SR500 の隠れた欠点(その2)
どうしてエキ パイが違うのだろう?

 今回ヤフオクでゲットしたフルエキタイプのスーパーサウンドM。それを 取り付けた当方のSR500が結構いい、ということから始まったこの件ですが、一つはフルエキタイプのパターンからどうなっていたのかを検討すること。も う一方はSR400用のエキパイをSR500に装着するとどうなるか?、の二つのことを検討することとしました。
 これまで、スリップオンを主として報告を重ねてきましたので、一応、フルエキタイプは後回しとして400と500のエキパイの違いを確認し、再度試行を してみることとしました。

 フルエキタイプのスーパーサウンドMの結果から思い浮かんで、手持ちの 純 正SR400用のエキパイを出して、SR500のエキパイと比較してみることか ら始めることとします。
 階下の息子の部屋からSR400のエキパイを出して500のエキパイと並べ、フレームマウント部を見たときに、アッと声を上げたわけですが、以下の写真 を見てください。どちらがどちらかお判りですか?判りはしないですね。わずかに違うのはトップサイドにあるGとHの刻印の違いのみです。



 私の経験からすると、SR500は当初からの2J2のもので、SR400は3GWではないか、と思っています。写真では判断が つきませんが、指を入れてみますと、排気がシリンダーヘッドを出て直ぐのところの絞りの角度が400の方がキツイことが判ります。
 でも、待ってくださいよ。しかし、私のSR500には「G」の刻印があります。これって3GWでしょ?!。となると、マフラーも3GWですから、ヨー ロッパ向けはピストンが48Uで圧縮比が高いことと、スタン ダードのステップ位置が違いますけど、グリタリングブラックの塗装のモデルは、このエキパイとマフラーの組合せでリリースされていのではないか、と思って はいるのですが、ヤマハはもとより、あらゆるメーカーではパーツの製造過程で、その都度製品番号が共通化されるも中身は違っていたり、その逆もあるわけで すから、何とも言えないのが現状です。
 およその予想はできましたが、外見はどこといって違いがなさそうにも感じるのですね。
 ところが、フレームマウント部分を見て、これは少しばかり違うぞ、と見ただけで感じました。400の方が、500よりもフレームマウント 部分からマフ ラーとの接続部分まで長いことに気付くはずです。これは何かある、と踏んで寸法を測ってみます。結果は次のとおり。
 左がSR400・右がSR500として、メジャー付きの写真で比べることとします。

 まずはアウターから

 

アウターは400の45mmに対して500は10mm短い35mmぐらいです。 

続いてインナー

 

400の15mmに対して500は10mm程度です。
 この時点では500のエキパイは400より全体に短いということが分かります。したがって、2J2のエキパイはどうしてもマフラーの接合部とスキができ る取付になるのでは、と考えたのですが... 。

 エンジン特性はそのままとして、排気の流れを一定強く速く出すにはどうすればいいか。それは、これまで申し上げたように、排気口を少し絞って一気に加速 させれば、後はピストンの行程で脈圧干渉の関係から連続回転になるにしたがって、効率よく排気ができるはずです。

 SR400と500はシリンダーのボアは同じですが、400は500よりもストロークが短いのです。その分出力確保のため、400は圧縮比が高い。とな ると、ギクシャク感を無くすためにクランクウェブを重くしている。と、こういったエンジンです。(と、この時は考えていたのですけど... 。)
 こういったところから、SR400には初期型以外、(3GW、3HTを除いて)専用のパーツナンバーのエキパイが使われているのではないか、と感じ るのです。

 一方のSR500は、国内では2J2の最初のSR500から生産完了になるまでほとんど変更されませんでした。唯一変更になったのはクランクウェブが軽 くなっただけ。
 思うに、当時は対米輸出用が主だったために、SR500はダートトラッカーをイメージさせた結果の産物だったのが、国内ではビッグシングルとして古い英 国の500ccシングルのイメージを追い求めさせられたため、ヤマハとしてもどうしようもなかった。そして、免許制度との兼ね合いから500は重要視され なかった。
 ヨーロッパ、特にドイツでの人気が高かったにもかかわらず、国内では大幅なエンジン特性の変更などされないままで終えんを迎えることになるわけです。

 確かに、1E6のXT500の低圧縮のピストンを使用している国内仕様のSR500ですが、クランクウェブが軽い点など、若干高速型のエンジンとしつ つ、ドコドコ感も持つという不思議な味付けがされています。
 実際ドコドコ感を感じるような走らせ方をSR500で行っているユーザーっていらっしゃるでしょうか?。
 私が思うには大半のユーザーは「400ccより 100cc大きいエンジンが持つものを実際に発揮して欲しい」と考えていらっしゃるのではないでしょうか。それを求めるため、マフラーを変更したり、キャ ブを変更したり、ボアアウトしたりされる。間違いとはいえないまでも、そういった行為よりもっと確実な方 法があるのではないか、と感じたことを以前に記載しています。
 2000回転・50km/hでギ クシャクする走り方がトルク感?!などと思っていらっしゃる御人が居れば、それは大きな間違いです。むしろ1速落として4速で右手のひねり具合でウッと来 るような出方と走り方ををするのが、本来のSR500であろうと信じています。

 今回の一件から、エキパイを400のものに変更すれば、SR500の持つポテンシャルが上がるのではないか、という私の予想感覚の支配。そして確実にそ う なるという自信めいたものが支配する中、実際に行うこととしました。

 さて、現在はセンタースタンドのストッパーを装備しています。最も簡単なテストを開始するにはスリップオンタイプのスーパートラップ、スーパーサウンド を取付けて行うのがいい、と判断し、早速エキパイを変更することとしました。

   



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