+ トライアングルディスク7枚+遮蔽板+円形ディスク5枚でやってみました。お分かりのとおり、スーパートラップのSR500の標準枚数8枚 に準じた次第で す。それにトライアングルディスク1枚でもヌケがよくなっているはず、と踏みました。
 残念ながら取り付けボルトはバランス上3本にせざるを得ないので、排気ガスの流れが6本止めとは若干異なります。ここまで考慮する必要は無いかもしれま せんが、念のため。

 取り付け前に、新しくパンチングメタルのみのインナーコアをアマゾンに発注しておきました。で、トライアングルディスク1枚を増やしたのですが、思わぬ 物を見つけました。
 これら、スーパートラップ、スーパーサウンドの細かなことは後ほど。

 実際の走行をやります。昨日と同じ時刻にやります。幸い天候も一瞬でしたが、昨日と同様の空模様でした。(午後から雨が少し降ったので、ホンの一瞬のこ とでした)
 ところが、走りながら、ある種の違和感が出てきたのです。おそらく、昨日の組み合わせを知らなければ、これはこれでなかなかいい、になるのですが、どう しても気になるのです。
 何処がどう違うのか?、それはアクセルワークが若干カッタルイのです。ツキがどうのこうのではなく、この辺、というところがピンカンでフィットしないの です。が、アクセル開度を一定にすると、何処までも同じ速度をキープします。これには恐れ入りました。マフラーの重さは異なりますが、フィーリングはまさ しくノーマルマフラー並みになっています。

 どうするか?。散々悩みましたね。再度、以前のディスク枚数に戻してみます。残念ながら取り付けボルトは改造インナーコアの3本です。オカシイかもしれ ませんが、これらの問題点は後ほどね。

 で、1枚増で走った結果は... 。驚きましたね。加速ほかのものはSR500のストック状態です。が、ご存知のように車体後部の軽さは申し分ありません。オイル交換後のフロントフォーク のダンピングも良好です。
 走り始めて、どことなく軽い純正品を装着している気分になってきました。これでは、元の木阿弥です。信じられないでしょうが、私にとっての最良の褒め言 葉です。裏を返すと、これを目標にしていたのではない、という自負心が芽を出してきます。
 おかしいでしょ。けど実際です。こうなってしまうのが、「純正と同じ」ということで、簡単にマフラーを替えてしまう、ということになるのです。これを成 功といって安心させるのは単に「音」と「そこそこの性能アップ」だけに過ぎません。
 今回の1枚増やしが本当にそれに当たることを確認しました。このギクシャクしなくなった5速での走りをオカシイとする方にはベストセッティングであろう と思います。が、その前の段階を知っている者とすると、昨日の結果の方がよかったということになります。

 ここで、これまで出てきたモロモロなどからを纏めて記載します。
 まずは、ディスク取り付けです。スーパーサウンドは取り付けボルトが5mm径です。ネジ山は5ラ0.8です。したがって、私のインナーコアはこのサイズ でネジを切り替えています。
 今回、これが裏目に出ました。その上に、書記のスーパーサウンドはスパトラと同じく、ギリギリ5ミリなのです。したがって、ボルトが入らない。無理矢理 入れてもディスクにねじを切ることになってしまいます。これがディスクものの最大の欠点であろう、と思います。
 この修正は、後期ディスクでは比較的簡単ですが、当初のものをどうこうするには、ボール盤で1枚ずつ穴開け加工をする必要があります。
  こればかりは、残念ながらリーマぐらいでは受け付けません。やはりドリルでザグリをする必要がありますが、この部分はディスクが重なる部分から穴開けをや るのが手っ取り早いのですが、やはり、ドリルの振れを最少にすることと、ディスクを動かないように治具を作らないとなりません。それゆえ、BORE- ACEさんの治具のことが浮かんでくるのでしょう。
 スーパートラップの取り付けボルトを使用すると、これが随分と楽になります。この辺をどちらにするか?考えてしまいます。
 ディスクの精度はスーパートラップよりも材質も硬いスーパーサウンドの方が良好であろうと思います。そのことから考えると、スーパートラップのボルトを 使用して、スーパーサウンドのディスクを取り付けるのが好ましいようにも思います。

 次は、ディスク取付時の締め付けトルクです。スーパートラップの締め付けトルクは0.7kgNmということになっています。以前も出したことがあ りますが、私、これは締めすぎであろうと思うのです。理由は現在のディスクは取り付け部分のバリ的なものを次のディスクとの隙間確保にしています。
 それですと、0.7kgNmではディスク後部のバリが潰れてしまって、ボルトを抜く場合に困難が伴うのです。この時がボルトの折損事故が一番多いのでは ないか、と感じています。
 スーパーサウンドのディスクは0.45kgNmとなっています。が、私はこれでも締めつけすぎ、と思ってしまうのです。ボルトとネジの精度からすると、 少々高価な方のインナーコアのネジ部分をカバーしているタイプなら大丈夫ですが、私たちが利用するインナーコアのタイプは取り付けナットだけがカシメてあ るタ イプのため、熱で固着するとボルト以外での折損率及びネジの空回りはかなり高いものになってしまう、と思うのです。
 そのために、締め付けトルクが強いと、いくら耐熱のグリスを塗布したところで、スムースにいかない、と私は感じるのです。
 その上に、6本を対角線上に締めつけること自体がどうであろうか、とも思います。こういったことから、以前に出した6角の線上に星形の締めつけ方法が有 効になるのではないか、と感じるところです。
 しかし、私の経験からすると、純正のマフラー取り付け方法ですと、リアステップが若干のラバーマウントになりますから、スパトラの場合でも、締め付けト ルクはアーレンキーでキッチリ締まって一息強く 締めつけつる感覚で緩むことはない、と思います。もちろん、レースに使うなどは別であり、毎日120km/hで高速道を使用しているユーザーはその限りで はありません。


 としたところで、先にアマゾンから安価にインナーコアを購入しました。1日で届く速さです。コアのエンドが平面になった新しいタイプで、アキシャルフ ロー対応のものであるし、n-1の公式がモロに当てはまります。ご存知のように旧タイプではn-1にならないのです。旧タイプは1枚目の後、2枚目との間 のスリットから、となっていて、およそ3〜4枚はエンドコアに入り込むようになって取りつくようになっているのです。微妙なところですが、影響はかなり大 きい物が存在すると思います。

 もう一つは、ディスク取付のナット部分の仕上げがかなりよくなってます。ナットはシンチュウです。したがって、ステンレスのボルトが装着されますから、 この部分はベアリング効果が発揮できるかもしれません。同様にステンレス同士では排気ガスの熱で固着する可能性があります。



 以前からシンチュウでしたが、今のものはかなり丁寧に仕上げがしてあって、純正のボルトを使用することとします。
 いずれにしても、純正のままでは用をなしませんのでシムズクラフトさんへ電話で問い合わせをして、一応、新しいインナーコアを修正してもらうこととし て、11月25日に送付しました。一体どうなりますやら。エエ目が出るか悪い目が出るか。エポックメーキングが続くと、これはおもしろくなりますよ。


  


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